「暮らしナチュラリスト®」として活躍する「笑むSTYLE®」代表の川村康子さん。講演会やワークショップなどを通して、身近な自然素材を使った心地よい暮らし方を提案してきましたが、コロナ禍で直接お客さまに会える機会が激減してしまいました。そこで力を入れ始めたのがオンラインでの講座です。「イメージに合った部屋に改装したいけど、どうしたら資金を捻出できるのかな？」そう考えていた川村さんの目に飛び込んできたのがひとつの補助金でした。

 01  オーエンを利用したきっかけは何でしたか？

新聞で「宮城県中小企業等再起支援事業」の広告を見たのがきっかけでした。あれ、これは使えるんじゃないかなと思って。もともと2013年に起業した時に仙台市産業振興事業団（オーエンの運営団体）にお手伝いいただいていたので、慌てて電話してみたら、間に合うかも、と。すぐにオーエンに行って、申請をサポートしていただきました。

 02  補助金はどんな目的で使ったのですか？

わたしはもともと、住宅メーカーや電力会社、行政講座などで、自然と自分に優しい家事「エコ家事」の講師をさせていただいていました。重曹などの身近にあるものを使って、お部屋の消臭をしたり、お掃除をしたり、というような内容です。
最近ではSDGsやエシカル消費の観点からも注目いただいていたのですが、コロナ禍で、講座やワークショップのご依頼が一気に激減してしまいました。それでも、講座の常連さんのなかには、個別でレクチャーを受けたいという方もいらっしゃって。
そうであれば、今のお部屋を改装して、お客さまをお招きできるスペースをつくりたいと思ったんです。また、オンライン講座や動画配信なども考えていたので、撮影できるスペースもほしいなと思っていました。

 03  実際にオーエンを利用してみて、どんなふうに感じましたか？

補助金の申請って、難しいイメージがあるでしょう。実際、なかなか私一人では歯が立たなくて、何がわからないか分からない状態だったので、書類づくりをサポートいただいて本当に助かりました。情報も早くキャッチしてくれますし、苦手な部分をフォローしてくれるので、とても有難かったです。
補助金や助成金を使うのは、今回が初めてでした。自分には関係がないものだと思っていたのですが、上手に使えばとてもいい制度なんですね。自分の事業のほつれた部分を縫ってくれるような印象を受けました。

 04  補助金を使って改装した部屋は、どんなふうに使っているのですか？

自宅の和室を洋室に改装しました。「ちいさな森のエミュールーム」という名前をつけました。
今回のことがあるまで、わたしは、呼んでいただいてどこかに出かけることが多かったですし、「暮らしナチュラリスト®」の資格を取得いただくための講座も、会場を借りて行っていました。コロナ禍で自分の家にいることが増え、立ち止まって考えた時に、お客さまをお呼びできるための部屋が必要だなとあらためて感じたんです。
わたしは、みなさまに元気に気持ちよく生活していただくことを仕事にしていますので、まずは自分が元気にならなきゃウソでしょう。部屋ができて、自分が一番安心しました。これで個別レッスンのお客さまを呼ぶこともできますし、オンラインでお話するのもちゅうちょせずにできます。仕事に集中するために大切な場所になりました。

 05  今後チャレンジしてみたいことはありますか？

わたしのように、家にいることが増えた人に、今まで以上に「ナチュラルな生活の心地よさ」を届けたいと思っています。
例えば重曹は、口に入れても大丈夫なものを販売しているので、除湿や消臭のほかにも、入浴剤やハミガキ粉としても使えます。入浴剤にすると、肌の潤いがすごいんですよ。お風呂も残り湯を使って掃除できますし。
それから自宅で出た新聞などの古紙と企業等から廃棄されたロウや石けんなどを使って作る「Waxペーパー」や羊毛を巻きつけた「羊毛フェルト石けん」などエシカルでたのしいワークショップを開催しています。

 06  事業に取り組む皆さんにメッセージをお願いします。

一人ではできないことに突き当たったら、まずはオーエンを活用するのも手だと思います。私は補助金・助成金に対する壁を打ち破ることができました。皆さまもきっと、そういう新しい発見ができるんじゃないかなと思います。

今回ご紹介した企業

笑むSTYLE®

自然素材の重曹とクエン酸をベースにした「エコ＆カジュアルな家事」、略して「エコ家事」を提唱。エコ家事プランナーとして、さまざまな場で自然にやさしい暮らし方を紹介しています。

（取材・ライティング：沼田 佐和子）