木村 康裕[所属期間 令和5年4月-令和6年8月]

KIMURA Yasuhiro

2023年度採用

名古屋大学
大学院工学研究科
助教

専門分野

機械材料・材料力学
ナノ力学物性・評価 
結晶成長 
拡散

キーワード

ナノワイヤ
マイグレーション
In-situ透過型電子顕微鏡観察

所属学協会

日本機械学会
日本材料学会
エレクトロニクス実装学会

主な研究内容

 ナノスケールの金属1次元材料である金属ナノワイヤが、身近で多用される材料として使われることを大きな目標に掲げ研究を推進しています。金属ナノワイヤは、自らの極小なスケールが有するその特異な物性により、既存デバイスにおける性能向上をもたらすことで材料機能を革新させることが期待された次世代材料です。例えば力学特性においては、粒径、結晶方位、転位密度などに支配される適切な結晶組織がワイヤ自身の弾性を著しく向上させ、バルク材より一桁高い2–3%の高い弾性ひずみを示すことが報告されています。しかし、ナノワイヤの特性研究とその応用は実験室レベルに留まっているのが現状です。実用化が滞っているナノワイヤの普及には、ワイヤの長さ・直径・形状からなる幾何学形質制御、および特性を左右する結晶組織制御を自在に行うことが求められていますが、旧来これを両立できるワイヤ創製法が存在しませんでした。そこで、エレクトロマイグレーション、ストレスマイグレーション、サーモマイグレーションと呼ばれる金属原子の拡散現象を活用した新たなワイヤ創製法を提案し、研究を進めています。最近ではナノワイヤ物性・構造の透過型電子顕微鏡によるその場測定・観察、有限要素法によるシミュレーションによるマイグレーション挙動の予測、結晶成長の原理に基づくナノワイヤ成長挙動の解析など、基礎技術の研究開発を通じて「小さなモノづくり」を実現したいという思いで取り組んでいます。

論文

Yasuhiro Kimura, “Irregular bending growth of free-standing Al microwire by electromigration,” Acta Materialia 157 (2018) 276-287.

Yasuhiro Kimura, “Loss in discharging atoms through artificial hole for fabricating metallic micro/nanowire by electromigration,” 6 (2019) 18-00269(1)-(9)

研究紹介

researchmap    https://researchmap.jp/7000020991
研究室ホームページ https://www.mech.nagoya-u.ac.jp/ju/

本事業を通じて解決を目指す世界的課題

メタマテリアル造形に資する金属ナノ3Dプリンタの創出

 メタマテリアルは向こう10年以内に1兆円超えの市場規模になると予想される次世代の新素材です。「メタ=超越した」という意味の通り、従来の常識を超越する特性を発現することから注目が集まっています。しかし現時点でのメタマテリアルの製品応用例は稀で、我々の身近にありふれて存在していません。普及を妨げるイシューは造形の難しさにあり、「複雑な金属造形」を「ナノスケール」で「周期的」に実現しなければメタマテリアルとしての機能を発現させることはできません。本研究では、従来メタマテリアル造形法であるSiベースプロセスから脱却した、新たな造形技術として金属ナノ3Dプリンタを提案し、その産業応用を目指します。

インタビュー

  • インタビューはありません

関連ニュース