TOYO TIREのマテリアリティ
TOYO TIREのマテリアリティ
サステナビリティを推進するうえで、事業領域との関連範囲や社内のリソース制約などの観点から、優先して重点的に取り組む事項を特定することが重要であると考えています。
当社は、2021年6月に、サステナビリティ委員会においてマテリアリティを決定し、7月の経営会議でこれを承認しました。
社内リソースを戦略的にマテリアリティの取り組みに投下するとともに、従業員一人ひとりが業務と関連づけてサステナビリティ課題に取り組む組織風土の醸成や、マテリアリティを軸とした対外的なESG対話の充実などステークホルダーエンゲージメントの強化にもつなげていきます。
マテリアリティの特定プロセス
当社は「中計’21」において事業経営へのサステナビリティのビルトインを表明し、社長及び統括部門管掌役員によるステアリングコミッティを立ち上げて、サステナビリティに関する方針の策定とマテリアリティの特定に着手しました。
2021年4月にはサステナビリティ委員会に移行し、計4ヶ月間にわたって討議を重ねました。その間に、サステナビリティ推進実務の中心となる本部長・部門長クラス(計40名)も同じテーマで議論を行い、その内容を委員会にフィードバックし、討議材料として加味しました。
マテリアリティの特定プロセス
目標・KPIの設定プロセス
当社は、各マテリアリティに対して具体的な活動テーマを設定し、サステナビリティ方針に基づいて、テーマごとに中長期目標・ゴールと、そこに到達するためのプロセス・施策を計画立てました。
目標・ゴールは、まず、長期的(2030年時点)に、当社や社会がどのような状態に到達していることをめざすかを考え、「状態ゴール」として表しました。そして、「状態ゴール」までの達成度合いをイメージして確認できるよう、指標として「状態KPI」を設定しました。
中期(2025年時点)・短期については、2030年から逆算した「状態ゴール」とその状態に到達するために取り組むべきこと(プロセス、施策)を計画し、年度方針などに落とし込んで進捗管理を行う仕組みとしています。
マテリアリティ
領域Ⅰ 価値創出
当社グループの製品・サービスを通じて顧客や社会に対して提供するユニークな価値
1. 持続可能なモビリティ社会の実現に寄与する
モビリティ社会が持続可能であって初めて、タイヤ・自動車部品メーカーのサステナビリティも確保されることを認識しています。「環境負荷ゼロ」「事故ゼロ」「効率的な移動・輸送」といったサステナブルなモビリティ社会の確立に向けて、自社の役割(独自の製品・サービスを通じた貢献)を果たしていきます。
2. 豊かなモビリティライフを支え、創造する
モビリティ社会の持続可能性に必要な要素(環境対応、安全)を満たしつつ、人々がモビリティライフに求めるさまざまな期待の一端に、独自の製品やサービスを通じて応えていくことは、モビリティ社会の多様性を支える創造的付加価値であり、これを実現していくことが重要と考えます。
2023年度の主な実績
・モデルチェンジごとの低燃費性能グレードアップ計画に基づく商品開発。
・独自のEV対応戦略にもとづく差別化商品の開発。
・物流業界の環境・社会課題に貢献するトラック・バス用タイヤの開発。
領域Ⅱ 価値創出を支える基盤
価値を生み出すための基盤
3. 多様な人財の挑戦と働きがいを創出する
タイヤ・自動車部品メーカーの中長期的な視点、独創的で柔軟な発想、主体性と挑戦心を備えた人財が当社グループの求めている人物像です。加速度的に激変する不透明な経済社会のなかで、当社グループの事業経営を支え、より高い付加価値を創出できる多様な人財の基盤を強固にしていきます。
4. 次世代モビリティの技術革新を続ける
当社グループが製品やサービスを通じて提供する価値は、新しい時代に求められるモビリティの進化を支えるものでなければなりません。これを実現していくために常に技術革新に取り組み、社会の要請に応えるテクノロジーの進化を続けていくことが重要だと考えています。
2023年度の主な実績
・第2回社員意識調査の実施、風土改善アクション。
多様性・包摂性を促進するための女性活躍研修、アンコシャスバイアス研修。
・サステナブル原材料使用比率: 26%
(2023年末時点の生産品における重量ベース)
・サステナブル原材料に関する産学連携(共同研究)を国内外で推進。
領域Ⅲ リスクマネジメント
価値創出の実現にあたり全事業活動において疎かにせず責任を持って遂行していく事項
5. 全企業活動における脱炭素を追求する
世界、日本、経済界、業界が同じターゲットを共有し、脱炭素への取り組みを推進することに当社グループもベクトルを合わせ、全社を挙げて、この重要課題に取り組みます。製品・サービスを通じて環境負荷のないモビリティ社会の創出をめざすとともに、製造プロセスやサプライチェーン全体での脱炭素化をめざすほか、各種施策を事業上のコスト競争力にもつなげます。
6. サプライチェーンのサステナビリティを促進する
当社グループの事業において天然ゴムをはじめとする原材料のサプライヤーが持続可能でなければ、事業経営におけるサステナビリティは確保できないこと、また、真に豊かなモビリティライフは健全なサプライチェーンによって成り立つという認識のもと、サプライチェーン上の環境・社会課題を重要課題として位置づけて優先的に取り組みます。
7. モノづくりの根幹(品質と安全性)を守り抜く
どれだけ価値ある製品やサービスを生み出すことができても、品質や安全性という根幹が揺らげば、社会でその価値が認められ、意味を成すことは叶わなくなります。自社の過去の教訓を含め、いかなる仕事においても、すべてに優先して確かな品質・安全性を守ります。
2023年度の主な実績
CO₂排出量削減実績(対2019年比)
Scope1、Scope2: 35.6%、 Scope3: 1.5%
・生産拠点における再エネ由来電力比率:71.1%
・ICP制度の試験運用(投資判断への活用)
*2024年1月正式運用開始
・バリューチェーン全体での人権リスク評価の実施。
・環境・社会リスク評価が完了したサプライヤーの割合:
タイヤ原材料の取引総額の70%
*天然ゴム一次サプライヤーについては100%
マテリアリティにひもづく活動テーマについて
マテリアリティは当社グループの優先的重要課題であるため、サステナビリティ委員会のサブ組織としてタスクフォースを設置して、もしくは既存の横断的組織・会議体を活用して、各テーマの目標・KPIを設定し、その達成に向けた取り組みプロセス・施策を計画します。それらはサステナビリティ委員会と経営会議で承認されたのち、各統括部門の年度方針書・事業計画に組み込んで実行します。