東京都商品等安全対策協議会報告「自転車用ヘルメットの着用と安全な使用」
更なる商品改善、安全性が確保された商品の普及などを提言
※本ページのPDFや詳細な資料(報告書や動画等)につきましては、本ページの最後にある「報告書など」をご覧ください。
道路交通法の改正により、自転車利用時のヘルメット着用が全年齢で努力義務となったことを踏まえ、東京都は今年度、東京都商品等安全対策協議会において「自転車用ヘルメットの着用と安全な使用」に関する検討を行いました。
このたび、協議会の報告書を取りまとめましたので、お知らせします。
報告書のポイント
アンケート調査・検証実験結果から(報告書概要P.5~8)
アンケート調査 〔対象:都内在住で週1回以上自転車を使用している2,016人〕
- 過去5年以内に、自転車利用時に接触・衝突・転倒などをしたり、しそうになった経験があるのは、全体の約4割。その経験時に、ヘルメットを着用していなかったのは、86.1%。
- 自転車利用時にヘルメットを着用していない人の意見(上位3つ)
〔非着用の理由〕
着用が面倒 47.9%、駐輪時に荷物となる 38.6%、髪型が崩れる 31.8%
〔改善してほしい点〕
デザイン 45.6%、持ち運び性・保管性 37.0%、通気性 31.9%
シミュレーション〔転倒・衝突時の頭部への影響〕
- ヘルメット非着用時
頭部への衝撃が非常に大きい → 頭蓋骨骨折や脳挫傷の恐れ
- ヘルメット着用時
ヘルメットが衝撃を吸収 → 非着用時と比較して衝撃は小さい
性能試験〔市販されているヘルメットの安全性〕
- 「自転車用の規格に適合する表示がないもの」と「自転車用の規格のヘルメット」では、衝撃吸収性能などに大きな差あり。
- ヘルメットを繰り返し落下させたところ、衝撃を与えるごとに衝撃吸収性能が低下。
実地調査〔都内のヘルメット着用状況(2023年10月実施)〕
- ヘルメット着用者が全体の8.0%(4,158人中331人着用)
- 運転者の「一般(概ね中学生以上)」の着用率が5.9%と低い。
〔着用率〕
全体 8.0% (331人)
内運転者 6.3% (250人)
内運転者(一般) 5.9% (235人)、内運転者(子供) 41.7% ( 15人)
内同乗者 49.7% ( 81人)
課題(報告書概要P.7)
自転車乗車時のヘルメットの着用
- 自転車乗車時のヘルメット着用率は低く(特に13歳以上)、着用の促進が必要
- 非着用者がかぶりたいと思うヘルメットの実現
- 様々なデザインのヘルメット等の存在について、消費者への周知が必要
- 降車時の取扱いの改善要望が多く、ヘルメットの改善(折り畳み式など)の他、ヘルメットを着用しやすい環境整備(車両への収納・保持機能の付加など)も課題
商品の安全性
- 購入する際に、安全性の確保された商品を選べるような対策が必要
- 「自転車用以外の規格のヘルメット」や「規格に適合しているかわからないヘルメット」は、十分な保護性能がない可能性があることの周知が必要
適切な使用
- 適切な使用方法等の理解を進めるため、表示の工夫などの取組が必要
提言(報告書概要P.10)
着用の促進
〔着用率の向上〕
- 着用の必要性について、消費者へ具体的な効果とともに訴求
- 来店者へ着用を推奨してもらえるように、自転車の販売・整備事業者へ働きかけ
〔商品の改善〕
- デザイン性が高い、持ち運びしやすい、通気性がよい、などの特徴を併せ持つヘルメットの開発
- 自転車にヘルメットを保持、収納できる商品や機能の開発など
安全性が確保された商品の普及
- 商品によって性能差があることの周知や、規格に適合した商品の選び方の紹介
- 自転車用の規格に適合した商品リストの提示及び様々なデザインの商品があることを広報
- 流通・販売事業者に対し、商品によって性能差があることの周知など(規格に適合したヘルメットの販売の拡大)
適切な使用
- 適切な使用方法を周知(かぶり方、強い衝撃を受けたものは継続使用しないなど)
- 消費者に読まれやすいような表示の改善(取扱説明書など)
- ヘルメットによって内部の形状やサイズが異なるため、試着後の購入を推奨
要望・情報提供
協議会の提言を踏まえて、製造事業者団体、販売事業者団体、消費者団体、関係機関及び国等に対して、自転車用ヘルメットの着用と安全な使用を推進するため、要望・情報提供を行います。
消費者への注意喚起
事業者、関係団体、国等と連携して、リーフレット、ウェブサイト、SNSなど、様々な媒体を活用し、積極的に注意喚起を行います。
報告書など
東京都生活文化スポーツ局消費生活部生活安全課商品安全担当
電話番号:03-5388-3082