vol.56 架け橋が織りなす仕合せ
2018/01/01
本山仁王門、43年前に初めてくぐり、今回数十年ぶりに合掌礼をすることができました。少林寺拳法創始70周年記念事業のブルースカイキャンパスin多度津に参加するため、齋野道院長はじめとする道院幹部6人で帰山したからです。
「お帰りなさい」と迎えてくれた本山職員は、学生時代の一年後輩でした。門と人が温かく迎え入れてくれる“これぞ本山”。福島県から7時間の疲れも消え、すでに元気をもらいました。昔、開祖が法話で「砂の様な人間にはなるな」と語られていたことを思い出しました。居眠りなどせずよく聞いておくべきだったと悔やまれます。
思い起こすと、私が少林寺拳法を始めたのは、大学時代の先輩から甘い言葉で誘われたのがきっかけで、ここからは想像に難くない、とんでもない體育會(体育会)系部活が始まったのです。しかし今まで続けられたのは、関東学生大会での組演武優秀賞の成功体験と、4年間の苦労をここで終わらせたくなかった事、少林寺拳法を通じて出会った人々の繋がりが自分を変えてくれることがあったからです。齋野道院長はじめ諸先輩や同門拳士の方々は自分の未熟さを気付かせてくれます。福島県の方々は武専や行事で仲間であることの楽しさを教えてくれます。何より家族の支えは大きなものです。改めて自分を取り巻く全てに感謝です。
娘は福島で三段の允可を受け、愛媛県宇和島市に嫁ぎました。遠くへ嫁に出した不安もありましたが、宇和島道院に転籍し濱田道院長のもとで四段の允可を受けたようで安心しております。不安を解消してくれたのは少林寺拳法を通じた横のつながりでした。孫娘も上が三級・下は見習いで頑張っているようで、福島の爺さんとしてはうれしい限りです。いつか三世代で演武をするのが楽しみです。
親子三代、先輩後輩の縦の架け橋、道院同士や仲間同士の横の架け橋、そうして70年かけて織りなされたものが少林寺拳法だと思います。そうした仕合せが繋がっていくことを願います。
(福島桑折道院 田本 良文)
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