ターンテーブルにレコードを載せる - 叡智の三猿

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ターンテーブルにレコードを載せる

消滅すると思われていたアナログレコードですが、数年前から人気が復活しているようです。

下記は日本レコード協会の公開資料を元に最近、10年のCD(アルバム)とLPの生産推移をグラフ化してみたものです。CDとLPではそもそもの生産数量にかい離があるので、生産の変化を見やすくするために、CDとLPで軸を分けています。

CDとLPの生産推移

この推移から、CDの生産枚数はひたすら、ここ10年下降をつづけているのに対して、LPの生産枚数が伸びていることが分かります。

CDの生産がLPの生産をうわまったのは、1987年です。以降、CDとLPの生産数量はかい離を大きくしていきます。

スピッツが名曲「ロビンソン」をリリースしたのは1995年です。もう30年くらい昔の曲になったのですが、この曲がリリースされた時点で、レコードはすでに消えゆく存在として意識されてました。

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新しい季節は なぜかせつない日々で
河原の道を自転車で 走る君を追いかけた
思い出のレコードと 大げさなエピソードを
疲れた肩にぶらさげて しかめつら まぶしそうに
~「ロビンソン」より

いまのレコードブームは、その時代を生きたわたし達、昭和世代だけが過去を懐かしみ、リバイバルしているのではありません。

レコードブームは、Z世代にも浸透しているといいます。

レコードジャケットは、昭和レトロなインテリア雑貨として部屋に飾ります。

ターンテーブルにレコードを乗せ、そっとレコード針を溝に入れ、少しのざざっとした雑音のあと、曲がスピーカーから出てくる時間を楽しむことが、こだわりのあるライフスタイルとして共感されているようです。

いまのレコードを聴く行為と、あの頃では行為そのものは同じですが、目的は違います。

昭和時代、音楽を聴くいちばんの手段はレコードだったわけですから、こだわりの有無は基本関係ありません。レコード針を溝に落とす瞬間は、失敗しないか、ヒヤヒヤした感覚しかありません。

曲を聴く手段は、レコードからCDに代わり、CDから楽曲ダウンロードに代わり、楽曲ダウンロードからサブスクに代わります。

この変化、「曲」を「情報」に置き換えれば、こうなります。

  • 情報は、アナログからデジタルに変わった。
  • デジタル化された情報は、ローカル保存からクラウド保存に変わった。

「情報の取扱い」に対する昭和と令和の違いを簡単に書くと、昭和が「紙媒体の情報をローカルで管理」していたのに対して、いまは「デジタル情報をクラウドで管理」するのが主流です。

わたしは、Windows 11のPCと10のPCと併用して使ってます。両機種を比較すると、Windows11は、クラウドストレージであるOneDriveとの統合が Windows10 に比べかなり強固です。特に「クイックアクセス」機能を使うと、意識せずにOneDriveへアクセスするのが当たり前になってます。

ここからも、情報管理のクラウド化は、好む、好まないに関係なく、不可逆的な変化に思えます。

クラウドに情報が保管されることで、機器を変更する際の移行が簡単になったり、わたしのように複数のパソコンを使い分けて仕事をする人は、効率的で便利だったりするのは良いことです。

ただ、すべてがいいわけではありません。

取り扱う情報のなかでも、特に機密性が高い情報は、クラウドで保管するのに適してないものもあります。それが意識することなく、OneDriveに格納されると、情報セキュリティ上の問題が起きるかもしれません。もし、OneDriveへのアクセス設定が適切でなければ、他の人に「見られてはいけない情報」を見られてしまう可能性があるからです。

また、わたしの経験ですが、ローカルとクラウドの境界が曖昧になることで、編集しているファイルがデグレしたことがあります。これは、OneDriveにバックアップされたデータが、意図しない形で復元されたことで、ローカルで新しく編集しているファイルが、古いバージョンのファイルに置き換わった為だと思います。

情報の取扱いは、どんどん効率化され、どんどん便利になっているのを実感します。それは主に目にみえるパフォーマンスやUIの部分です。その裏側では同期処理がバックグラウンドで行われてます。

そんな見えない世界にちょっとオカルトを感じる、今日この頃です。