【65周年企画】vol.4 from USER出会って14年、まるで息子のように。
Prologue
ユーザーとキャンパーとしてつながるスノーピークのスタッフ。だからこそ、プライベートで一緒にキャンプに出かけることも、珍しいことではありません。
創業65周年記念企画として、キャンプを通じて生まれた、肩書きを越えた温かなつながりをシリーズでご紹介。今回が最終回となります。
最後にご登場いただくのは、栃木県にお住まいのユーザー、長濱博之さん。「おじいちゃんキャンパーですから…」と謙遜しますが、野遊びへの熱意は人一倍。
14年来の付き合いとなるスタッフ植竹と家族同士でキャンプをしながら、ご自身がキャンプを始めたきっかけや植竹との関係性について話を聞きました。
◇50代で始めた野遊び。
設営撤収は、二人の共同作業。
長濱さん:
「私、1958年7月生まれでスノーピークと同い年なんですよ。始めたきっかけは、15年ほど前。学生最後の夏休みにどこかに連れて行ってほしいと言う長女のリクエストで、丸沼高原(群馬県)のキャンプ場に出かけました。
装備は、ホームセンターのワゴンセールで買った3,000円のテントとタープのセットと、自宅にあったBBQセットとカセットコンロ。子どもが小さい時はよく車中泊をしていたし、これでキャンプが叶うだろうと軽い気持ちで出掛けました」
現在は、3代目の「ランドロック」を愛用中。1代目も2代目も、それぞれ150泊はしたという。
「標高1,500mの高原の夏。木陰は涼しくて、日中はとても楽しかったです。ところが、晩御飯を食べ終わるころにゲリラ豪雨が。タープは使い物にならず、テントは浸水。やむを得ず車の中で寝るも、蒸し暑くて寝苦しくて、とんでもない一夜でした(笑)。
朝になって外に出てみると、周りのキャンパーの皆さんは平然としていて、びっくり。『こっちは昨晩、あんなに大騒ぎだったのに一体何が違うのだろう…?』と興味が湧き、キャンプについて調べ始めました。
翌年の夏、『もうあんな思いはしたくない!』と嫌がる家族を説得して、再挑戦。その時のキャンプがとっても楽しくて。それが2009年8月。51歳の時に、我が家の野遊びが幕を開けました。以来、妻と二人でデュオキャンプを楽しんでいます」
◇頼れるスタッフとの出会い。
2010年11月、北軽井沢スイートグラスにて。
長濱さん:
「キャンプを続けて半年が経ったころ、当時使っていたテントは冬には少し頼りなくて、もっと丈夫なものが欲しいと思い、最寄りのWILD-1小山店に足を運びました。
そこで出会ったのが、植竹さんです。まさかスノーピークの社員が常駐しているとは知らなくて、驚きましたね。その場で気になっていた商品を実際に建てて説明してくれて、その中でも大型の『ランドロック』に魅力を感じて購入に至りました。
キャンプを始めたはいいものの、周りにキャンプをしている同世代もいないし、何かわからないことがあっても誰にも聞けませんでした。
だから、近くに植竹さんがいて、相談できるのが心強かった。とても頼りにしていました。彼もまだ新人だったけれど、一生懸命対応してくれましたよ。今思えば、聞かれても困るような質問もしていた気がします(笑)」
よく遊びに来る2人の孫も、キャンプに興味を持ち始めたという。
「うちの孫と、植竹さんの子どもたちは同い年なんです。だから、勝手に親心を抱いているところがあって。彼が企画するイベントには100%参加していましたし、彼の子どもたちにメダカやスイレンを届けたこともありましたね。
10年ほど前、社会人になった娘たちが私にプレゼントを贈ろうと真っ先に相談に行ったのも、植竹さんのところでした。彼に聞けば、私が喜ぶものが分かると思ったのでしょうね。『ギガパワーツーバーナー 液出し』を選んで贈ってくれたことも、大切な思い出です」
◇キャンプが、病と闘う力に。
闘病期間を支えた妻のヒロ子さんにとっても、キャンプは心安らぐ大切な時間。
長濱さん:
「実は、2019年に食道がんが判明し、半年間入院、8か月休職しました。同年9月に『Snow Peak Way 関東1st』が行われたのですが、入院中の病室から参加申し込みをしました(笑)。植竹さんもスタッフで参加するし、8月中に退院予定だったので、どうしても参加したくて。
ありがたいことに無事に当選。『退院後の初キャンプは、Snow Peak Wayにする』という目標が、入院中の活力になりました。退院から1か月半後、会場で植竹さんや仲間たちと再会できたときの喜びはひとしおでした。
ただ、やはり筋力が落ちていてペグを打つのは難しく、その時も植竹さんに助けていただきました。その後、再発もしておらず、私が病に前向きに向き合えたのは、キャンプの力が大きかったと感じています」
念願が叶った『Snow Peak Way 2019 関東1st』にて、キャンプ仲間とともに。
「キャンプデビューと同時にブログを始め、そちらでもたくさんの出会いがありました。今でも交流が続いているブロガー仲間もいます。
植竹さんはもちろん、50代から始めたキャンプを通じて出会った人たちとの心地良いつながりは、私たち夫婦にとっての人生の財産です。私も妻もキャンプが好きで、お互いに大切なパートナー。妻と二人三脚で続けてきて、本当に良かったと思っています。
娘たちも、今は私たちのキャンプを応援してくれていますが、もう“おじいちゃんおばあちゃんキャンパー”ですからね。どちらかが健康を害し、立ち行かなくなった時が引退する時だと覚悟はしています。
これからもお互いに元気なうちは、私たちのペースでスノーピークとキャンプを楽しんでいきたいです」
Epilogue
いかがでしたでしょうか。自然と人、人と人をつなげてくれるキャンプ。その力によって生まれた、ユーザーとスタッフの深い絆があるからこそ、スノーピークはコミュニティブランドとして今日まで歩み続けることができました。
私たちはこれからも、キャンパーとしてユーザーの皆さまとつながりながら、より豊かなアウトドアライフをサポートをさせていただきます。全国のスノーピークのお店にも、どうぞお気軽にお立ち寄りください。