【生産者】 from PARTNER生産者を訪ねて vol. 1

Prologue

その土地で採れた自然の恵みを、広い空の下で調理して五感で味わうこと。まさにキャンプの醍醐味です。そんな体験を身近に感じてもらいたくて、スノーピークでは、都市型レストラン「Snow Peak Eat」と、地方型レストラン「Restaurant 雪峰」を運営しています。

私たちが大切にしていることは、生産者の想いとともに皆さまに料理をご提供すること。そのために、生産者の元へ訪ねて、時には収穫のお手伝いをしながら、食材の特徴やより美味しくいただける調理方法などを聞き、皆さまに提供させていただいています。

今回、体験型複合施設スノーピークランドステーション白馬(以下LS白馬)内の「Restaurant雪峰」でシェフをしている関が訪ねたのは、白馬村で農園されている佐藤栄太郎さん。LS白馬の食物販コーナーや週末マルシェなどで、とうもろこしや落花生といった野菜を販売しています。農家の道を選んだ理由や生産者としての想い、これからの目標について伺いました。

薄暗いうちに収穫することで、糖度の高いとうもろこしに。

農薬開発をきっかけに農業の道へ。研究よりも栽培を。

佐藤栄太郎さんとの出会いは、白馬出身スタッフからの紹介でした。「野菜をお店で扱ってほしい」と連絡をいただいたのが始まりでした。生のとうもろこしを試食をさせていただいたところ、みずみずしくとても甘い。早速、その翌週から扱わせていただくことにしました。

豊かな自然環境の中で育った白馬村出身の佐藤さんは、農業を営む一家ではありませんでしたが、子どものころから農作物の栽培に興味があったと言います。

「小学校の授業で野菜の栽培や田植え作業を行いました。作物が成長していく姿を観察したり、どうすればおいしく育つのかを考えることが楽しかったですね。」

大きなターニングポイントとなったのは、農薬の研究に励んでいた大学時代。生産者へのヒアリングも兼ねて畑などによく足を運んでいたそうです。

「話を聞いたり、作業している姿を目の当たりにしていく中で、一人ひとりがやりがいやプライドを持って栽培しているということを強く感じました。すごく新鮮で、それが農家を志すきっかけになりました。」

朝採りのとうもろこしを毎朝LS白馬に配達してくれる佐藤さん。

約5年の修行期間を経て農園をスタート。

大学卒業後、千葉県館山市で就農し、農業の基礎から作物の特性に合わせた栽培に至るまで幅広く経験。約5年の修業期間を経て2021年に白馬村に帰省しました。そして畑を譲り受け、4月から農園をスタート。

「最初のシーズンはとうもろこしと落花生を栽培しました。昼夜の寒暖差を生かした、フルーツのように甘くみずみずしいとうもろこしができましたし、落花生の出来にも満足しています。」

好スタートを切ったかのように見えますが、環境の違いによる苦労もあったそうです。

「白馬村は標高が高く5月ごろまで寒さが残る地域のため、気温には悩まされました。また、私が譲り受けた畑は休耕田だったため、土壌も良くなかったんです。千葉でお世話になった師匠にアドバイスをもらったり、大学時代の知識を応用しながら乗り越えた感じですね。」

LS白馬で販売している佐藤さんの野菜は、地元民や観光客からとても人気!レストランでも提供していますが、その美味しさに驚かれて、お帰りの際に食物販コーナーでとうもろこしを買われる方もとても多いです。

「お客さんからの『おいしい』や『また食べたい』という言葉はうれしいですね。自分が育てた野菜を食べて、笑顔になってくれる瞬間が農業の醍醐味だと思います。」

生産者視点で、食への関心や魅力を発信していきたい。

今後は野菜の収穫体験をはじめ、消費者との交流も積極的に行っていきたいと話してくれました。

「生産者になって、食への想いや自然との向き合い方をより深く考えるようになりました。作物が育つ過程を知ってもらったり、収穫の喜びを味わってもらって、お客さんにも自然の恵みを感じてもらえたら嬉しいです。」

LS白馬は、生産者と訪れた人をつなぐプラットフォームであり、新しいコミュニケーションが生まれる場として、レストランや週末マルシェを定期的に開催(冬季除く)しています。食材のこだわりやおすすめの調理法などを生産者の方々に直接聞くことで、皆さんの食事もとひと味違ったものになるかもしれません。LS白馬にぜひ、お越しいただけたら嬉しいです。

Epilogue

いかがでしたでしょうか。食への想いや自然との向き合い方など、生産者それぞれの熱い想いがあります。レストランで提供させていただく料理や収穫体験などを通して、食の大切さや自然の豊かさ、そしてその土地の魅力を私たちスノーピークは発信していきます。