ソフトウェア開発とは?
流れや手法などを詳しく紹介(ソフトウエア開発)
更新:2023.12.21
著者:Sky株式会社
ソフトウェア開発は、私たちの日常生活やビジネスをより効率的にする上で、必要不可欠なものになってきています。この記事では、ソフトウェア開発の基本的な知識や種類をはじめ、携わる職種や開発の流れ、システム開発との違い、Sky株式会社のソフトウェア開発についてご紹介します。
目次
ソフトウェア開発(ソフトウエア開発)とは?
ソフトウェアとはコンピューターに特定の処理を実行させるために命令するプログラムを指します。そのため、ソフトウェアには物理的な実体がありません。一方で、PC本体やディスプレイなどのように、物理的な実体がある機器のことをハードウェアと呼びます。ソフトウェアによる指示がなければ、ハードウェアは動作することができません。身近なソフトウェアとして、PCやスマートフォンを使うための土台となるOSが挙げられます。
顧客やユーザーのニーズを分析してソフトウェアを設計・開発・評価 / 検証し、リリースする一連のプロセスがソフトウェア開発です。現在、私たちの日常生活やビジネスは、デジタル技術によって革命的な変化を遂げていますが、その変化を支えているのがソフトウェア開発だといえます。
ソフトウェア開発(ソフトウエア開発)の種類とは?
ソフトウェア開発は、開発する対象によって大きく3つに分類されます。具体例を挙げながら、詳しくご紹介します。
Webアプリケーション開発
Webアプリケーションは、Google ChromeやSafariなどのWebブラウザ上で利用できるソフトウェアで、代表的なものとしてSNSが挙げられます。例えば、X(旧Twitter)やYouTubeなどは、Web(インターネット)で提供されるサービスプラットフォーム上で、ほかのユーザーと交流するためのWebアプリケーションです。また、Amazonのように商品の販売や購入ができるECサイトのソフトウェアもWebアプリケーションに含まれます。PCやスマートフォンなど、デバイスやOSに関わらず、インターネット環境があれば利用できるのが特徴です。
Webアプリケーション開発では、システムがWebサーバーに集約されているためメンテナンスしやすいというメリットがあります。一方で、インターネット上で動作させるため快適な利用環境を提供するには、通信技術に詳しい開発者の知見が欠かせないというデメリットもあります。
アプリケーション開発
アプリケーションソフトウェアとは、特定のタスクや機能を実行するためのソフトウェアで、目的に特化したプログラムを持っています。代表的なものとして、文書作成ツールのMicrosoft Wordや表計算ソフトウェアのMicrosoft Excelなどが挙げられます。
複数の機能を組み合わせたものも多く、製品の規模によって開発にかかる期間や費用が変わりやすいという特徴があります。また、サービス事業者がWebサーバー側でメンテナンスを行うWebアプリケーションとは異なり、PCやローカルサーバーにインストールするアプリケーションソフトウェアは、ユーザーが定期的に更新(アップデート)を行う必要があります。そのため、更新データが配信サーバー上に公開されているかを起動時に確認して表示する機能を搭載している製品が多いのも特徴です。
組み込みシステム開発
組み込みシステム(組み込みソフトウェア)とは、洗濯機や冷蔵庫、エアコンといった家電製品や、自動車、産業ロボットなどに組み込まれた、機器の動きを制御するためのソフトウェアです。特定の機器に対し限定された機能のみを実現するソフトウェアであり、例えば、洗濯機のボタンを押してメニューを選ぶだけで目的に合わせた洗濯が行えるのは、組み込みシステムソフトウェアによるものです。
組み込みシステム開発の特徴として、開発環境と実行環境が異なることが挙げられます。ソフトウェアの開発はPC上で行いますが、動作を検証するにはソフトウェアを組み込み機器に移設し、機器上で行わなければなりません。ソフトウェアによって機器の動作を制御する必要があるため、ハードウェアに精通している開発者の知見が必要になります。
組み込みシステム開発について詳しくは、こちらの記事をご覧ください
組み込みシステム開発とは? 基礎知識から最新の開発動向までを解説ソフトウェア開発(ソフトウエア開発)に携わる職業
ソフトウェア開発には、さまざまな職種の人が関わります。具体的な業務内容と併せて各職種をご紹介します。
プログラマー
プログラマーの主な仕事は、ソフトウェアのプログラミングです。ソフトウェアが要求仕様どおりに動くよう、目的に合わせたプログラミング言語やフレームワークを用いてコーディング作業を行います。また、プログラミングの後には、ソフトウェアが正確に動作するかを確認するためのテストを繰り返し、テストでミスやバグが見つかった場合には修正します。専門的なコードを書き続ける必要があるため、プログラミング言語の知識が必須になります。
ソフトウェアエンジニア(システムエンジニア)
ソフトウェアエンジニアは、ソフトウェアの設計から開発、プログラミングなど、幅広い分野に関わります。プログラマーと混同されやすいですが、設計書に従ってプログラミングを行うのがプログラマーであるのに対し、ソフトウェアエンジニアは、要件定義や設計なども含めた上流工程から担当します。プログラミングの技術だけでなく、ユーザーの要望を正確に理解したり、業務管理やプロジェクトの全体像を把握したりするスキルも必要になります。
評価 / 検証エンジニア
評価 / 検証エンジニアとは、開発されたソフトウェアが仕様書どおりに動作し、バグや不具合がないかテストするエンジニアです。テストを行うだけでなく、テストの計画や設計、結果の確認、分析作業なども行います。万が一、製品のリリース後に不具合や欠陥が判明した場合、製品や企業の信頼を大きく損ねてしまうかもしれません。これを未然に防ぐために、ユーザー側の立場になってテストを実施する評価 / 検証エンジニアが非常に重要な役割を果たします。
ソフトウェア開発者
ソフトウェア開発者とは、ソフトウェアの開発工程に何かしらの役割を持って携わる人を総称した呼び名です。例えば、ソフトウェアの開発においては、ユーザーの要求を分析したり、技術的な調査を行ったり、評価 / 検証のためのテストを行うことも必要です。また、開発チームの業務進捗管理などのチームマネジメントや運用開始後のメンテナンス作業など、ソフトウェア開発にまつわる業務は非常に多岐にわたります。それらソフトウェア開発の一連のプロセスに携わる人をソフトウェア開発者と呼ぶことがあります。
ソフトウェア開発(ソフトウエア開発)の主な流れ
ソフトウェア開発は、一般的に次のような流れで進めます。それぞれの工程について、詳しくご紹介します。
ヒアリング
ソフトウェア開発における最初の作業は、ユーザーへのヒアリングです。ユーザーがどのような課題や悩みを抱えていて、新たに開発するソフトウェアでどのように解決したいのかを聞き出します。的外れな機能のソフトウェアを開発してしまわないためにも、ユーザーの要望を正確に把握できるまで詳細に聞くことが大切です。また、ソフトウェアの運用を開始したい時期や予算についても確認し、具体的な企画に落とし込んでいきます。
要件定義
要件定義は、ユーザーが要望するソフトウェアを開発するためにはどのような機能が必要で、それを実現するためにはどんな作業を行えばよいかを明確にしていく工程です。ユーザーからヒアリングした内容に基づいて、実装する機能やユーザーインターフェース、セキュリティなどの要件を定めていきます。要件定義は、その後の工程に大きな影響を及ぼすため、プロジェクトの成功可否を左右する工程ともいえます。検討した事項は「要件定義書」と呼ばれる書類にまとめ、その内容に対してユーザーに承認を得ます。また、開発に携わるプロジェクトメンバーとも情報を共有して開発を進めます。
設計
設計工程では、作成した要件定義書の内容に基づき、ソフトウェアの仕様や全体像を考えます。設計の方法には、「基本設計(外部設計)」と「詳細設計(内部設計)」の2種類があります。基本設計では、操作画面や操作方法など、ユーザーの目に見える部分の仕様を設計し、基本設計書を作成します。また、詳細設計では、基本設計書の内容を基にシステムやソフトウェアの内部構造などのユーザーの目には触れない部分の設計をします。こちらも詳細設計書という書類を作成し、プログラマー向けに整理します。
開発
開発工程では、詳細設計書を確認しながら、プログラマーがプログラミング言語を使用し、ソフトウェアを作成していきます。プログラミングに使用する言語は、デバイスや製品の特徴によって異なりますが、誰が見てもわかるようにソースコードを整理しながら記述することが大切なのは共通しています。ソフトウェアは開発して終わりではなく、安定的に運用していくことが求められるため、ソフトウェアの開発者しか理解できないソースコードの書き方でプログラミングしてしまうと、メンテナンスなどの際に運用者がコードの意図を読み解くための手間が発生し、素早い対応ができなくなる可能性があります。
評価 / 検証(テスト)
ソフトウェアを評価 / 検証するためのテストでは、ソフトウェアが設計どおりに動作するかを確認します。万が一、うまく動作しない製品をリリースするとユーザーに迷惑を掛けてしまうことはもちろん、会社の信頼性を損なう可能性もあるので、漏れなくテストする必要があります。
テストは、「単体テスト」「結合テスト」「システムテスト」に加えて、ユーザーの本番環境で行う「受け入れテスト」の4つに分けて行われるのが一般的です。単体テストでは画面や機能ごとに個別の動作を検証し、問題がなければ、ほかの機能やシステムと連携して検証する統合テストを行います。システムテストでは、システム全体で要件定義が守られているか確認し、最後にユーザーの本番環境で受け入れテストを行います。どのテストでも、不具合が見つかればその都度修正を繰り返して完成度を高めます。
リリース
テストによってソフトウェアに問題がないことを確認できたら、製品をリリースし、ユーザーに納品します。その際、システムの設計書や運用マニュアルなどのドキュメントも含めて受け渡すのが一般的です。ユーザーが操作などに不安を感じている場合には、運用をスムーズに軌道に乗せられるよう、ユーザーに対し操作方法や運用のノウハウに関する研修を行うこともあります。
運用・保守
ソフトウェアをリリースして納品した後は、運用・保守を継続しなければなりません。運用とは、リリースしたソフトウェアを継続的に安定して稼働させるために管理することです。また、保守とは、不具合などが発生した際にソフトウェアを復旧したり、定期的に更新を行ったりすることです。運用中に何らかのトラブルが発生した場合や、「新しい機能を追加したい」というユーザーからの要望があれば、状況に応じて対応します。開発だけでなく質の高い運用・保守が提供できれば、ユーザーの満足度向上につながります。
ソフトウェア開発(ソフトウエア開発)とシステム開発の違い
ソフトウェア開発と意味が近い「システム開発」について一般的な解釈に基づいて説明すると、ソフトウェア開発が「システムを動かす中身の開発」だとすれば、システム開発は組織の業務をより効率化するための「業務を改善する仕組みの開発」だということができます。システム開発の具体例としては、コンビニなどのレジの仕組みや、銀行ATMの仕組みの開発などが挙げられます。
システム開発は、特定の目的を達成するために必要なハードウェアとソフトウェアの両方を開発する作業になります。そのため、ソフトウェア開発はシステム開発の一部として捉えることもできます。
ソフトウェア開発(ソフトウエア開発)ならSky株式会社
事業内容
Sky株式会社は、家電のシステム開発を手掛けたのをきっかけに、デジタル複合機やカーエレクトロニクス、モバイル、情報家電、さらに自社商品として教育分野における学習活動ソフトウェアや、公共・民間向けクライアント運用管理ソフトウェアなど、幅広い分野でのシステム開発を展開しています。お客様先へのソフトウェアエンジニアの派遣や受託開発などをはじめ、要件定義から設計、開発、検証、運用・保守まであらゆるフェーズで技術を提供しています。
Skyが携わる領域
業務系システム開発
Sky株式会社は、30年以上にわたり業務系システムの開発に携わっています。金融・保険業界のコールセンターシステムや、医療業界の内視鏡ITシステム、建設業界の生産管理システムを開発するなど、多様な業界・業種で実績を積み重ねてきました。主要メーカー製品や各種スマートデバイスなどと連携するシステムをはじめ、クラウドサービスの利用を進めることで、ビジネス環境の急速な変化にも迅速かつ柔軟に対応できるシステムを開発しています。
Sky株式会社の業務系システム開発について詳しくは、こちらをご覧ください
業務系システム開発について組み込み / 制御 / アプリケーション開発
Sky株式会社は、創業時から組み込み / 制御システム開発を強みとし、アプリケーション開発など幅広い開発実績を有しています。サービス分野についても、カーエレクトロニクス開発やモバイル開発、デジタル複合機開発、デジタルカメラ開発、社会インフラ、医療機器開発、FAシステム開発など、さまざまな領域に携わっています。
Sky株式会社の組み込み / 制御 / アプリケーション開発について詳しくは、こちらをご覧ください
組み込み / 制御 / アプリケーション開発についてソフトウェア評価/検証・サポート
Sky株式会社のソフトウェア評価/検証事業は、組み込みソフトウェアの品質テスト(第三者検証)を中心としたサービスとして始まりました。現在は、自動車関連システム / サービスや、業務系システム、社会インフラや通信システムなど、幅広い分野でシステムの品質保証業務に携わっています。
Sky株式会社のソフトウェア評価/検証・サポートについて詳しくは、こちらをご覧ください
ソフトウェア評価/検証(ソフトウェアテスト)についてまとめ
ここまで、ソフトウェア開発の種類や携わる職業、作業の流れのほか、ソフトウェア開発とシステム開発の意味の違いや、Sky株式会社が携わるソフトウェア開発についてご紹介しました。ソフトウェア開発は、私たちの生活やビジネスなど、あらゆる分野で大きな変化をもたらしています。今後も、テクノロジーの進化を推進する重要な役割を担っていくはずです。
Sky株式会社は、幅広い分野のソフトウェア開発に携わった実績があり、豊富な経験で培った技術やノウハウを生かした、高品質で高効率な開発を行うことが可能です。今後も、社会のニーズに的確にお応えできる技術とサービスをご提供してまいります。
著者 Sky株式会社
Sky株式会社は、家電のシステム開発を手掛けたのをきっかけに、デジタル複合機やカーエレクトロニクス、モバイル、情報家電、さらに自社商品として教育分野における学習活動ソフトウェアや、公共・民間向けクライアント運用管理ソフトウェアなど、幅広い分野でのシステム開発を展開しております。