塩原温泉郷は栃木県北西部に位置し、「塩原十一湯」と呼ばれる11のエリア毎にそれぞれの温泉があります。
温泉の顔とも言われる「泉質」、日本国内に存在する10泉質のうち、6種類が塩原温泉に存在します。
また湯色についても7色の温泉が存在し、「温泉の宝石箱」とも呼ばれています。
今回はそんな塩原十一湯の各エリア毎の特徴や温泉について、宿泊できるお宿とあわせてご紹介させていただきます!
湯めぐりを楽しんでいただくのに参考にしていただければ幸いです。
- INDEX
大網温泉(おおあみおんせん)
エリアの特徴
大網温泉は塩原温泉郷の入り口と呼べる場所に位置しています。「湯守田中屋」が一軒宿として知られています。
国道400号を箒川の渓谷沿いに上っていくと塩原温泉郷の玄関口として湯守田中屋が見えてきます。
温泉の泉質・湯色
泉質 | 硫酸温泉 |
湯色 | 無色透明 |
性質 | 弱アルカリ性 (古い角質層の新陳代謝を促進するため、 くすみをとったり、すべすべ肌への効果が期待できます。) |
温度 | 42℃~63℃ |
適応症 | 動脈硬化症・切り傷・火傷・慢性皮膚病 |
特徴 | ・弱アルカリ性でクレンジング作用により、 肌の角質をとる美肌効果が期待できる。 ・入浴後の清涼感がある。 ・「中性」で肌に非常に優しい。 ・天然の保湿成分と言われる「メタケイ酸」が豊富。 ・皮膚病や火傷、切り傷にも良い。 ・飲用する事により、胆汁の分泌が促進されて 腸の蠕動運動を活発化する作用がある。 |
お宿一覧
Shiobalove’s Point
大網温泉は塩原温泉郷の中でも入り口の位置しています。
硫酸温泉は飲用することでぜんどう運動(便秘に効きます)に効くことでも知られています。
広い大浴場や客室からは、眼下に広がる雄大な渓谷美を望むことができます。
都会の喧騒から離れた自然の中で、塩原温泉のきっかけとして大網温泉を楽しまれるのはいかがでしょうか。
福渡温泉(ふくわたおんせん)
エリアの特徴
国道400号を箒川に沿って続く塩原十一湯の2番目のエリアです。文豪たちに愛された渓谷の景色が美しい場所です。
泉質はすべて「塩化物泉」で性質としては「中性」の温泉エリアです。塩化物泉は温泉に浸かることで塩分が毛穴をふさいで汗の蒸発を防ぎます。そのため保温力が高く湯冷めしにくいことから「温まりの湯」と言われています。
温泉の泉質・湯色
泉質 | 塩化物泉 |
湯色 | 無色透明が大半、一部で透明黄金色 |
性質 | 中性(肌に優しく、敏感なお肌の方におすすめ) |
温度 | 42℃~63℃ |
適応症 | 切り傷・火傷・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病 |
特徴 | ・温まりの湯と言われ、塩の効果で湯冷めしにくい。 ・塩の殺菌効果で傷にも良い。 ・肌に優しい。 ・天然の保湿成分と言われる「メタケイ酸」が豊富。 ・飲用する事により、胃腸の消化液分泌及び運動を促進し、 胃腸病や慢性便秘にも効果が期待できる。 |
お宿一覧
・塩原グリーンビレッジ
・湯ったりの宿 松楓楼 松屋
・恵山荘
・丸屋旅館
・亀の井ホテル塩原
・TAOYA那須塩原
Shiobalove’s Point
塩化物泉の泉質で占められている福渡温泉。温まりの湯と言われ、湯冷めしにくい点は入浴後も嬉しいです。
また中性の性質は肌に優しいため、敏感な肌の方におすすめです。
塩釜温泉(しおがまおんせん)
エリアの特徴
国道400号を渓谷沿いに上っていくと塩原十一湯、3番目のエリアです。温泉の温度が高温で塩原温泉郷の中でも屈指の湯量を誇ります。名前の由来は豊富な湯量による温泉の熱を利用して釜で塩を作ったことから「塩釜」と呼ばれています。
温泉の泉質・湯色
泉質 | 塩化物泉、炭酸水素塩泉(彩つむぎの大石風呂) |
湯色 | 無色透明 |
性質 | 中性(肌に優しく、敏感なお肌の方におすすめ) |
温度 | 42℃~63℃ |
適応症 | 切り傷・火傷・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病 |
特徴(塩化物泉) | ・温まりの湯と言われ、塩の効果で湯冷めしにくい。 ・塩の殺菌効果で傷にも良い。 ・肌に優しい。 ・天然の保湿成分と言われる「メタケイ酸」が豊富。 ・飲用する事により、胃腸の消化液分泌及び運動を促進し、 胃腸病や慢性便秘にも効果が期待できる。 |
特徴(炭酸水素塩泉) | ・皮膚を滑らかにする美肌の湯 ・入浴後の清涼感がある。 ・「中性」で肌に非常に優しい。 ・天然の保湿成分と言われる「メタケイ酸」が豊富。 ・皮膚の表面を軟化させる作用があり、皮膚病や火傷、切り傷にも良い。 |
お宿一覧
Shiobalove’s Point
小太郎ヶ淵や七ツ岩吊橋など渓流の景色が美しいエリアとして知られています。
また湯量が豊富で高温なので冬の寒い時など、より体が温まって格別な気分が味わえます。
塩の湯温泉(しおのゆおんせん)
エリアの特徴
国道400号沿いにある塩釜温泉から入り高原山から流れ出す鹿股川に沿って上流にのぼっていくと現れる塩原十一湯4番目のエリアです。名前の通り、塩原温泉郷の中で1番塩分の強い温泉で秘湯ムードが濃く該当のお宿は渓流のそばに造られた露天風呂を自慢としています。
温泉の泉質・湯色
泉質 | 塩化物泉、単純泉(※1) |
湯色 | 透明薄墨色、透明茶褐色 |
性質 | 中性(肌に優しく、敏感なお肌の方におすすめ) |
温度 | 40℃~57℃ |
適応症 | 切り傷・火傷・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病 |
特徴(塩化物泉) | ・温まりの湯と言われ、塩の効果で湯冷めしにくい。 ・塩の殺菌効果で傷にも良い。 ・肌に優しい。 ・天然の保湿成分と言われる「メタケイ酸」が豊富。 ・飲用する事により、胃腸の消化液分泌及び運動を促進し、 胃腸病や慢性便秘にも効果が期待できる。 |
特徴(単純泉) | (※1) ・肌に優しい。 ・天然の保湿成分と言われる「メタケイ酸」が豊富 ・クレンジング作用により、肌の角質をとる美肌効果が期待できる。 |
お宿一覧
Shiobalove’s Point
渓谷沿いの露天風呂が人気のエリアでもあります。(一部の施設を除く)
露天風呂として素朴な持ち味があり、同時に秘湯ムードの景色が味わえるのは一見の価値があります。
畑下温泉(はたおりおんせん)
エリアの特徴
栃木県那須塩原市の箒川に沿った段丘上に位置している塩原十一湯の5番目のエリアです。
明治時代には、時の皇太子(後の大正天皇)が避暑に訪れた別荘があったり、熱海でも有名な尾崎紅葉の小説「金色夜叉」の舞台の一つとしても知られています。
温泉の泉質・湯色
泉質 | 塩化物泉 |
湯色 | 透明 |
性質 | 中性(肌に優しく、敏感なお肌の方におすすめ) |
温度 | 52℃~76℃ |
適応症 | 切り傷・火傷・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病 |
特徴(塩化物泉) | ・温まりの湯と言われ、塩の効果で湯冷めしにくい。 ・塩の殺菌効果で傷にも良い。 ・肌に優しい。 ・天然の保湿成分と言われる「メタケイ酸」が豊富。 ・飲用する事により、胃腸の消化液分泌及び運動を促進し、 胃腸病や慢性便秘にも効果が期待できる。 |
お宿
・湯の花荘
・心づくしの宿 ぬりや
・ペットと楽しむ温泉旅館 福久寿苑
・清琴楼
Shiobalove’s Point
畑下温泉は、大正天皇が静養に利用されたり、皇太子時代に訪れた別荘があったり、夏名漱石や尾崎紅葉の文人らが訪れたことでも有名な温泉エリアです。偉人の方たちも気に入った温泉に浸かり、同じ気分を味わってみるのはいかがでしょうか。
門前温泉(もんぜんおんせん)
エリアの特徴
門前温泉は塩原十一湯の中心に位置している6番目のエリアです。古町温泉に続き賑やかな温泉地として知られています。
保湿成分としての役割「メタケイ酸」は含有量が50mg以上なら、保湿に有効とされており、門前温泉エリアは200mg以上の温泉が大半です。
温泉の泉質・湯色
泉質 | 塩化物泉 |
湯色 | 透明 |
性質 | 中性(肌に優しく、敏感なお肌の方におすすめ) |
温度 | 52℃~76℃ |
適応症 | 切り傷・火傷・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病 |
特徴(塩化物泉) | ・温まりの湯と言われ、塩の効果で湯冷めしにくい。 ・塩の殺菌効果で傷にも良い。 ・肌に優しい。 ・天然の保湿成分と言われる「メタケイ酸」が豊富。 ・飲用する事により、胃腸の消化液分泌及び運動を促進し、 胃腸病や慢性便秘にも効果が期待できる。 |
お宿
・常盤ホテル
・山口屋旅館
・大江戸温泉物語 ホテルニュー塩原
・光雲荘
・静観荘古山
Shiobalove’s Point
賑やかな温泉地を求めている方におすすめのエリアと言えます。
またメタケイ酸を多く含んでいる温泉が多いため、美肌効果に期待したい女性の方などは是非利用されてみてはいかかでしょうか。
古町温泉(ふるまちおんせん)
エリアの特徴
箒川の右岸の塩原街道に沿って温泉街が広がっており、塩原十一湯の中でも最も多くの温泉宿がある7番目のエリアです。
また、紅葉の名所としても人気のエリアです。箒川沿いに眺めの良い遊歩道や吊橋があり、散策も楽しめる絶好の場所として知られています。
温泉の泉質・湯色
泉質 | 塩化物泉、炭酸水素温泉 |
湯色 | 透明 |
性質 | 弱アルカリ性 (古い角質層の新陳代謝を促進するため、くすみをとったり、 すべすべ肌への効果が期待できます) 中性(肌に優しく、敏感なお肌の方におすすめ) |
温度 | 40℃~69℃ |
適応症 | 切り傷・火傷・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病 |
特徴(塩化物泉) | ・温まりの湯と言われ、塩の効果で湯冷めしにくい。 ・塩の殺菌効果で傷にも良い。 ・肌に優しい。 ・天然の保湿成分と言われる「メタケイ酸」が豊富。 ・飲用する事により、胃腸の消化液分泌及び運動を促進し、 胃腸病や慢性便秘にも効果が期待できる。 |
特徴(炭酸水素塩泉) | ・皮膚を滑らかにする美肌の湯 ・入浴後の清涼感がある。 ・「中性」で肌に非常に優しい。 ・天然の保湿成分と言われる「メタケイ酸」が豊富。 ・皮膚の表面を軟化させる作用があり、皮膚病や火傷、切り傷にも良い。 |
お宿
・塩原温泉 八汐荘
・ホテルおおるり
・源美の宿 会津屋
・旅館 上会津屋
・満寿家
・やまなみ荘
・源泉の湯・東や
・ホテルニューもみぢ
・伊東園ホテル塩原
Shiobalove’s Point
古町温泉も門前温泉と同様に、メタケイ酸(保湿に優れ美肌効果に期待できる)が多く含まれている温泉が多く、泉質が炭酸水素温泉の宿が9件中、3件あります。散策を楽しみつつ、お肌をケアしたい方、お宿を吟味して選びたい方にはおすすめのエリアと言えます。
中塩原温泉(なかしおばらおんせん)
エリアの特徴
国道400号と日塩もみじラインとの分岐点近辺に位置する塩原十一湯の8番目のエリアです。
天然記念物の逆杉がそびえる塩原八幡宮など、歴史をしのばせる観光名所があります。
温泉の泉質・湯色
泉質 | 塩化物泉 |
湯色 | 透明 |
性質 | 中性(肌に優しく、敏感なお肌の方におすすめ) |
温度 | 42℃~51℃ |
適応症 | 切り傷・火傷・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病 |
特徴 | ・温まりの湯と言われ、塩の効果で湯冷めしにくい。 ・塩の殺菌効果で傷にも良い。 ・肌に優しい。 ・天然の保湿成分と言われる「メタケイ酸」が豊富。 ・飲用する事により、胃腸の消化液分泌及び運動を促進し、 胃腸病や慢性便秘にも効果が期待できる。 |
お宿
Shiobalove’s Point
塩原温泉の中でも歴史は1番新しい温泉エリアです。パワースポットの逆杉がそびえたつ塩原八幡宮に立ち寄るのも良いですし、家族みんなで一日中、楽しめる箱の森プレイパークへファミリーで来られるのもおすすめです。
上塩原温泉(かみしおばらおんせん)
エリアの特徴
中塩原温泉と同様に歴史が新しい塩原十一湯の9番目のエリアです。山あいにひっそりとたたずむ閑静な環境なので、のんびり湯治するお客様も多いです。
温泉の泉質・湯色
泉質 | 塩化物泉、単純泉 |
湯色 | 無色透明 |
性質 | 弱アルカリ性 (古い角質層の新陳代謝を促進するため、くすみをとったり、 すべすべ肌への効果が期待できます) |
温度 | 42℃~51℃ |
適応症 | 切り傷・火傷・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病 |
特徴(塩化物泉) | ・温まりの湯と言われ、塩の効果で湯冷めしにくい。 ・塩の殺菌効果で傷にも良い。 ・肌に優しい。 ・天然の保湿成分と言われる「メタケイ酸」が豊富。 ・飲用する事により、胃腸の消化液分泌及び運動を促進し、 胃腸病や慢性便秘にも効果が期待できる。 |
特徴(単純泉) | ・肌に優しい。 ・天然の保湿成分と言われる「メタケイ酸」が豊富 ・クレンジング作用により、肌の角質をとる美肌効果が期待できる。 |
お宿
・離れの宿 楓音
・四季味亭ふじや
・旅館 まじま荘
・山の湯 和楽遊苑
・たちばな家
Shiobalove’s Point
山あいの閑静なエリアなのでマイペースに湯治目的で利用されるお客様におすすめです。
また、かつて塩原温泉が湖の底であったことが分かる塩原湖成層が見られる要害公園もあります。
元湯温泉(もとゆおんせん)
エリアの特徴
元湯温泉は古町温泉より車で更に15分ほど奥に入ったところに位置する塩原十一湯の10番目のエリアです。
「元湯」の名前が示すように塩原温泉の中で最も歴史が古いことで知られています。
紹介するお宿の泉質がすべて硫黄泉であることが特徴です。
温泉の泉質・湯色
泉質 | 硫黄泉 |
湯色 | 透明、緑白色、黒色 |
性質 | 中性(肌に優しく、敏感なお肌の方におすすめ) |
温度 | 40℃~60℃ |
適応症 | 切り傷・慢性皮膚病・糖尿病・慢性婦人病・動脈硬化症 |
特徴 | ・毛細血管拡張作用があり、滞った老廃物を含む血液の流れを改善する。 ・「中性」は肌に非常に優しく、「酸性」は天然のピーリング作用による 肌の状態のリセット。 ・天然の保湿成分と言われる「メタケイ酸」が豊富。 ・メラニンの代謝によりシミ・くすみにも働く。 ・紫外線カット効果により美肌作用。 ・飲用する事により、糖尿病、痛風、便秘などに効果が期待できる。 |
お宿
Shiobalove’s Point
泉質が硫黄泉とさることながら、湯色が緑白色や黒色といった珍しい温泉を楽しめるのも魅力です。
硫黄泉は血行を良くする効果やメラニンの代謝によるシミ・くすみにも予防効果があります。
新湯温泉(あらゆおんせん)
エリアの特徴
古町温泉より日塩もみじラインを車で約10分ほど上ったところに塩原十一湯の11番目のエリアです。
山津波により塩原元湯温泉が壊滅した時に新しく温泉が湧き出しため新湯温泉と呼ばれるようになりました。
泉質が硫黄泉と酸性泉であることも特徴です。
温泉の泉質・湯色
泉質 | 硫黄泉、酸性泉 |
湯色 | 透明、乳白色 |
性質 | 酸性(皮膚を引きしめる収れん作用により肌のキメを整えたり、 たるみのリフトアップ効果が期待でき、また殺菌、解毒作用 により慢性皮膚病の療養にも良い) |
温度 | 59℃~95℃ |
適応症 | 切り傷・慢性皮膚病・糖尿病・慢性婦人病・動脈硬化症 |
特徴(硫黄泉) | ・毛細血管拡張作用があり、滞った老廃物を含む血液の 流れを改善する。 ・「中性」は肌に非常に優しく、「酸性」は天然の ピーリング作用による肌の状態のリセット。 ・天然の保湿成分と言われる「メタケイ酸」が豊富。 ・メラニンの代謝によりシミ・くすみにも働く。 ・紫外線カット効果により美肌作用。 ・飲用する事により、糖尿病、痛風、便秘などに効果が期待できる。 |
特徴(酸性泉) | ・殺菌、解毒作用により慢性皮膚病の治療に良い。 ・皮膚を引き締める収れん作用により肌のキメを整え、 たるみのリフトアップ効果が期待できる。 ・肌表面のリセットによる美肌力再生。 |
お宿
・奥塩原高原ホテル
・秘湯にごり湯の宿 渓雲閣
・にごり湯の宿 湯荘白樺
・やまの宿 下藤屋
Shiobalove’s Point
元湯温泉同様、泉質が硫黄泉であることと、酸性泉であることが特徴です。
酸性泉は皮膚を引き締める効果や殺菌、解毒作用により慢性皮膚病の治療に良いとされています。
まとめ
今回は塩原温泉郷の十一湯をエリア毎に紹介させていただきました。塩原温泉郷はエリアによって特徴、温泉の泉質、湯色などそれぞれ異なります。自身で気に入ったエリアにリピートするのも良し、各エリアを湯めぐりするのも良し、目的にあわせてぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。