【働き方】from STAFF焚火が「チームの絆」を強くする。

Prologue

自然を感じながら人と人がつながるキャンプの効果を、ビジネスに。スノーピークビジネスソリューションズが提案する「キャンピングオフィス」は加速する技術革新を背景に、人間らしい働き方や生産性の向上を模索する企業から注目を集めています。

この新しいコンセプトを生み出した代表の村瀬は、もともとIT企業の経営者。その発想の原点、そしてスノーピークとタッグを組むに至った経緯、アウトドアギアを取り入れた室内空間の演出、研修で得られる効果などをご紹介します。<全5話>

【INDEX】
 1. 屋内でもテントで仕事。
 2. 働く場所が「発想」を変える。
 3. 焚火が「チームの絆」を強くする。
 4. 人間らしい働き方が企業を救う。(前編)
 5. 人間らしい働き方が企業を救う。(後編)

社員同士、本音で向き合える関係づくりを。

同じ会社の仲間、特に同じ部署やプロジェクトに属する人たちとの意思疎通はとても大事です。人数が多い組織ほどコミュニケーションは希薄になりがちで、プロジェクト推進にマイナスの影響を及ぼすケースもあります。生産性の低下にもつながりかねないこの状況は、多くの企業が抱えている課題の一つです。

また、社長と一般社員が直接語り合う機会が少なければ、社員にとっては社長が遠い存在に感じられ、社長が掲げるビジョンも届きにくくなってしまいます。肩書きを超えて一人の人間同士として向き合い、語り合い、意識を統一する。こうした関係性の構築はチームづくりにとても重要になってきます。

スノーピークの社員総会では、国籍や肩書きも超えて焚火を囲みます。

焚火を囲んで語らうと、なぜか仲良くなれる。

人と人の距離を縮める手段としておすすめしたいのが「焚火」です。焚火といえばキャンプの醍醐味。ビジネスとは一見無関係に思えますが、実はチームビルディングに意外な効力を発揮することがわかっています。

我々自身の事例でいうと、年2回行われるスノーピークの社員総会で、グループ全体から約300人ものメンバーがキャンプフィールドに集結します。

日中は、スタッフそれぞれが会社の未来や自分のあるべき姿を考え、思い思いに語り合い、夜は焚火を囲んで語り合うのが恒例です。初対面のスタッフも多く、最初は緊張感がありますが、焚火を囲むと自然とプライベートな話も出てくるし、共通項も見つかり、どんどん打ち解けていきます。

また、我々が運営しているキャンピングオフィスでのとある企業研修ではこんな出来事がありました。焚火台を3つ準備し、社員の皆さんに好きなように分かれて囲んでもらおうとしたところ、そのうちのお二人が焚火を一つの場所にまとめ、チェアを置き直して、一つの大きな円を作りました。周りにいた社員さんが少しざわざわしていたので、あとになってこっそり聞いてみると、そのお二人は普段あまり仲が良くないというのです。
 
いつもは気まずい間柄の人も、焚火を囲んでいるときは壁がなくなって、無意識に本音を語り、またお互いの声を穏やかに聞き入れる。焚火の効果はスゴイと、改めて感じた興味深い現象でした。

炎を見つめていると普段話さないようなことまで話してみたくなる。

炎の揺らぎが心を癒し、チームの絆を深める。

火は自然界に存在していますが、動物の中で火を使えるのは我々人間だけ。太古の昔から人は火を見つめて語り、揺らぐ炎に心を癒されてきました。

ひと仕事終えた夕食後、焚火を囲んでゆっくりと過ごす時間。そこには上司でも部下でもない、鎧を脱いだ人間同士に戻って対話できる不思議な空気が流れます。

「この人ってこういう人なんだ」「自分と同じような想いを持ってたんだ」と、相手の内面を知ることができれば、おのずと自分の内面も見えてくるかもしれません。

チームの絆を強くしてくれる焚火を、ぜひ社内コミュニケーションの活性化に役立てていただきたいと思います。