小児の近視進行抑制を目的とした「レッドライト治療」スタート!
治療について
眼科小児近視外来では、2024年7月より、小児の近視進行抑制を目的とした「レッドライト治療」を自由診療でスタートしました。
近視研究者らの関心を最も集めているのが、レッドライト治療法(red light therapy)と呼ばれる治療方法です。2014年に偶発的に、中国において長波長の650nmの赤色光が、過剰な眼軸延長を抑制する効果を有することが発見されていました。
これ以降、中国国内では、このレッドライトに対するヒトでの近視進行予防効果の報告が集積されており、ついに2021年、アメリカ眼科学会雑誌に、レッドライト治療法の近視進行予防効果が発表され大きな話題となっています。
当院でも2022年から8~18歳の強度近視の患者さん30名を募集し、レッドライトによる近視進行抑制効果についての特定臨床研究を進め、およそ半数の子どもで、半年後に近視がわずかに改善する効果がみられたとする中間報告を発表しております。また別の研究では、治療を75%以上守ってきちんと実施したコンプライアンスが良好な群のみを抽出した場合、その近視進行予防効果は実に90%近いものであったという報告もあります。
この治療で用いられる低出力の赤色光は、いわゆる可視光であり、現時点では副作用はないと報告されています。 実施方法は非常に簡便で病院が有料にて貸与するレッドライトを発する機器を自宅で使用して、1日2回、1回3分、週に5日、機器内で発光する650nmの赤色光を覗き込むという治療を続けていただきます。
使用方法
1日2回、1回3分(週5日)
※機器を貸与した上で、ご自宅で使用していただきます
費用
治療に係る初期の金額、及び治療全体に係る大まかな費用は、初回約13万円で、以降は受診・検査代が2~3ヶ月毎の来院で1回約18000円と、レッドライトを発する機器のレンタル料金が毎月約8000円です。
受診の流れ
初診時の受診の流れ
初診時は、各種検査の上で適切な治療法を提示します。レッドライトが治療法で望ましいと判断した場合には、機器の説明、デモ使用の上で機器をお渡しします。
2回目以降の受診の流れと通院期間
2回目以降は治療開始後1・3・6・9ヶ月後に来院していただきます。2年目以降は原則半年に一度の来院となります。
治療ができる条件
- 3歳〜16歳まで
- 近視の患者さん、及び近視発症リスクが高い(年齢相当よりも少ない遠視 度数)と考えられる患者さん
- 医師が治療が可能と判断した患者さん
治療ができない例
- 斜視
- 両眼を使って見ることに抵抗や異常がある
- どちらかの眼に異常がある、または全身疾患のために治療が不適合であると医師が判断した場合
- 遺伝性網脈絡膜疾患の家族歴がある瞳孔散大(散瞳)のある児童
- 低濃度アトロピン点眼との併用不可(低濃度アトロピンを行っている患者は14日間の休薬が必要です)
- その他、医師が不適合と判断した場合
予約・お問い合わせ先(眼科外来)
レッドライト治療をご希望の方は、紹介状をお持ちの上、病院1階初診受付にお越しください。紹介状がなくても診察可能ですがその場合には選定療養費がかかります。なおレッドライト治療は自費の治療になります。
TEL:03-5803-5681 (対応可能時間帯 平日 9:00 ~ 17:00)
先端近視センターHP https://myopia-center.com/