50余年の歴史と重み!旧から新へと受け継ぐヒューリック将棋会館の全容とこだわり、そして設計者だからこそのウラ話【前編】|将棋コラム|日本将棋連盟
50余年の歴史と重み!旧から新へと受け継ぐヒューリック将棋会館の全容とこだわり、そして設計者だからこそのウラ話【前編】

50余年の歴史と重み!旧から新へと受け継ぐヒューリック将棋会館の全容とこだわり、そして設計者だからこそのウラ話【前編】

ライター: 常盤秀樹  更新: 2024年11月02日

2024年9月8日に日本将棋連盟が創立100周年を迎えた。同時にヒューリック将棋会館がJR千駄ヶ谷駅前に新しい将棋会館として建設された。9月8日は、その新会館のお披露目式が行われ、テープカットや報道メディア各社にも館内の一部が紹介された。

東京・将棋会館(旧将棋会館)は、1976年(昭和51年)4月に千駄ヶ谷・鳩森神社の近くに建設された。以後数々の名勝負がこの場所で行われ、2024年内までは対局が行われる予定だ。新将棋会館すなわちヒューリック将棋会館は、東京・将棋会館からほど近い場所に建設され、そこには、カフェを併設した将棋道場、将棋グッズの販売もする「棋の音(きのね)」も10月1日にオープンした。新しい将棋の総本山として新たな魅力を将棋ファンにアプローチしていくことになる。

既にそれらの一部内容は、各メディアにも報道、紹介されていたりするが、ここでは新しい将棋会館のさらに細かいこだわりや、意匠に託された意図や意味などを詳しく紹介していきたい。

なお、ヒューリック将棋会館の設計・施工は、大成建設株式会社が行った。今回のインタビューは、設計を担当した設計本部 建築設計第一部 前田 有一さんと渡邉 里沙さんに設計者の立場や視点から、隠された設計意図や苦労した点などをお聞きした。
話を聞くにつれ、ヒューリック将棋会館の細部に至るまでのこだわりを感じることができた。そして、将棋会館を訪れる方々と日々利用する側の両方の視点から、いろいろなところで工夫されており、それ等を知ることは、将棋会館内で行われる将棋の対局を支えてゆく上でも非常に意味のあることだと感じた。

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インタビューは、前編と後編に分けて掲載するが、主に前編は、一般エリアと呼んでいる入口付近から寄付者銘板があるエントランス、そして事務局エリアを経て対局室の入口手前まで紹介してゆく。

【外側から見る将棋会館】

――お陰様で9月8日のお披露目式(内覧)を無事に終えることができました。まだ、一部工事は残っていますが、事務機能は概ね移転済みです。改めて感じますが、新しい将棋会館で対局が行われるのが待ち遠しいです。

――それでは早速ですが、ヒューリック将棋会館の入口から順を追ってお話をお聞きできればと思います。今回インタビューにお答え頂きますのは、大成建設株式会社 設計本部 建築設計第一部 前田 有一さんと渡邉 里沙さんのお二人です。よろしくお願いいたします。

前田・渡邉:よろしくお願いします。

――さて、内覧に先立って行われました竣工式の時に作業所長さんがお話しされてましたが、ヒューリック将棋会館千駄ヶ谷ビルは、環境に配慮した建物になっているというお話ですね。

前田:建物の省エネ化に積極的に取り組むことで、ZEB(ゼブ)という環境性能認証制度の基準の一定レベル(ZEB Ready)を達成したビルということになります。
※ZEB(ゼブ):Net Zero Energy Building

――環境に優しい今の時代にふさわしい建物となっているのですね。ZEBについては環境省のHPにも詳しく掲載されています。将棋の対局も環境に配慮した建物の中で行われることになりますね。

――すみません。最初に少し建物全体の説明から入ったのですけれども、これから具体的に個々のポイントについてお話を覗いたいと思います。

――それでは入り口部分から順番にお聞かせ下さい。
最初に道路に面して石銘板があります。これは、東京・将棋会館にもあり、「将棋会館」と刻まれています。その書は木村義雄十四世名人のものです。ヒューリック将棋会館では、新しい石銘板を作り、置いています。こちらのサイズや素材は、東京・将棋会館と同じものになりますでしょうか。

渡邉:今回、全く同じものを作りたい、というご要望だったので、石のサイズ、種類、「将棋会館」の文字についてもほぼ同じ仕様にしています。ただ、置かれる環境が異なりますので、高さについては今までのものと比べ、少し高くして、目につきやすいような高さになっています。

――なるほど。通りに面している部分ですからね。

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渡邉:あと、基壇部のところがコンクリート構造なのですが、杉板型枠工法と言い、エントランスの外装と同じ仕上げを使うことで、建物と一体感のあるデザインになっています。

――杉板型枠工法について、分かりやすく説明をしていただけますか。

前田:通常のコンクリートの型枠はコンパネと言って、ベニヤ合板に塗料が塗られているフラットでつるんとしたものです。今回採用の杉板型枠工法は、木目や凹凸のある杉材の板を型枠にしてコンクリートを流し込むことで、木目が転写され、コンクリートの表面に豊かな表情を与えることができます。

――コンクリート流し込んだ時に、模様みたいに仕上がるのですね。

渡邉:木目が凹凸のある模様として現れるので、木目の質感も感じられるようなコンクリート仕上げになっています。

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石銘板の基壇部(基礎部分)は、単なるコンクリートではなく、木目のような模様に仕上げてある。こちらの石銘板の「将棋会館」の文字は木村義男十四世名人によるもの。

――当初は、東京・将棋会館の石銘板を移設するという話もありましたね。

渡邉:移設の場合、新将棋会館竣工の数か月前には撤収し、移設する必要がありました。ただ、そうすると東京・将棋会館に石銘板がない状態がしばらく続いてしまうため、既存と同様の石銘板を新しく作るということになりました。

前田:早速皆さんが、新しい石銘板のところで写真を撮られていたりして、良かったなと思っています。

――東京・将棋会館で、やはりあそこは象徴的なところで棋士、女流棋士、著名人も含めて数々の方々の撮影もされていました。

渡邉:千駄ヶ谷駅により近くなったので多くの方々の目に触れる機会も増えると思います。

――そして、正面入口の手前に「日本将棋連盟」のサインがあります。これはヒューリック将棋会館で新設されたものです。こちらもサイズや視認性、照明の当て方とかも、いろいろご提案いただいて、今の形になりました。

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渡邉:一番重視したのは、視認性についてで、歩道からサインの付く壁まで結構奥行きがありますので、その奥行きでもしっかり文字が読み取れるということ、そして、設置した高さについても歩く人の目線の高さに合わせて、一番読み取りやすい高さと大きさで設定しています。

前田:文字を照らすライトも内照式にしようかとも考えましたが、視認性はいいのですけれども、現在のバックライト式にしたことで陰影と言いますか、立体感もあり、趣のある雰囲気になっていると思います。

――グッと高級感が増した感じがします。

前田、渡邉:そうですね。

前田:サイズも実寸大のものを壁に貼りだして、現場で3パターンぐらい確認頂きました。

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「日本将棋連盟」の文字が浮き上がるように見えるライトアップ。なお、ここの壁部分のコンクリートは石銘板の基壇部と同じように、木目調の模様を施している。

【将棋を想起させるモチーフと落ち着きのあるエントランス】

――さて、いよいよ中に入ります。エントランスを入ってすぐ左側にベンチといいますかソファーが2つあります。これは、将棋盤の脚の部分をモチーフにしたデザインになっていて、クチナシの実を象っているのですね。クチナシは「口なし」つまり、将棋では助言禁物の意味があります。

――こちらのソファーはカッシーナ製とお聞きしています。

渡邉:はい、当社とお取引のあるカッシーナさんに特注しました。

――将棋盤の脚をモチーフにするという考えは、最初の段階から想定して設計をされていたのでしょうか。

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渡邉:歩道からよく見える場所に置かれるので、将棋らしさを表せるような形でどういうものが良いか考えた中で、この形になりました。
他にも、いろいろ検討してみたのですが、来客者が座りやすくて、且つ特別感のある形ということで将棋盤の脚を象った形となりました。座面は革張りになっています。

――なるほど。

前田:このエントランスは、動線空間でありながら、待合いの場所でもあります。普通の四角い硬い形のベンチですと、何か座りが悪いと言いますか違和感がありましたので、形に方向性がないオブジェっぽいものをポンと置いたらどうかということで、今の形になりました。

――ちなみに他の候補は何かありましたか。

渡邉:他にも将棋盤のように四角い形はどうかとか、いろいろとありました。

――でも、今のこの形はすごくいいなと思いますね。その上にある丸い照明ともマッチしています。この照明も拘りの一つなんですよね。

渡邉:そうです。明るさの陰影感が柔らかい雰囲気の照明を選んでいます。形も丸みのある扁平型で、洋風すぎず、和のテイストも感じられ、将棋会館の雰囲気と調和していると感じています。
前田:ぼんぼりのような形と、柔らかい光が印象的です。

――あと、この壁もガラス張りの打合室からエントランスまでつながる格好でデザインされています。こちらについても少しお聞きしたいのですが。

渡邉:この壁のデザインは将棋の駒の形をモチーフにしています。ですが、ただ駒の平面的な形だけを取り入れているのではなく、将棋盤に駒を置いた時の駒の傾斜(※駒尻から駒の先端の山形部分「天」に向かってのなだらかな角度)も表現した意匠となっています。

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入り口エントランスのソファーの頭上にはぼんぼりのような照明で回りを照らしている。奥の木製壁部分が将棋の駒をモチーフにした作りとなっている。

――エントランスから打合室まで、壁が同一のデザインによって繋がっていますので、一体感と同時に奥行き感がありますね。

渡邉:おっしゃるように、奥行き感と、あと天井も広がりのある折り上げ形にしているので、空間的な広がりを感じさせるようなデザインになっており、部屋だけにとどまらない連続する要素を散りばめています。これには、将棋文化の歴史の長さや奥深さを、空間デザインに反映させたいという思いがありました。

――そして、向かい側の壁に寄付者銘板があります。どういう素材にするかですとか、どれくらいの大きさにするかとか様々検討しました。

渡邉:木(もく)の色味については、ロビーのエントランス空間は、栓(せん)という木材の色味で統一していまして、壁は本物の栓の木材を使っています。寄付者銘板の壁に合わせて、栓の木目の化粧シートを仕上げとして採用しているんです。栓は、棋具にも使われる木材です。
色味的にも重厚感のある色味で、少し落ち着いた黄色っぽい色味をしてるんですけど、それが将棋会館の歴史を感じさせるような、重みのある雰囲気を醸し出していてマッチしているかなと思います。
高級将棋盤の素材で榧(かや)がありますが、一般的に建材として使われることは少なく、流通量も少ないので、建材としても利用されるような木材で探した時に栓が選ばれました。

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記者室などの室名サインも、同じように栓の化粧シートを使っていたり、事務局エリアに入る自動ドアの周りの木格子も栓の木材を使用しています。

一方、対局室のロビーの内装で使用している木材はヒノキをメインに使っています。ヒノキの色味が上品且つ繊細で良いということで、採用されました。それぞれのエントランスで使う木材の種類を変え、特徴の違いを持たせています。

――それから、寄付者銘板の壁が事務エリア入口まで続きますが、この壁も風合いのある壁紙が使用されていますね。

前田:この壁もいろいろ検討を重ね、手触り感や素材感が感じられるものがいいんじゃないかということで採用されました。
グレーの中に濃い部分や、光が当たると少しキラッとして明るく見える部分など、表情に深みがあります。

――五感に訴えてくるようです。

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前田:このグレーは内装デザインのテーマの一つである四十八茶百鼠の多彩な深みをよく表現できたんじゃないかなと思っています。

【江戸色彩の妙と「心いきのみち」】

――そうですね。今丁度「色」の話が出ましたが、和の色彩を強く意識されたと思うのですけども、いかがでしょうか。

渡邉:おっしゃる通りです。関西(高槻)の将棋会館も同時に竣工するので、それと比較した時に、ヒューリック将棋会館は「東京らしさ」が感じられるデザインにしたいと考えました。それをどう表現していこうかとなった時、江戸の粋のデザインに辿り着きました。その「江戸の粋」ですが、江戸時代の庶民の着物の色に表現されたような、贅沢なものとか、華美なものが許されていなかった時代に、茶色や鼠色などの落ち着いた色味の中でグラデーションや、微妙な色合いの違い、模様で少しでもおしゃれを楽しむ、といった繊細な美意識を粋と呼んでいたそうなんです。

――そうなんですね。

渡邉:それらを四十八茶百鼠と呼び、その色彩感覚を内装デザインに取り入れることで、華美ではなく上品で、粋を感じることができる東京らしいデザインにしています。

――確かにおっしゃるように、色彩が多く、ヴィヴィッドな感じになると、日本の伝統文化である将棋とは、かけ離れてしまいます。かといって単純に色彩数が少なければいいかというとまたそれも違うかと思います。派手さはあるのですが、控えめな派手さと微妙な色彩の風合いの違いが上品で洒脱です。

渡邉:メインの色彩計画は茶色と鼠色のグラデーションで決めているのですけど、その中にちょこちょこ実はアクセントカラーも入れていて、例えばエントランスのトイレの突き当たりに使っているような赤茶色の壁などがそうです。これは、東京・将棋会館の外装の赤レンガ色をモチーフにした色にしていたり、あと光壁の色味も棋士、女流棋士が対局に向かう時にメラメラと闘志を燃やせる色ということで黄色を採用していたりします。これらは、東京らしさだけでなく、将棋らしさも色彩計画に反映させたい想いがありました。

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東京・将棋会館の赤レンガを彷彿させる色合いの壁

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ところどころ、館内の案内にピクトグラムが使用されており、こちらも将棋をイメージさせるものとなっている。

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エントランス突き当りの光壁。ガラスの裏面に和紙が貼られている。こちらは、下からの照明が壁の上部まで拡散するように内壁をやや手前側に斜めに傾けている。

――昔の人の色彩感覚というのは、凄いですね。しかも、同じ鼠色でも微妙な違いから、それぞれに全部名前がついている。お洒落です。そういった粋さがヒューリック将棋会館に溢れている。

――そして、事務局エリアの扉から長い廊下を歩いて対局室にむかっていく。ここの廊下は、名前がついていますね。

前田、渡邉:「心いきのみち」です。

――どれくらいですかね、30メーター近くありますね。ここも、拘りを持って設計された部分かと思います。そのコンセプトをを改めてご説明いただけますでしょうか。

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「心いきのみち」右側が事務室となっている。

前田:ヒューリック将棋会館は、玄関のエントランスロビーと対局室のロビーという2つのロビーがあるところが特徴的です。そして、2つのロビーの間に事務局エリアがあり、スタッフの動線としての要素がありつつも、この長い廊下を位置付けるかが課題でした。ここは実は設計部内もかなり議論をしました。結果、単なるスタッフの動線という機能だけではないのでは?という話になりました。対局者にとって、エントランスから対局エリアに向かっていく過程で、一度気持ちを落ち着かせ、いざ対局へ向かうぞ、というような、心いきを反映させるものが良いのではないかと、みんなで色々な案を持ち寄って、ああでもない、こうでもないと議論をしました。
それで、ここの長い廊下が何か参道のような、例えば、連続した鳥居をくぐっていくような空間になると良いのでは、という案が出て、最終的に今のような形になりました。床と天井のパターン模様が連続してどんどん奥に向かっていくようなデザインになっています。そのパターンデザインは、将棋の駒をモチーフにした斜めのパターン模様となっており、天井の照明も床パターンデザインに合わせて、斜めに埋め込んで入れてあります。

――そうですね、通常のタイルカーペットのように四角い形ががポンポンと張り合わせてあるのではなく、斜めに駒形カットされて張り合わされたデザインになっています。照明も床のカーペットにリンクするよう斜めに取り付けてありますね。
対局者は絶対に対局の時にここを通ってきますので、これから勝負に向かうという、まさしく名前の通り心意気を持つエリアですね。

前田:はい。ロビー空間に目が行きがちですが、この部分は全体のプランを構成する中では重要な役割を担っています。この空間の位置づけ、意味づけが決まったことで、私たちがシークエンスと呼んでいる空間全体の連続性が完成しました。

――そうなんですね!ヒューリック将棋会館を設計する際の最も重要なキーポイントだったのですね。この部分がベースになって、他の部分も合わせるような形で作られているのですね。従って、特別に名前もついているわけですね。

渡邉:特に天井の照明をフラットに納めて、床・壁・天井がまとまりや一体感のある見せ方にしたかったので、細かい納まりみたいなところもいくつも検討ました。

前田:照明を綺麗に納めるのは難しくて苦労しました。天井には排煙機能も必要で、照明と一緒に仕込まれています。できるだけコンセプトが明快に伝わるような形にしています。

――なるほど。デザインもさることながら、機能が落ちてしまうといけませんから、両立させなければならない難しさもありますね。

渡邉:出来上がってみた時に、駒の形をモチーフに使っているというだけでなくて、30メーター近くある廊下の奥行きも感じつつ、退屈にならないような見た目になっているかと思います。そういった意味ではすごく成功した計画かなと思います。

――それから、カーペットですが、こちらは特注品でしょうか。

前田:カーペットは既製品を使用していますが、これを1つ1つカットして、パターン張りといって、あのような形に貼り合わせています。

――1つ1つをカットしたというのは、ずいぶん手間がかかっていますね。

渡邉:事務局の中にも、同じように床のパターンを連続するように広げていることで、廊下と事務局の一体感が感じられる空間になっています。

――こちら(事務局)側はガラスですからね。連続性があり、廊下と繋がっているような感じになります。

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渡邉:そして、ガラス張りなので、事務局の中から、廊下を誰か通ったな、というのが何となく目に入ります。

――さて、廊下の突き当りの扉ですが、ここを開けると、いよいよ対局室に入るエントランスロビーになります。

渡邉:この扉は自動扉になりますが、塗装に結構拘っています。

見た目は真っ黒な塗装に見えるのですけど、少しざらっとした手触りのある塗装を使っています。もともとはあの将棋の駒にも使われる漆を使って塗装をすることも考えたのですが、将来的なメンテナンスも考えると、汎用性のある塗料で漆の代用できないか?ということになりました。いろいろな黒い塗装を探して、一番漆塗りというか、蒔絵のような、それに近い手触りの黒い塗装を探してきて、塗装しました。真っ黒ですが光が当たった時にすごく上品で深みのある表情を見せてくれます。手触りも含めて、繊細に映るものになっているかと思います。
さらに、これに関連して、扉のハンドルや対局室の襖戸の手掛けにも、この黒くて、ざらっとした手触りの素材のものを使用しています。

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――ここから先は、対局室の紹介となります。細部に至る造りやこだわりについてお話をお聞きしたいと思います。

後編では、対局室に入る第2のエントランスから対局室について詳しく記載をいたしておりますので、お楽しみに!

写真撮影=常盤秀樹

常盤秀樹

ライター常盤秀樹

日本将棋連盟の職員として将棋界を20年以上見てきた。タイトル戦中継に際してのITインフラの準備や設営に従事。その傍ら、対局写真や棋士、女流棋士の写真も数多く撮影。給料の多くがカメラやレンズ代に消える。

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