ハチがぶんぶん飛んでいる
前回のブログではSNSを活用したバズマーケティングについて書きました。
www.three-wise-monkeys.com
「Buzz」はハチがぶんぶん飛んでいる様子を指しています。
- Bees are buzzing.(ハチがぶんぶん飛んでいる)
ハチがぶんぶん飛ぶありさまをマーケティングにたとえて「人ががやがやとうわさを広めていく」のが、バズマーケティングです。
バズマーケティングは拡散するイメージを持ったと思います。
1:5の法則
バズマーケティングと対照的なマーケティングが1990年代から活用されているデータベースマーケティングです。
データベースマーケティングは企業の既存顧客から優良顧客を抽出していきます。バズマーケティングのような拡散ではなく、凝縮するイメージです。データベースマーケティングの理論的根拠は「1:5の法則」と呼ばれる販売法則です。
- 新規顧客販売コストは既存顧客販売コストの5倍かかる。
1:5の法則を理論的根拠として生まれたのがデータベースマーケティングです。販売コストを削減して効率的な経営を追求するには、新規顧客より既存顧客に重点を置く方がよいという考え方です。
RFM分析
データベースマーケティングを実践する手段としてRFM分析は是非とも知っておきたい手法です。
RFMとは、次の英語の頭文字をとった言葉です。
- Recency:最終購買日
- Frequency:累計購入回数
- Monetary:累計購入金額
RFMはお客様がはじめて商品やサービスを購入した時点から、購買情報として記録していきます。RFMを構成するデータは、売上データから取得できるので、顧客情報と売上との関連付けが出来れば、データ取得の難易度は高くありません。特に会員制のネットショップであれば、顧客情報と売上がはじめから関連付けされているので便利ですね。
RFM分析は顧客のR、F、Mのデータをそれぞれを上位から下位まで5段階で評価します。たとえばRが5であれば、購買日が近いことを示します。
そうすると、555から111まで全部で125の組み合わせ(RFMセルといいます)が出来ます。RFMの値の大きい方が優良顧客です。
既存顧客をRFMに分類すると、どのRFMセルが会社に利益をもたらす顧客なのかが見えてきます。
たとえば、ある商品の販促をするためのダイレクトメールをRFMで割り当てられたすべての既存既存顧客に送付します。一通のメール送付にかかるコストを100円とします。その商品を販売することによる1個あたりの利益が1000円だとします。そこから損益分岐点となるレスポンス率が求めます。
- 損益分岐点レスポンス率=(メール数×メール一通あたりのコスト)/(メール数×商品1個の販売利益)×100
- 一通のメール送付にかかるコスト=100円、商品販売1個あたりの利益=1000円と仮定すると・・・
10%=(n×100/n×1000)×100(※nはメール数)
RFM分析を活用することで、優良顧客とそうでない顧客の識別ができます。それにより、RFMセルごとに販売促進のシナリオ作りが出来ます。
RFMの結果で面白いのは、RとFとMの優先順位が見えてくることです。たとえば、家具屋さんであれば、最終購買が近い(R値が高い)顧客は、継続して家具を購入する可能性が高そうです。一方、日用品を販売するスーパーストアは、何度も足を運んでくれるM値の高い顧客が購買力がありそうです。金融会社であれば、M値が一番重要だと思います。RFMを活用することで、自分の会社の顧客をより深く見ることができそうです。