【コラム】from STAFF「キャンプごはん」が美味しい理由とは?

Prologue

生きるために食べる、それこそがおいしさの本質だとスノーピークは考えます。自然の中で味わうキャンプ料理は、その体験にとても近い。だから外で食べると、いつもよりおいしいと感じられるのです。

キャンプをまだしたことがない人や、都会に暮らす人にも、キャンプ料理の魅力を。それを提供するのが都市型レストラン「Snow Peak Eat」です。メニュー開発などを担当している釘本に、キャンプ料理の魅力について伺いました。

失われつつある、「自然の恵みをいただく」という感覚。

僕は大阪出身で、アウトドア好きの家族の中で育ちました。子どもの頃は、家族4人で年に何度もキャンプに出掛けていました。

父はよく、ゴツゴツした岩のある海辺に連れて行ってくれて、そこにテントを張っていました。着いたらまずは石を積んでかまどを作ります。それが終わったら、海に入って自分たちで魚を捕まえ、父に調理の仕方を教えてもらいながら、捕った魚をかまどの焚火で焼いて食べていました。

バーベキュー用の肉や野菜は買って行くんですが、その場で自分たちで食材を捕って食べるということが一つのアクティビティになっていて、子どもながらに「自然の恵みをいただく」という感覚を経験していました。

自然豊かな場所で、自分たちで調達した食材を焚火で料理し、みんなで笑いながら食べる。それだけなのに、キャンプのごはんはいつもの何倍も美味しく感じたのを覚えています。

人類は狩猟をするようになってから、進化の過程で火を使い、肉を加熱して食べるようになりました。DNAの奥深くに刻まれたそんな記憶の懐かしさも伴われて、キャンプでの食がより美味しく感じるのかもしれません。反対に、手軽さや便利さだけを満たす食が増えた現代では、自然と食が切り離され、その「おいしさの本質」が失われつつあるように思います。

Snow Peak Eatでは、まず「食材」を選ぶ。

素材を選んだら、焼く・蒸す・煮るの中から「調理法」を選ぶ。

「食材」や「調理法」を考えるのが楽しいところ。

僕はずっと飲食の世界で仕事をしてきて、2019年にスノーピークに入社し、レストラン「Snow Peak Eat」をはじめとした食事業に関わっています。 お客さまに食べたい食材と、焼く・蒸す・煮るという調理方法を選んでいただくという方法で注文を承るのが、Snow Peak Eatの特徴です。

実は、僕が入社した時、Snow Peak Eatは「何を表現し伝えていくのか?」を改めて見つめ直している時期でした。そこで、スノーピークというフィルターを通した飲食をどう展開していくか、コンセプトを考え直すところから始めました。

キャンプをする人ならば、キャンプ場に向かう途中のスーパーや道の駅に立ち寄って、採れたての野菜や、地元産のお肉など、その土地ならではの旬の食材を購入するという方も多いと思います。 ときには生産者さんからオススメの食べ方を教えてもらうことも。都会のスーパーではなかなか味わえない体験です。

「何を買って、どう調理して食べようか?」。自分で食材を選んで、どのようにして食べるかを決めることこそが、キャンプでの食の醍醐味。お客さまに五感と想像力をフル活用してもらい、食が自然とつながっていること、「おいしさの本質」を感じてほしくて、キャンプならではのプランニングのフローをSnow Peak Eatに取り入れることとしました。

自然の中でみんなで食卓を囲む。それだけで、普段の何倍も美味しい。

キャンプをしない人にも「キャンプごはん」を体験してほしい。

Snow Peak Eatを訪れるお客さまは、スノーピーク製品のユーザーさんもいらっしゃいますが、スノーピークのことを深く知らない方やまったく知らない方も多くいらっしゃいます。

日本のキャンプ人口は、全体の7%程度と言われており、93%の人はキャンプをしたことがありません。 そんな93%の人たちをアウトドアに導くこともSnow Peak Eatの役割です。

Snow Peak Eatでのキャンプのような食体験をきっかけに、まだキャンプをしたことのない人たちにも、自然と人とのつながりを感じられる時間を提供したいと思っています。

Epilogue

いかがでしたでしょうか?レストラン「Snow Peak Eat」では、キャンプでつくる料理のように、食べたい「食材」と「調理方」を選んでいただき料理をご提供しています。

おいしいものが大好きなスノーピークが、全国でキャンプをしながら出会った生産者たちと、しっかり会話しながら探し出したお肉やお魚。どれも地球環境を考えたストレスのない育ち方をしたものばかりです。

その土地の自然を想像しながら、今まさに食べたいと感じる「食材」をお選びいただいたら、次は五感を研ぎ澄ませて、今食べたいと感じる「調理法」をお選びいただきます。料理をおいしくする炎への徹底したこだわりが生み出す加熱方法をとおして、新しくて懐かしいおいしさを、どうぞご堪能ください。