いつも何かを考えていて疑問に感じることが多い人は、それだけ発見も多い。
オードリー若林正恭さんのエッセイ本を読んでそう感じました。
普段、見過ごしてしまいそうな日常のわずかな違和感を角度のある視点からの指摘ではっとさせられ、誰よりもネガティブで反省をしてしまう自身の性格の考察に共感しました。
そして自分だけが無能ではないのだと思わせてくれて、前に向かう勇気を受け取る。
今回は、私(とふめん)が自己啓発本よりも刺激を受けた若林さんのエッセイ本「社会人大学人見知り学部 卒業見込」の内容から学んだ、ネガティブとしての生き方を紹介します。
オードリーの若林と春日
豆腐メンタルのとふめんです。(@tohumen090031)
オードリーといえば毎年テレビ番組出演本数ランキング10位以内に2人とも入るほどの人気と存在感がありますが、テレビ出始めの当初はキャラの強い春日さんが圧倒的に目立っていて、「じゃない方芸人」の若林さんという印象がありました。
しかし、オードリーのブレーンは若林。
ピンクベストで7:3分け、常に胸を張る春日のキャラを作ったのも若林さんです。
オードリーが売れた理由は紛れもなく若林の費やした労力が大きいにも関わらず、ネガティブで落ち込みやすく自信がないのは若林さんで、ネタを書いていない春日さんは売れていなかった20代の頃からいつも自信と余裕に満ちていました。
テレビ出始めのイメージだとどうしても目が行きがちなのは春日さんですが、実は派手なピンクベストを着て胸を張っている春日さんの方がドライな考え方を持っていて、若林さんの方がお笑いや漫才に対して熱を持っています。
テレビではあまり見ない若林さんの感情や葛藤が、エッセイ本やラジオからは感じ取ることが出来ます。
「社会人大学人見知り学部卒業見込」を読んで、若林さんこそ人間らしい不器用な感情を持った人間だということが感じられました。
テレビやラジオでは立場的に春日さんを無能扱いしていますが、春日さんを誰よりも認めていて憧れているのは若林さん。
ぼくは春日に憧れている。
引用 社会人大学人見知り学部卒業見込
エッセイにて春日さんについて語る章の、この最後の一言はなんだか胸に迫るものがありました。
社会人大学人見知り学部卒業見込の感想
ぶれない考え方を持つことは大事とは言いますが、
若林さん自身、生活も苦しかった若手時代からMー1準優勝して多忙になって、立ち位置が変化していくと共に見えなかったものが見えるようになることで考え方が変化し、視野が広くなって考え方が変わっていく成長の様子にもリアリティがあり、共感と新しい発見が入り混じって考えさせらます。
若林さんのエッセイ本「社会人大学人見知り学部卒業見込」はネガティブ思考の方や自分との葛藤がある人には刺さりやすい本なのではないかなと思います。
その他、いくつか胸に刺さった内容を紹介します。
※ネタバレ注意
1.お金と自信と幸福度は比例しない
良い暮らしをしていてお金もありそうなのに幸せそうじゃない人と、見るからに貧乏そうなのにとても幸せそうな人っていますよね。
この場合、貧乏人が持っていてお金持ちが持っていないものってなんでしょうか。
物質的な豊かさと幸福感はそこまで比例しないという「見切り」は、「自信」の代用品になるような気がする。
引用 社会人大学人見知り学部 卒業見込
お金がないから彼女を幸せに出来ない、ということはないらしい。
貧乏な恋人同士でも、お金ではない幸福感を得ることはできるし、逆にお金持ちなのに幸せじゃなさそうな人は沢山いる。
ということは、貧乏だろうと彼女を幸せにすることはできる。劣等感を感じる必要はない。
しかし、自信のない人に人を惹き付ける力はなく、自信過剰な人は実力が伴わなくても人を惹き付けることができる場合がある。
「お金と幸福度が関係しない」ということを知っているだけで、貧乏だから自信を失くす。という無意味な劣等感はなくなります。
2.才能がないのは当たり前
二時間考えて何も浮かばず帰宅するなんてことはザラだ。
引用 社会人大学人見知り学部 卒業見込
ぼくの良くないところはアイデアが長時間浮かばないと「なんて俺は才能がないのだ」「みんなはもっと短時間で浮かんでるんだ」なんてネガティブ思考に陥る。
引用 社会人大学人見知り学部 卒業見込
ブログ歴2年ちょっとのにわかブロガーのとふめんは、ブログネタが思い付かなかったりまとまらなかったりで悩むことはよくあります。
若林さんの本を読むと、素人の私が何を生意気な悩み事をしているのかと思わされる。
M-1で準優勝してオードリーブームを起こしたプロの漫才師も、ポンポンとアイデアが思い浮かぶ訳ではないらしい。
ネタ作りに集中するために携帯を置いて自宅より誘惑の少ないカフェに行く。そこまでしても二時間何も思い浮かばないことはザラにあるとのこと。
そしてこれだけ結果を出している若林さんでさえ、「自分は才能がないのだ」と思い詰めるそうです。
手の届かない位置にいる人が同じ苦労をしていると知ると、自分が悩んでいることはアホらしくなって少し前向きになれます。
ちなみにひらめき力については、集中しているときより一旦休憩を挟んだリラックス時の方が脳科学的に閃きやすいので、「集中しているときに閃かなければならない」が間違いらしい。
自信がない人にとっての自己啓発本
『社会人大学人見知り学部卒業見込』は2015年に出版された若林さんの初エッセイ本です。
他に、紀行文『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』、エッセイ『ナナメの夕暮れ』の2冊が出版されています。
個人的には、視野の狭さからの偏見だったり若手時代のとがった部分や悩みが、28才当時の私の観点と重なりまくりな、初エッセイ本の『社会人大学人見知り学部卒業見込』が1番のお気に入りです。全部好きですが。
誰でも似たようなことで自信を失くすのかと共感したり、嫌いな自分の特徴の見方が変わったりします。
以上、オードリー若林さんのエッセイ「社会人大学人見知り学部 卒業見込」に学ぶネガティブとしての生き方について紹介しました。
興味の沸いた方は是非「社会人大学人見知り学部 卒業見込」を読んでみてください。
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ありがとうございました