ロレックス初のパイロットウォッチとして誕生した「GMT マスター」は、プロフェッショナルモデルの中でも特徴的なデザインで人気を集めている。ワールドワイドに活躍するビジネスパーソンにも重宝されるGMT マスターの特徴や人気モデルを紹介しよう。
ロレックスGMT マスターとは
ロレックスコピーの高機能モデルであるGMT マスターとはどのような時計なのだろうか。誕生の歴史や特徴を解説する。
「陸」「海」に続き「空」へ展開
1950年代のロレックスは、「陸」のエクスプローラーと「海」のサブマリーナーが、実用性に優れた時計として高い支持を得ていた。しかし、これらに続く次回作へのアイデアを渇望していた時期でもある。
ちょうどこの頃は、大戦後の航空技術が目覚ましく発達していた時期。航空便のパイロットたちはふたつの異なるタイムゾーンが確認できる時計を求めていた。
1953年、ロレックスは、2カ所の時刻を同時に確認できる腕時計の開発をパン・アメリカン航空から打診される。その依頼に応え、1954年に発表され、翌55年に発売されたモデルがGMT マスターだ。
1982年には、3カ所の時刻を同時に確認できる「GMT マスターⅡ」が発表された。GMT マスターが生産終了となった1999年以降は、GMT マスターⅡがデザインを含めた全てを継承している。
1955年に発売された最初の「GMT マスター」。24時間でダイアルを1周するGMT針と24時間計回転ベゼルが特徴だった。
1982年には「GMT マスターⅡ」を発表。リュウズを1段引き出した状態で、時針を単独で1時間刻みで送ったり戻したりできるようになった。
簡単操作で3地点の時刻が把握可能
現在のロレックスGMT マスター Ⅱでは、最大で3地点の時刻を同時に確認することが可能だ。24時間で1周するGMT針を採用し、時針とベゼルとの組み合わせにより、3地点の時刻が把握できる。
1カ所の時刻を知る場合は、通常の時針と分針で確認する。この時、ベゼル上の同じ時刻を指しているGMT針をそのままにして、時刻を知りたい地域との時差分、リュウズを1段引きの状態で時針を動かすことにより、2カ所の時刻が分かるようになるのだ。
さらに、2カ所の時刻を表示した状態で、時刻を知りたいもうひとつの地域との時差分ベゼルを回転させれば、時分針は1カ所目、12時位置を24時(零時)としてGMT針が指す時刻(オールドタイム)が2カ所目、GMT針が指すベゼルの数字が3カ所目の時刻を示すことになり、3地点の時刻が同時に把握できるというわけだ。
主なラインナップ
GMT マスターの現行モデルから、代表的なラインナップを紹介しよう。それぞれの特徴を理解すれば、自分に最適なモデルが分かるはずだ。
GMT マスターⅡ 126710BLNR
自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。オイスタースチール(直径40mm)。100m防水。
前型の116710BLNRで採用されていた3連のオイスターブレスレットを、高級感あふれる5連のジュビリーブレスレットに替えて2019年に登場したモデルだ。
他のプロフェッショナルウォッチと同様、特に暗闇のなかで高い視認性を誇る「クロマライト ディスプレイ」を備える。時分針や秒針とGMT針の先端、アワーマーカーに塗布された、この発光素材は、長時間継続して光を放ってくれる。
ムーブメントも、前型のCal.3186から新型のCal.3285に代替わりしている。ロレックスの完全自社製であり、エネルギー効率が約15%も向上している。
ケース素材に採用されているオイスタースチールは、ハイテク産業や航空宇宙産業でも使われる、耐蝕性に優れた素材。耐久性や研磨性にも優れ、過酷な環境下でも美しさを失わない。
GMT マスターⅡ 126719BLRO
自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18Kホワイトゴールド(直径40mm)。100m防水。
「GMT マスターⅡ」シリーズの中で唯一、メテオライトをダイアルの素材に採用したモデルだ。メテオライトとは隕石のことで、このモデルのダイアルも本物の隕石を削って製作されている。
極めて珍しい金属の模様を作り出す隕石は希少価値が高く、価格も通常のダイアルに比べて高価だ。ロレックスの全モデルにおいて、最もプレステージの高いモデルに位置付けられている。
両方向に回転する24時間目盛りが入ったベゼルは、目を引くレッドとブルーで色分けされ、独創的な設定方法により、ボームタイムに加え、滞在地におけるローカルタイムもふたつまで容易に確認できる。
ケースとブレスレットに採用されている素材は、自社専用の鋳造場で作られた18Kホワイトゴールドだ。自社研究所にて綿密に検査された極めて純度の高い金属が、合金の原材料となっている。
GMT マスターⅡ 126711CHNR
自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。オイスタースチール×18Kエバーローズゴールド(直径40mm)。100m防水。
オイスタースチールとエバーローズゴールドを組み合わせたエバーローズロレゾールが、GTMマスターⅡに採用されたモデル。
ゴールドの輝きや品格とオイスタースチールの堅牢性、信頼性が融合したロレゾールは、ロレックスの象徴的モデルであり、美しく上品な仕上がりとなっている。
フォルムと機能が融合した3連のオイスターブレスレットも特徴的だ。堅牢な構造と快適な着用感を特徴とし、イージーリンクによりブレスレットの長さを約5mm調節できる。
ブラックダイアルや新型キャリバーCal.3285を搭載している点は、GMT マスター Ⅱ 126710BLNRと同様だ。
選び方のポイント
お気に入りの1本を選ぶポイントを解説する。デザインと価格の両面から検討してみよう。
シーンやタイプで選ぶ
パイロット向けのプロフェッショナルウォッチであるGMT マスター Ⅱは、黒を基調とするモデルならビジネスシーンで装着しても違和感はないだろう。さまざまなタイプのスーツとマッチする。
一方で従来のロレックスとは違ったテイストを味わいたいなら、126719BLROのようなレッド×ブルーベゼルにメテオライトダイアルを組み合わせたモデルもおすすめだ。
スタイリッシュなデザインを求める場合は、青と黒の配色とジュビリーブレスレットがクールさを引き立てる126710BLNRを選択しよう。シリーズにおいても、最も個性的な1本と言える。
GMT マスターをその手に
GMT Ⅱマスターは、GMT針を搭載した、3地点の時刻が把握可能なパイロットウォッチだ。2019年に続々と新型が発表されたが、116710系である旧型の人気も根強い。
新型モデルは、ベゼルカラーやブレスレットに個性が加わり、ロレックスらしさを味わいつつ異なるテイストも楽しめるデザインだ。利用するシーンや好みに合わせて、お気に入りの1本を探してみよう。
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