回転する成型ドラム上に、幅15mm程の細いリボン状に押し出したゴムを巻き取り、貼り合わせることによってタイヤに必要な部材を製造する新工法。
従来工法では、幅の広いトレッドなどの部品をドラムに巻き付け、両端部分を重ねて貼り合わせ、グリーンタイヤにしています。この貼り合わせ部がジョイント部と呼ばれます。それに対し、A.T.O.M.工法は、従来工法のようなジョイント部がないため、ジョイントレスと呼ばれます。
従来の厚手の平たいゴム板からトレッドを形成した場合、大きな貼り合わせ部が発生し、タイヤのバランスに大きな影響を与えていましたが、A.T.O.M.は、細長いリボン状のゴムを巻きつけて形成するため、巻き始めと終わりに小さな切れ目が発生するだけになり、タイヤバランスへの影響が極めて少なくなります。
従来工法は品種ごとの部材の入れ替えが必要となるため、生産品種の段替に時間がかかります。その点、A.T.O.M.は、コンピュータ管理によるプログラム変更で任意の部材を製造できるのため、効率的な多品種少量生産が可能です。