本太刀は、刃長が77.3cm、反りが3.0cm、元幅が3.1cmの大きさで、鎬造り(しのぎづくり)、庵棟(いおりむね:屋根の形に見える峰/棟[みね/むね])、華表反り(とりいぞり:反りの中心が中ほどにある体配)の踏張りが強い形状です。
本太刀の制作者は、鎌倉時代後期の刀工「来孫太郎」で、1292年(正応5年)の年紀と、刀工本人の物と思われる花押もあります。来孫太郎という名前に関しては、「来国俊」(らいくにとし)の俗称だったという説が有力です。「来孫太郎」の銘を切った日本刀は、他には例がないことから、大変貴重な1振とされています。
1953年(昭和28年)11月14日、重要文化財に指定され、その翌年の1954年(昭和29年)3月20日には国宝に指定されました。現在、本太刀を所蔵しているのは、愛知県名古屋市の「徳川美術館」です。