五代龍村平藏 襲名披露ごあいさつ - 龍村美術織物(京都) 公式サイト | 織物、和装小物、茶道具
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2024.09.18五代龍村平藏 襲名披露ごあいさつ

皆様におかれましてはますますご清栄の事とお慶び申し上げます。
さてこの度、私龍村育儀 五代龍村平藏を襲名させていただく事となりました。
私の曽祖父である初代龍村平藏が1894年(明治27年)に織物業を創業して以来130年、その間に4名の龍村平藏が生まれ時々の染織業界を牽引、発展させてきました。今その栄誉ある名跡を襲名し、一表現者として邁進していける立場となった事に無上の喜びを感じております。
五代龍村平藏襲名にあたって、まず初代の揮毫にある「最高之品質」の精神を継承いたします。ここで言う「品質」とは物の寸法・重量などが尺度基準を満たすという物質的な意味だけではなく、「品(上品さ、品性)」と「質(内面的な充足)」という人間の真の憧れを意味します。そして私はそれらが最高に満たされる美術織物を制作してゆく所存です。
またその「最高之品質」を成し遂げるべく私の新たな指針として「和の躍動 和の解放」を掲げます。これは長らく和装の世界で固定化・パターン化されてきた図案(構図、配色)、設計(表現)方法、織り技法に対して、いま世界でも大きな動きとなっている「蓄積された美意識・美的感覚・技法の再解釈」を行う(和の躍動)ことで、龍村美術織物の代名詞である「独創」と「復元」をさらに進化させ、現代に通用する美術織物を「アート」の域にまで高め、国内外に発信していく潮流(和の解放)を創ろうというものです。今後全世界レベルでの「最高之品質」を成し遂げるべく一表現者として精進してまいります。
ご指導、ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

2024年秋