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感染性心内膜炎

最終更新日:2014年11月13日

感染性心内膜炎の予防のために

1.感染性心内膜炎とは

血液中にはいった細菌などが原因となり、心臓、大血管、弁に炎症を起こす病気です。感染症状として発熱、食欲低下、はきけ、頭痛、腹痛などを起こします。また心臓の中に「ゆうぜい」という病巣のかたまりかできると心不全、弁の逆流、塞栓症(脳梗塞・肺梗塞)などを合併しやすくなります。血液検査、心エコー検査なとで診断は比較的簡単につきますが、治療は抗生剤の長期大量投与をおこなうため、長期間の入院が必要です。時には心臓外科手術が必要となり、予防がとても大事です。単純な心房中隔欠損、川崎病の既往、および心室中隔欠損・心房中隔欠損・動脈管開存の根治術後6か月以上経過し残存短絡がない方はあえて予防する必要はありません。

2. 感染性心内膜炎の予防

  1. むし歯や歯肉炎のある口の中にはより多く細菌が増殖しています。ふだんから歯磨きやうがいの習慣をつけ、むし歯が出来にくいようにしましょう。かかりつけの歯科に定期的にみてもらいましょう。むし歯や歯肉炎が増えるため、喫煙はさけましょう。
  2. 個人でピアス・ホールを開けないようにしましょう。
  3. 出血を伴う歯科処置の際には予防的に抗生剤を投与してもらいましょう。処置直前のうがいも有効です。
  4. 抗生剤予防投与が必要な場合
    消化器や泌尿器の手術、扁桃腺の手術、化膿部の切開手術など
歯科処置
予防投与が必要抜歯、歯周外科手術、スケーリング(歯石除去)、ルートブレーニング、インプラント植立、歯牙再植、歯根端切除術、骨膜下局所麻酔注射
予防投与は不要充填処置、補綴処置、矯正装置の調整、口腔粘膜の局所麻酔注射、根管内の歯内治療、歯台築造、ラバーダム、縫合糸の抜糸、印象採得、フッ素塗布、口内法によるX線撮影、乳歯の自然脱落

5. 歯科、口腔、呼吸器、食道の手技、処置に対する予防法(2003年日本循環器学会のガイドラインに準ずる):
↓担当の歯科医(医師)に呈示して下さい。
対象抗菌薬投与方法
経口投与可能アモキシシリン(商品名:サワシリン)
  • 成人:2.0gを処置1時間前に経口投与
  • 小児:50mg/kgを処置1時間前に経口投与
経口投与不能アンピシリン(商品名:ビクシリン、ペントレックス)
  • 成人:2.0gを処置前30分以内に筋注あるいは静注
  • 小児:50mg/kgを処置前30分以内に筋注あるいは静注
ペニシリンアレルギーを有する場合アジスロマイシンあるいはクラリスロマイシン(商品名:ジスロマックまたはクラリス、クラリシッド)
  • 成人:500mgを処置1時間前に経口投与
  • 小児:15mg/kgを処置1時間前に経口投与
ペニシリンアレルギーを有して経口投与不能クリンダマイシン(商品名:ダラシン-S)
  • 成人:600mgを処置前30分以内に筋注あるいは静注
  • 小児:20mg/kgを処置前30分以内に筋注あるいは静注
セファゾリン(商品名:セファメジンα、ラセナゾリン)
  • 成人:1.0gを処置前30分以内に筋注あるいは静注
  • 小児:25mg/kgを処置前30分以内に筋注あるいは静注

6. 適切な予防処置をしていても,感染性心内膜炎が起こることがあります。原因不明の発熱が4日以上続く場合,また,何週間も熱が出たり下がったりする場合には血液検査が必要です。御連絡下さい。