2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧
「利他」の概念は、生産性や合理化を進める際、ある種の障壁となるかもしれない。 けれどそんな少し間の抜けた概念であり、一歩間違えば悪用されたり、善行の押し付けとなったりする空恐ろしさもある「利他」を、一見相反しそうなテクノロジーや法や社会の世…
さまざまな媒体で語られていることだと思うが、本作は直接的な加害シーンが映し出されることはない。暴力や殺戮が行われている「音」はする。何なら、この「音」に関しては、自然豊かな環境でごく当たり前のように耳に届く鳥のさえずりと同じくらい、主人公…
「最近、初めて〇〇しました」というお題にピッタリなことを、つい1日前に始めたばかりである。 それが瞑想。 瞑想、あるいはマインドフルネスと呼ばれるものに対して、これまでの私はなんとなく「スピリチュアル感が強いな……」という軽度の忌避感を抱いてい…
ある人から見れば、やっぱり過激に捉えられてしまうのかもしれないが、私は今、読んでおいて良かったと思えた。薄らぼんやりと「これって結構変じゃない?」と思っていた現代社会の現状をビシバシ突きつけてくる本である。 そして今ある世界を根本的から覆そ…
小学2年生、5年生の時に経験した学芸会がきっかけで演劇にハマり、高校の文化祭では自作の脚本で演劇を行い、大学生の時には演劇部で活動するなど、昔から演劇が好きである。 しかし、平田オリザが書く戯曲にはなんとなく苦手意識があった。当時の自分による…
2020年〜2022年まで武蔵野美術大学通信教育課程に通っていたのだが、そこではじめて「哲学」を受講した。通信教育なので、基本的には教科書と参考書、課せられるレポートと試験のみでしか「哲学」には触れられないが、その世界があまりにも面白く、それ以来…
中学生だったか高校生だったかは覚えていないが、国語の授業で初めて『平家物語』に触れた時、音読した時の言葉の響きがあまりにも面白くて頭にずっと残っていた。那須与一が矢を放つ場面での「ひょうふっと」という表現、続くリズムがクセになった。 この本…
先日、国立新美術館で開催されていた、企画展『遠距離現在 Universal / Remote』を観に行った。とんでもなく心にグッとくる展示だった。 後述する鑑賞ミニガイド「◯才のためのミニガイド」に記載された『遠距離現在 Universal / Remote』のコンセプトが非常…