高校進路ご担当先生・保護者様向け情報
警察官・消防官は、採用試験合格後すぐに警察署や消防署に配属されるというものではありません。
警察官の場合には警察学校、消防官の場合には消防学校に入校し、基本的な知識・技能・体力を身に付けるための訓練を行います。
また集団行動の大切さを教えられることも学校の大きな目的となります。
今回の特集では、弊社修了生の中で、現職で活躍されている方からうかがった、警察学校/消防学校について、現状を踏まえてご紹介いたします。
※今回、紹介させていただく内容は、あくまでも弊社修了生からの聞き取り、アドバイスによるものです。自治体や年度によって、カリキュラム、規則等に細かな違いがありますので、あくまでも参考材料の一つとしてご活用ください。
弊社では、警察官・消防官として活躍できる人材の輩出に向け、チームとしての協調性や協働を意識させるため、グループワークや集団討論、校舎によっては体力測定会の実施や体力強化に向けてのアドバイスにも力を注いでいます。
どのような人材が求められているのかという観点から今回の記事を読み進めていただきますよう、お願いいたします。
入校前にやっておいたほうが良いこととしては体力をつけておくことが挙げられます。腹筋・背筋やランニングなどを行い、警察学校に入校後の授業についていけるよう、合格後もコツコツと筋トレや走り込み等で体力をつけておきましょう。
また、その他には「普通運転免許の取得」が挙げられます。
合格後、入寮前までは数カ月時間がありますので、できればその間に自動車学校に通われると良いかと思われます。
採用通知の中に「普通免許と普通二輪免許はできるだけ入校前に取得してください」と記載されている場合もあります。
警察学校の一日は、規則正しい時間割で、警察官として最低限必要な法的知識や体力作りなどのカリキュラムが組まれています。午後の授業が終わると、文科系から体育系まで様々なクラブ活動を楽しむことができます。
※上記は千葉県警の例です。自治体により、スケジュール等は異なります。
警察学校では食堂で食事を取りますが、こちらの食事は基本的に栄養士が作成しているメニューです。
栄養面のことをしっかりと考えられているメニューのため、栄養価はバッチリです!
人気メニューは人によっても異なりますが、男性だと「唐揚げが好き」という方が多いとか…?
原則週休2日制なので、土日や祝祭日の休日には実家でのんびりとしたり、友人と旅行に出かけたり、楽しむことができます。
ただし、外出する際は申告書を提出する必要があります。申告事項としては、「どこに行くのか」「誰といるのか」「何をするのか」「何時から何時までするのか」等です。
その際に気を付けること、それは『申告書に記載する事項に虚偽があってはいけない!』ということです。
また、時間については、余裕をもって記載することが大切です。申告時間より早く学校に戻ることは許されますが、万が一、申告時間を過ぎてしまうことは、規則違反となります。
ところで、「警察学校=厳しい」というイメージがあるかもしれません。携帯電話の使用禁止、髪型の指定、外出時(コンビニに行く等)にはネクタイ・スーツ着用といった厳しいルールも地域によっては存在しているようです。
しかし、そういったルールも緩和の傾向があるようです。例えば、千葉県警察学校では、携帯電話は、これまで外泊以外では寮内でも使用が禁止だったのが、勤務時間を除いて使えるようになりました。
髪型は「男性はスポーツ刈り、女性はショートカット」だったのが、「入校生活に支障がなく、清潔かつ端正」であれば、自由になりました。外出時の服装も、以前はスーツの着用が義務付けられていましたが、ジャケットにチノパンといった、カジュアルですが職場でも違和感のない服装なら認められるようになったそうです。
初任科として約6カ月(自治体によって異なる)の研修を消防学校で行います。
全寮制であったり、色々な規則があったりといった部分は、警察学校と大きくは変わりません。
入校前にやっておいた方が良いこととして、消防学校でも同様に体力をつけるということが挙げられます。
防火衣や空気呼吸器など、出動時のフル装備の重さは約20㎏もあり、訓練ではそれを身に付けて全力で走りまわったりするそうです。そのため、体力をつけておくことがお勧めです。
ボンベを背負いながら建物の階段を何往復もするといった訓練もあるとのことです。
いかに早いか、ではなく、いかに体力がもつか、といった持久力が大切なものといえます。
また、消防学校では危険物に関する講義があり、最終的に危険物取扱者 乙種4類(乙4)の資格を取得することになります。独学でも事前に取得することも可能な資格なので、採用が決まってから、体力作りの合間に勉強してみるのも良いかもしれませんね。
とはいえ、ほとんどの消防学生は入学時に未取得らしいので、入校までに何よりも体力づくりをおすすめいたします。
※スケジュールは学校ごとに若干時間は異なりますが、大まかな流れはどの消防学校も大体同じです。
自治体によっては、自動販売機にお菓子やカップラーメンが売っていて購入できる環境もあるそうです。
入校後、氏名のあいうえお順で仮部屋割が決まります。
人数は、6~8人が同室です。
その後一週間の間に、教官と面談があり、希望や適性によって、「係」が決まります。
係は全員が何かしらの担当を持つことになり、消防学校中は、原則ずっと変わりません。
と同時に、再度正式な部屋割りが決まります。
その係の一部をご紹介
規律係については、嫌われ役になりがちとのことです。
ただし、心を鬼にして仲間を指導するといった、団体生活ではなくてはならない存在と言えます。
正しいことを、きちんと言える方にふさわしい係と言えます。
原則週休2日制なので、警察学校と同様に、土日や祝祭日の休日には実家でのんびりとしたり、友人と旅行に出かけたり、楽しむことができます。ただし、外泊する際は申告書を提出する必要があります。
東京消防庁においては、現状、入校後、最初の一週間、外泊は不可です。
例えば、4/1(月)入校した場合、
その週末の土から 外出は可能です。そして同日の夕方には戻ることになっております。
翌週の土曜からは外泊もOK。その際は、申告書(外泊先など)を先述の規律係に提出をします。
なお、東京消防庁の場合には、県外に実家があるという学生も多いので、外泊はせず寮にとどまることができます。そのため、東京消防庁の寮には、床屋などもあるそうです。
高校ご在籍中に部活動をなさっておられる高校生も多いかと存じます。
そのご活躍を社会人になっても維持したいという想いも叶えられます。
例えば、東京消防庁では
野球、サッカー、剣道などといった体育部は、その数24部まであり、中では「綱引」といった部会まであります。
文化部会においても、書道や写真にはじまり現在、休会中ではありますが、絵画やアマチュア無線も含め18部にもおよび、幅広い活動環境があるとのことです。
本来は、消防学校を卒業後の配属後に入会するものなのですが、部会によっては、学校中にも、活動に参加できるものもあるとのことです。
中でも、剣道部については、学校中でも部会活動に参加でき、部会自体に歴史があるため、かなり目上の役職のある方も在籍しておられ人脈が広がるといった交流をとることもできます。
警察官・消防官ともに、地域や地域住民の安全を守るという重要な仕事です。そのため、学校中で団体規律が厳しいのは当然ですが、先述のように携帯電話の使用緩和など近年の環境の変化にも応じてくださる動きもあります。東京アカデミーではこうした警察学校や消防学校の様子を伝えに来てくれる卒業生がおり、時々卒業生と現役生が交流をしております。
警察学校や消防学校で必要な知識、体力は、当然警察消防の本試験で問われます。
東京アカデミーではこうした警察学校や消防学校の様子を伝えに来てくれる卒業生の情報を基に、旬となるトピックを集め筆記試験・人物試験ともに予想問題を作成し受講生へご提供しております。
次回特集では、「公務員受験の必需品!参考書オープンセサミ」として、毎年改定しております弊社オリジナル教材のご紹介をいたします。ご期待ください!