なんとなく知っているようで知らない『くるみ割り人形』。
事前に本家『くるみ割り人形』物語を調べたうえでディズニー映画『くるみ割り人形と秘密の王国』を鑑賞。
正直、映画としては非常に物足りない。
でも、劇中でバレエを披露するミスティ・コープランドに心を全部もってかれた。
それで十分だと思った。
くるみ割り人形と秘密の王国
あらすじ
愛する母を亡くし心を閉ざした少女クララは、クリスマスイブの夜にくるみ割り人形に導かれ、誰も知らない秘密の王国に迷い込む。「花の国」「雪の国」「お菓子の国」「第4の国」という4つの王国からなるその世界でプリンセスと呼ばれ戸惑うクララだったが、やがて「第4の国」の反乱によって起きた戦いに巻き込まれていく。
ミスティ・コープランドのバレエシーンが美しい
出典元:https://twitter.com/disney_around/status/1039899431808598016
とあるように、バレエでおなじみ『くるみ割り人形』を天下のディズニーが映画化した作品だ。
映画として残念な点は後述するが、先に”映画としての”結論をまとめあげると、映画批評サイト『ロッテン・トマト』の評価とほぼ同じだ。
「感動的なクリスマス・ストーリーや魅惑的なダンスシーンが不足している。『くるみ割り人形と秘密の王国』は観客を引きつけはするものの、簡単に記憶から消えてしまう作品である。ホリデー・シーズンによく見かける中身のない映画である。」
引用元:The Nutcracker and the Four Realms (2018) - Rotten Tomatoes
・・・とまあ言われ放題な映画であり、この批評通りの映画だと感じてしまったのだが、ミスティ・コープランド圧巻のバレエシーンは「この映画を観て良かった!」と思わせるものだった。
ミスティ・コープランドとは
アメリカ合衆国のアフリカ系黒人女性バレエダンサーである。
アフリカ系黒人女性では初の首席ダンサーであるプリンシパルに昇格した。
”保守的”とも評されるバレエ界において、バレエ界の常識を打ち砕くかのように頭角を現し、首席ダンサー・プリンシパルに昇格したという異例のバレエダンサー。
とはいえ、わたしはバレエにおいてど素人なので偉そうなことはこれ以上言えないのだが・・・今作で舞う彼女の姿は、物足りない映画がどうでもよくなるほど美しかった。
今作を観終えた後「本家(バレエ)でのくるみ割り人形観たいな」と思えたのは、彼女のバレエシーンのおかげである。
ミスティ・コープランドの魅力
劇中バレエを踊るミスティ・コープランド。
今作は映画だ。バレエ等舞台を観るときのように、定点カメラのような視点で彼女の踊る姿を見るわけではない。編集によって、彼女のしなやかな肉体や表情がアップで切り取られる。
しなやかな肉体が切り取られたとき、その美しすぎる筋肉に惚れ惚れした。バレエ界ではその豊満な肉体はあまり好ましくないようだが、跳躍する姿が美しいバレエの型と、その美しすぎる肉体は本当に見惚れる。
また表情の豊かさも印象的だった。
ミスティ・コープランドが第4の国の場面で踊るとき、ネズミたちに驚き、慄く表情で、第4の国の嫌われ具合が伝わってくる。映画としては4つの王国の背景が薄くて、なんで第4の国がやたら悪者扱いされているのかが伝わらなかったが、忌み嫌われ具合は容易に感じ取ることができる。
文句のつけようがない演舞だった。
ミスティ・コープランドが舞う『くるみ割り人形』を2時間上映するんでもよかったんじゃないか・・・と思ってしまうほどだった。
エンドクレジットのバレエが良い
“The ballet tells the story of the Four Realms.”
— Disney's Nutcracker (@thenutcracker) 2018年10月20日
Get tickets to #DisneysNutcracker and the Four Realms in theaters November 2. https://t.co/Sgm50dymLH pic.twitter.com/WlQfE5iKA8
劇中での彼女の舞いも美しいが、エンドクレジットで流れるミスティ・コープランドの舞には一見の価値がある。というか、エンドクレジットのためだけに今作を観てほしいと思うほどだった(が、何度でもいう。映画自体の出来は残念だ)。
エンドクレジット途中、バレエというよりコンテンポラリーダンス的な・・・謎の動きをする男性も加わってシュール極まりないということにも注目だ笑。ただ、そのシュールな動きが目に入っても、ミスティ圧巻の舞は揺らがない。
もうね、映画観に行ったのに、ミスティ・コープランドのファンになって家に帰ってきたよ。
映画として残念だった点
映画として残念だった点はまあまああるので・・・箇条書きさせてくれ。
- 愛する母親を亡くしたクララ家族に漂う、サスペンスすぎる雰囲気
- 妻を亡くしたクララ父の感情がわかりづらい
- というかクララの感情がわかりづらい
- くるみ割り人形の出番少なッ!
- 4つの王国についてもう少し深掘りしてよ!
- 雪の国と花の国の目立たなさが残念
- なんならお菓子の国がなんであんなに第4の国を嫌うのかも理解できない
- 第4の国の出番少なッ!
- マザー・ジンジャーの出番少なッ!
- お菓子の国の人、情緒不安すぎない!?
- そもそもクララのお母さんが秘密の王国に出入りしていた理由がよくわからん
- 秘密の王国に出入りしたことと、家族の仲が良好になる結びつきがよくわからん
- よくわからん
マッケンジー・フォイが可愛いからいいか
出典元:https://twitter.com/thenutcracker/status/1054780752506904577
主人公クララを演じたマッケンジー・フォイ(写真左)がビビるほど可愛かったから、「ビビるほど可愛い女の子をどアップで堪能できる映画です」と紹介すれば、今作の評価は高まるかもしれない(↑マッケンジーとミスティの2ショット可愛すぎる)。
観終えた後「観ても観なくても良かったな〜」と映画に失礼な感想を抱いてしまったのが正直なところなのだが、
- ビビるほど可愛いマッケンジー・フォイを観るか
- ビビるほど美しいミスティ・コープランドのバレエシーンを観るか
と考えれば価値ある映画である(偉そう)。
では。
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