テキストマイニングで、2023年のブログをふりかえりました - 叡智の三猿

叡智の三猿

〜森羅万象を情報セキュリティで捉える

当サイトは、アフィリエイト広告を使用しています。

テキストマイニングで、2023年のブログをふりかえりました

2023年もあっという間に終わります。

1年は早いと毎年、思うのですが、その早さは歳を重ねる毎に加速しているような気がします。

今年1年、わたしが投稿したブログを「ユーザーローカル テキストマイニング(https://textmining.userlocal.jp/)」というツールを使って「スコア」による分析をしたら、以下の結果となりました。

情報セキュリティは、このブログの骨格ですので、目立つのは当然です。情報セキュリティに関係が深い、パスワードや個人情報もやはり目立ちますね。

概ね、想定通りの結果ですが、異質な感じを受けるのが「韓国ドラマ」というキーワードです。

現在、わたしは、ネットフリックス、Amazonプライム、ユーネクスト、ディズニー+と、主要な動画配信サービスと契約し、韓国ドラマと共に生活をしてます。ブログで韓国ドラマについて言及する機会も多かった年だと思います。

韓国ドラマでは、しばしば「情報セキュリティ」を題材として描かれます。

たとえば「恋愛ワードを入力してください(2019年)」では、検索サイト業界大手の「ユニコーン」が舞台です。あるとき、ユニコーンのトレンドワードから、大統領候補の不倫に関する検索ワードが削除されます。そこから、ユニコーンによるトレンドワードの改ざん疑惑が浮上するところから、物語は展開されます。

日本のドラマでも「情報セキュリティ」が題材になることもあるのですが、韓国ドラマの方が、より時代のトレンドを抑えていて、技術的な言葉をセリフに織り込むことで、リアリティを感じます。

今年観た韓国ドラマでは、「セレブリティ」が、情報セキュリティとの関連でいちばん印象に残ってます。

「セレブリティ」に於ける情報セキュリティのキーワードは、ディープフェイクによるインフルエンサーです。

ディープフェイクは、機械学習アルゴリズムとなる深層学習(ディープラーニング)を使用して、画像や動画の一部を結合させ、オリジナルとは異なる動画を作成する技術の総称です。ディープフェイクは、実際の映像や画像の一部を加工し、偽の情報を組み込み、あたかも本物のように見せかけて相手をだます方法として使われます。

「セレブリティ」では、ディープフェイクを使ったインフルエンサーが、動画に登場することで、視聴者を混乱の渦に巻き込みます。

インフルエンサーは、BtoC 系企業のマーケティング戦略で重要な役割を果たしてます。ただ、企業がインフルエンサーとなりうる金のたまごを見出し、インフルエンサーに育て上げるには、多くのコストがかかります。

「セレブリティ」は、インフルエンサーとディープフェイクを重ねてます。この組み合わせを使うことで、インフルエンサーマーケティング と、見分けがつきにくい ステルスマーケティング が一気に拡大する脅威を感じました。

ディープフェイクを支えるプログラムは Python です。エンジニアが開発環境を構築し、Pythonを自由に操るには、それなりの労力が必要です。また、他人が事実誤認するような画像を作るのはセンスも必要です。そうした技術的な壁が、ディープフェイクの脅威を抑えることに寄与してました。

しかし、今年は AI画像生成 の利用が一気に拡大しました。

いまやアプリに自分が作りたいと思う画像の言葉を入力すれば、 AI画像生成アプリが、現実には存在しない人物や風景をうまい具合に生成してくれます(下図は、MyEdit でカープ女子の画像を生成したものです)。

ディープフェイクの脅威は、人間の心理的な脆弱性を利用しているので、ソーシャルエンジニアリングに含まれます。

会社業務では、Microsoft Teams や Zoom を使った Web 会議 を当たり前に使ってます。また、私たちは、日常的に YouTube や Instagram の動画や画像を見て楽しんでます。これらのツールは、ディープフェイクとの相性がよいのです。これからディープフェイクは、間違いなく、私たちの身近な情報セキュリティの脅威にランキングされていくでしょう。

ただ、見方を変えると、私たちは幼少期から、偽の情報を本物のように見せかけた動画を観てきてます。

わたしの世代で書くと、たとえば ウルトラセブンは、モロボシ・ダンが「デュワ!」という掛け声とともに、隊員服の胸ポケットから右手の指で摘んで取り出したウルトラアイを目に当てると、頭部から順々にウルトラセブンに変身します。

もちろん、この動画を観ている幼少のわたしでも、本当にモロボシ・ダンが、ウルトラセブンに変身するとは思ってません。

しかし、特撮作品と呼ばれる、本物らしき映像にわたしは、うまく騙されてあげて、親にねだってウルトラグッズを買ってもらい、変身ごっこを楽しんでました。

昭和の特撮作品は、深層学習をしているわけではありませんが、結果的にディープフェイクを実現した技術です。ディープフェイクの原型ともいえるでしょう。

とかく情報セキュリティでは「騙されては駄目だ、騙されてはいけない!」と、単純化された原理原則で語られるのが一般的です。現実の私たちはそんな単純な思考回路で生きてません。

「どう騙されるか!?」ということもまた、人生を豊かにする要素だと思うのです。