【女性のペチャンコ髮】皮脂が多くて困った時の対策 | 東京青山クリニック

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【女性のペチャンコ髮】皮脂が多くて困った時の対策

外を見る女性

女性の見た目には髪形が大いに影響しますから、ヘアセットの際にできるだけボリュームが出るように工夫される方もいらっしゃるでしょう。

梅雨時などは湿気の影響で髪がペチャンコになって困るという話をよく聞きますが、梅雨時に関係なく皮脂が多いために思うようなヘアスタイルを維持できないと訴える方もいらっしゃいます。

本章では頭皮の皮脂がもたらすトラブルについて詳しく見ていきます。


頭皮の皮脂が多くなる要因

頭を触る女性

まず、頭皮に皮脂が多く分泌されてしまう要因について見てみましょう。様々な要因が考えられますが、主なものに以下の3つが挙げられます。


① 食事の影響

人の体は普段食べている物が作っていますので、油脂分を多く含む食品を多くとれば皮脂量も多くなります。食べた油分がすべて皮脂として利用されるわけではありませんが、取り入れる総量が多くなれば、体が合成する皮脂の材料が多くなるので影響は出ます。

スナック菓子やラーメンなど油脂分の多い食事をした後で顔がテカる体験をした人は多いと思いますが、食事の質も皮脂量に影響します。


② 睡眠と自律神経の影響

睡眠が十分にとれないと、交感神経が優位になり興奮状態が続きます。この状態では男性ホルモンの分泌が活発になり、その影響で皮脂量も増えます。


③ 洗髪習慣

安いシャンプー剤の多くに含まれる洗浄作用の強すぎる成分は、皮脂をごっそり取りきますが、その反動で皮脂過剰を招くこともあります。

皮脂は頭皮のバリア機能を持っているので、皮脂を取りすぎると体の防衛反応で余計に皮脂を分泌してしまうこともあるのです。


皮脂過剰で起きるトラブル

皮脂が多くなると髪がべたついてペチャンコになってしまう問題もありますが、それだけにとどまらず、放置しているとさらなるトラブルを引き起こすことがあります。

まず皮脂が毛穴詰まりを起こして、髪が正常に育つことができなくなり抜け毛を増やす可能性があります。さらに多すぎる皮脂は頭皮の常在菌(マラセチア菌など)の異常繁殖を招き、皮膚トラブルの原因になります。

脂漏性の皮膚炎を起こすと、頭皮にかゆみや赤みを生じるため皮膚科的な対処が必要になります。悪化すると脂漏性脱毛症を引き起こし、大切な髪を多く失ってしまうことになりかねません。


皮脂をできるさけ抑えるには?

皮脂過剰は色々な要素が絡み合って生じるため、自分でできることを複合的に処置していかなければなりません。皮脂過剰を招く要因を冒頭でいくつか紹介しましたが、これらの要素をつぶしていくのが目下の作業となるでしょう。


① 食生活の改善

日常でスナック菓子やカップラーメンなど油脂分の多いジャンクフードを食べる習慣があれば、これを排除します。普通の食事の調理で用いるオリーブオイルやごま油などは、極端に多く使わなければOKです。

まずはジャンクフードから摂取する悪い油を避けるように日常を見直してください。


② 睡眠の確保

仕事でどうしても遅くなるような場合は仕方がありませんが、いたずらに夜更かしをしていないか見直してください。十分な睡眠時間の確保も大切ですが、毎日寝る時間が大きくずれると安定した睡眠がとりづらくなり、交感神経優位に傾いてしまいます。

この状態では皮脂過剰を招くほか、薄毛の原因になる男性ホルモンを多く分泌してしまいますので、薄毛リスクも上昇します。夜間の活動量はできるだけ減らして、体を休めるように調整してみましょう。


③ 洗髪習慣の見直し

悪い洗髪習慣が原因で皮脂過剰が起きている場合には、これを改めることで皮脂を抑制できます。まず、スポーツなどで汗をかいたりするような事情がなければ、一日の洗髪回数は1回に止めます。

タイミングは夜寝る前にして、朝シャンは夜にどうしても洗髪できなかった時だけにします。可能であれば、適度な洗浄作用で頭皮の負担を避けることができるアミノ酸系のマイルドなシャンプーを試してみてもいいでしょう。


それでも改善しない場合は

自分でできることをやってみて、それでも皮脂過剰が改善しない場合は一度医師に相談してみることをお勧めします。もし頭皮に異常が起きている場合はこちらの治療を行いながら、医学的な観点から色々と原因を探ることができます。

マラセチア菌が繁殖していると思われる場合には抗真菌薬を使わないと改善が進まないことも多いので、医師による鑑別と適切な処置が必要です。