【コラム】 from STAFFいまも野花に心惹かれて。
Apparel開発課Yukari Shimizu/清水 友香里
Prologue
自然と都市、どちらにも緑はあり、風は吹き、空は広がっています。庭やベランダ、公園や並木道でも、急ぎがちな都市生活を、自然のリズムを感じて生きる。それが、スノーピークの考える「アーバンアウトドア」です。
今回、話を聞いたのはアパレル企画に携わる清水です。植物をこよなく愛する清水は、目的もなく出かけて風景を眺め、道端の野花を観察することが大好き。趣味の刺繍でも草花をはじめ、動物や鳥など自然をモチーフにすることが多いとか。自然から感じる力でクリエイティブな発想を養い、仕事にも活かしているようです。
◇幼い頃から、身近な野草が好き。
スタッフ 清水:
「私が生まれ育ったのは福井県の田舎で、家には広い庭があって家族でBBQしたり、家の隣の原っぱで木に登ったり、木に付けたブランコで遊んだり…。人にそう話すと、『まるで“となりのトトロ”みたいな生活だね』と言われます。
キャンプなどのアウトドアはその頃から大好きですが、レジャーとしてのアウトドアというよりは、実は道端に咲いている野花を見ているだけで十分楽しい」
「子どもの頃の遊び場だった原っぱや川べり、近くの山には草花がそこらじゅうに茂っていて、ハコベの葉っぱで相撲したり、花の蜜を吸ったり、かんざしや花冠を作ったり、おままごとで料理の具材に使ったり。植物は私にとっておもちゃみたいなものでした。
迷信かもしれませんが、葉っぱに唾つけて傷口に塗ると治るとか、学校の自由研究でも植物採集もしました。野草の名前に関しては、人よりちょっと詳しいかもしれないですね」
愛読書は植物図鑑。
「今住んでいる神奈川や、勤務先の東京にも結構野草は生えていて、道端の名もなき野花を観察するのが好きです。通勤途中に1つ前の駅で降りて歩き、気になった植物を見かけたらあとで図鑑で調べるくらい、突き詰めたくなります。植物図鑑は読み物としてもおもしろくて、日頃から私の愛読書なんです」
◇河川敷で読書を楽しむ。
趣味の刺繍をあしらった手作りのブックカバー。
スタッフ 清水:
「休日は、家から歩いて10分弱のところにある河川敷まで散歩するのが、お気に入りの過ごし方。河川敷は視界がぱっとひらけていて、緑も多く清々しくて、景色がとってもきれい。
タープを張ってBBQをしている家族連れも多く、その楽しそうな様子を見ながら川べりを歩いたり、植物を見たりするのがとても好きです」
「私は本と、家で淹れてきたコーヒーのボトル、スノーピークのチェアを持っていって、落ち着ける場所を見つけてひと休み。気持ちいい風を感じながら大好きな本に没頭できる、私だけの書斎ができあがります。
お菓子屋さんやパン屋さんで買ってきたおいしいもので、おやつタイムを楽しむことも。帰りには、河川敷に生えている野花を少しだけ摘んで、部屋に飾っています」
◇いつでも、そばにある自然。
X-Pac Nylon Kinchaku Oneがお気に入り。
「地元に比べたら少ないけれど、この場所にも植物はたくさんあります。コンクリートを突き破って生えている草とか、壁に張り巡らされている蔦なども風景としてすごく好きだし、春は桜やモクレン、ミモザが街角にパッと咲いていたり、チューリップやハルジオンもよく見かけます。
秋は金木犀のいい香り、風に揺れるススキの穂…。野生の植物でも人が植えた植物でも、田舎でも都会でも、四季は十分に感じられるということです」
「空を眺めることも、誰でも感じられる自然の一つです。夜は東京でも一等星だったら光って見えるので、街灯が少ないところなら、冬はオリオン座がきれいに見えます。そう考えると、自然を感じられない都会ってないかもしれません。
自然に触れることが大切だと感じるのは、きっと幼い頃の原体験や感動みたいなものがずっと心に残っているから。大人になった今も、その記憶を追いかけているような気がします」
Epilogue
いかがでしたでしょうか。都会で暮らしている方や、周りには自然がないと思っている方も、ぜひ身近な自然を探してみてくださいね。きっと今まで以上に豊かな日常に出会えるはずですよ。