私は以前、投資ファンドでアナリストとして企業の再生を担当していました。投資先の経営改善を支援するのが主な仕事でしたが、実際に経営を引き受けることはありませんでした。
そんな中、経営不振に陥っていた東京テレメッセージ（当時はYOZAN）に出会いました。この会社が行っていた「防災無線」事業に強い関心を持ち調査を進めるうちに、この事業が日本の防災にとって重要であると確信しました。1990年代に大流行したポケットベルの周波数280MHzがもつ特性こそ、日本の複雑な海岸線や山脈や森林を超えて地域住民に防災の声を届け、国民を救うのだと。
そこで、防災無線事業をYOZANから切り離してファンドからの緊急融資を提案し、総務省の協力を得て新会社を設立しました。しかし、経営に改善なく、気づいたら債務超過や給与遅配、さらに提訴の追い打ちに直面していました。
そんな折、東日本大震災が発生しました。命を守る防災無線は自分でやるしかないと覚悟して、震災の翌年社長を引き受け、経営と訴訟に立ち向かいました。 会社は再生し、280MHz防災無線の特性を理解し導入を進める自治体は、年々増加しています。

私の目標は、全国の自治体にポケベル電波を使った防災無線を広めることです。これが私の成すべきことだと確信しています。
また、東京テレメッセージは上場しないと決めています。これは、日本の防災に貢献するための重要な決断です。 私たちの最終目標は、国と自治体が共同して住民を守る国家防災体制の確立です。
280MHz同報無線システムの普及を通じて、この目標を達成するために努力を続けてまいります。

私は学生時代を愛知県岡崎市で過ごし、社会人になることへの漠然とした不安を抱えながら、NHK設備の設置・メンテナンスを主な事業とするNHK関連会社に入社しました。
初任地は浜松で、厳しい所長がいるという噂がありましたが、その所長とある先輩との出会いが私の社会人としての思考や仕事への取り組み姿勢に大きな影響を与えました。所長からは仕事の基準や報告書作成の目的、考え方などを学び、先輩からは技術や現場対応など具体的な業務の進め方について厳しい指導を受けました。
この経験が私の社会人としての基盤を築き、振り返れば厳しくとも寛大で暖かい指導であったと感謝しています。

次に、東京テレメッセージが提供する280MHz防災無線システムと出会いました。
東日本大震災の経験を通じて自然災害の脅威を目の当たりにし、災害時の情報伝達の重要性を痛感しました。その後、清野社長との出会いをきっかけに280MHz防災無線システムの理解を深め、このシステムの普及に携わることが社会貢献に繋がると確信しました。
私の社会人としての思考を形成した出会いと280MHz防災無線システムとの出会い。この二つの出会いがなければ今の私はなかったと感じています。
これからも、これらの経験を糧に、未来に向けて新たな挑戦を続け、社会に貢献できるよう努めてまいります。未来は未知ですが、過去の出会いと経験が私を支え、導いてくれると信じています。