東日本大震災を経験し、昨年は能登半島地震の震災シンポジウムを企画した 藤原 佳枝(よしき)さん 神奈川大学4年 22歳
助け合いの輪、広めたい
○…昨年10月、参加するゼミの主催で、被災地の最前線に立ってきた岩城慶太郎さんをゲストに迎えた講演会を行った。「いつか呼びたいと思っていた。復興が進んでいない能登の実情を同世代にも知ってもらいたい」といい、自身や学生が企画運営を担当。能登とゆかりのある市内の銭湯を巡りチラシを配るなど、広報にも汗を流した。講演会開催に合わせ、学食で金沢カレーの提供や売上の寄付も実施されるなど支援の輪も広がった。
○…宮城県出身で、小2の時に東日本大震災で自身も被災。祖父母も津波で亡くした。避難所での生活も経験し、「叔母とは3日目に何とか再会できて。夜空に輝く星空が苦しさを紛らわせてくれた」と振り返る。辛さを人一倍知るからこそ、昨秋には災害ボランティアとして能登へ。「助けてもらったから、今度は自分が助ける番」と3日間にわたり、泥や瓦礫の撤去作業を行った。一番伝えたいのは「震災は誰もがいつでも体験しうる」ということ。だからこそ「他人事にせず、助け合いの心を持って」と呼びかける。
○…大学進学を機に、「知らない世界を見てみたい」と横浜へ。中2で本を読んで魅せられた「矢沢永吉さんの影響もあったのかも」と微笑む。著書は今も持ち運ぶほどのバイブルだ。2年次には、講演会で感銘を受けた『ハマのドン』こと横浜港振興協会の藤木幸夫会長と座談会も実現。「とても腰が低くて。人を惹きつける人柄を肌で感じた」と貴重な体験を回顧する。
○…電車での旅行が好きで、47都道府県制覇までもあとわずか。卒業後には、京急電鉄へ就職する。「利用者さんを笑顔に。いずれは地域でのイベントや街づくりにも携わりたい」。夢に向かって出発進行だ。
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