開業者インタビュー
寿しや甲子園(すしやこうしえん)
飲食
「魚屋」だからこそ知っている美味しい寿司を、広く紹介したい
起業の経緯を教えてください。
自分はもともと、水産関係の会社に30年勤務していました。もともと独立は視野に入れていたので、会社に勤めている時から「この仕事は自分の将来にどう役立つだろうか」と考えながら仕事をしてきました。執行役員として働かせてもらっていたので、自分の判断で動けたのも良かったです。例えば、蒸し海老ひとつ取っても、どうすれば美味しいものを安く仕入れられるか考え、ベトナムの工場に行ったりしていました。アナゴもどうにか無添加にしたくて、中国の工場と交渉して、実現したんですよ。
独立しようという想いが強くなったのは4年前です。師匠だと思っていた前社長が亡くなり、自分もこの会社を出るタイミングではないかと思いました。
お店のコンセプトは?
ずばり、「お魚屋さんがやるお寿司屋さん」です。魚屋は魚を知り尽くしていますから、美味しい食べ方も知っているんですよ。ふつうのお店だとあまりやらない調理の仕方もいろいろ知っている。その美味しい食べ方を、皆さんに紹介したいと思っています。それから、東京からお客さんが来た時に連れていける寿司屋にしたいと思いました。旅行に来たら、やはり地のものを食べたいものでしょう。カウンターに座ると、ガラスケースに宮城で揚がった魚が並んでいて、それを食べられる。そんなお店にしたいと思っています。
大切にしていることを教えてください。
魚に関しては、「手間をかけても自分が本当に美味しいと思えるものを出すこと」を大切にしています。例えばうちのタコは、無添加で茹でています。歌津から買ってきたものを干して味を閉じ込め、叩いて柔らかくしてから茹でてるんです。ぜひ食べてみてほしいのですが、味も食感も、そこらへんの加工品とは違いますよ。カニも生きているのを20~30匹一緒に大きな鍋で茹であげています。この年末は、カニを剥いて、身だけを盛り付けてみました。写真映えすると人気なんです。
前の会社との信頼関係も大切にしています。前職で関係を築いた業者さんもたくさんいましたが、今回起業するとき、それらの会社と取引することはしませんでした。自分が取引することで、前の会社の仕事に影響があってはならないですから。会社から人材を引き抜くこともしようとは思わなかったのですが、有難いことについてきてくれたメンバーもいます。そういう信頼関係に助けられていることがとても多いです。
新型コロナウイルスの影響が広がる中でのオープンとなりましたが、営業のために工夫したことはありましたか?
従業員に迷惑をかけないように、というのが一番ですね。創業したばかりで、コロナじゃなかったらこうだったはずなのに、ということがないので、前向きに頑張っています。今自分がやろうとしていることは、お客さまに喜ばれるスタイルであると思っています。リスクはあるかもしれませんが、ブレずに、自分がやるべきことをやり続けることしかないでしょうね。
アシ☆スタのサポートはいかがでしたか?
以前勤めていた会社でも執行権を持って仕事をしていましたが、起業するとなると分からないことがたくさんありました。サラリーマンとは違う景色でした。アシ☆スタでは、コンセプトワークからお金の話まで聞けて、勉強になりました。創業資金の融資をどうすれば受けられるか、という突っ込んだことまで教わることができて、有難かったです。お店のコンセプトなんかも、「これで完璧だ」と思って提出しても、別な視点からいろいろな指摘をもらえます。こんな店をやりたいという想いは負けませんでしたが、本当にこの手法でいいのか、これがベストなのか、何回も考えさせられました。正しいことを正直にやらないといけないな、と言う気持ちが強くなりましたね。
起業家からメッセージ
起業する上で一番大切なのは、「情熱」と「信頼関係」です。自分で会社を始めるといろいろ大変なことがありますが、「この仕事だけはやり切りたい」という情熱さえあれば乗り越えられますし、一緒に仕事する仲間も、自分の情熱についてきてくれると思っています。同じように信頼関係も大切です。自分は、スタッフや業者さんとの信頼関係に助けられてやってこれました。みなさんも、何かを始めるなら、人との関係を大事に、想いをもって挑戦してみてください。
開業者情報
- 企業名
- 株式会社魚甲子園(寿しや甲子園)
- 代表
- 佐藤 秀市
- 開業
- 2020年11月
- Homepage
- http://sushiyakousienn.jp/
- https://twitter.com/eesakrhnoifqhnd
- 電話
- 022-290-9387
- 所在地
仙台場外市場「杜の市場」 宮城県仙台市若林区卸町5丁目2-6