持ってますか? 「マイボトル」|湘南藤沢キャンパス事務長 中峯秀之 | 慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC)
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2024.09.10

持ってますか? 「マイボトル」|湘南藤沢キャンパス事務長 中峯秀之

暑い夏、暦の上では残暑ということになりますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。大学は今月末までが夏季休校期間となる一方で、湘南藤沢中等部・高等部では一足早く2学期がはじまりました。
さて、今回のおかしら日記では、キャンパスで欠かせない存在になりつつある"ウォーターサーバー"について書かせていただきたいと思います。

2020年から3年間に渡って続いたコロナ禍は私たちの生活にさまざまな変化を生むこととなりました。その一つが、キャンパス内に設置されていた給水機の稼働停止です。キャンパスではコロナ禍が始まった当初から給水機に使用不可の案内を出し、利用を中止してきました。そして、コロナ禍が明けても再稼働は進まない状況がありました。これは給水機をずっと稼働停止していたことで大掛かりなメンテナンスを行わないことには稼働が難しいこと、そして給水機に口を近づけて水を飲むというスタイルを敬遠する傾向が強まったことが挙げられます。
その一方で、SDGsの観点から「マイボトル」を携行し、ペットボトルの利用を減らしていこうという考え方が叫ばれるようにもなってきました。湘南藤沢キャンパスでは、研究室フロア、事務室フロアを中心に数年前から"ウォーターサーバー"を設置してきており、教職員の間で利用が進んできている状況がありました。しかし、塾生のみなさん向けには上記した給水機の提供のみ、しかも稼働停止により利用できない状況が続いていました。

慶應義塾では「すべての学部を対象に選抜した学生が、SDGsを実現するための慶應義塾のヴィジョン・目標・ターゲットを提言することを目指す」ために、「塾生会議」というものを2022年度からスタートしました。

◆2022塾生会議

すべての学部から集まった塾生のみなさんが、SDGsの観点から議論を行いました。そして、2023年1月11日の最終提言発表会で幾つかの提言が出され、この提言の実施可能性について塾内のそれぞれ関連する部門にその実現に向けた投げかけがなされました。

その提言の一つとして、以下の目標が掲げられています。

 "2030年までに、ウォーターサーバーをキャンパス内の全ての施設に設置する"

この目標が「協生環境推進室」に届きました。ここでいきなり登場した「協生環境推進室」についてご紹介しておきましょう。「協生環境推進室」は、2018年4月に「教職員・学生・生徒・児童が、互いの人格を尊重し多様な価値観を認め協力して生きるための環境を構築し、多様性の受容に関する課題に迅速に対処する」という目的の下に設置された組織で、「ワークライフバランス」、「バリアフリー」、「ダイバーシティ」に関する事業推進を通じて、我が国における協生社会の形成を先導することを担うことを目的に活動しています。

◆協生環境推進室Webサイト  

私は同室の事務長代理を兼務しているのですが、この「塾生会議」の提言は今の時代にとても大切なものであり、是非とも早期の実現を図るべきものであると考えました。そして、この「塾生会議」の提言を活かすべく、「地球環境との"協生"」という言葉を用意し、「協生環境推進室」の取り組みの一つとして"ウォーターサーバー"設置に向けた活動を開始することになりました。

まず行ったのは各キャンパスへのウォーターサーバーの試行設置(各キャンパスに1台から2台)です。2023年7月から12月末までと期限を区切って実施、塾生のみなさんの意見をアンケートという形でヒアリングすることとしました。湘南藤沢キャンパスにはΩ館、κ館、そして看護医療学部校舎にそれぞれ1台ずつを設置しました(この設置場所は元々給水機が設置されていた場所です)。詳細は以下のWebサイトをご覧いただきたいと思いますが、これは慶應義塾として今まで行ったことのない取り組みであり塾内でも注目を集めました。


◆「マイボトル」ではじめる「地球環境との"協生"」!
◆Xへの投稿 塾生注目 秋学期は #マイボトル を持って授業に出席しませんか?

さらに、"ウォーターサーバー"の設置について広く周知するにはもう一歩踏み出した動きが必要だと判断しました。考えたのが、「マイボトル」を配布し、「スタンプラリー」を行うことで"ウォーターサーバー"の存在を積極的に周知するイベントの開催です。冷却性より携帯性を重視した「マイボトル」の選定と、慶應オリジナルのデザイン印字を考え、出来上がった「マイボトル」を「塾生会議」のみなさんと一緒に配布を行いました。




次に「スタンプラリー」を実施しました。当初、"ウォーターサーバー"の横にゴム印と朱肉を置いて、それを毎週所定用紙に押してもらうという方法も考えましたが、ゴム印、朱肉の管理の問題、そしてイベント終了後の集計の負荷を考え、今の時代にあった方法を考え出しました。それが、QRコードが印刷されたポスターをウォーターサーバーの近辺に張り出し、そのQRコードから所定画面にアクセスし学籍番号を登録するという方法です。これを週1回、4週間続けて行う(毎週異なるQRコードが印刷された新しいポスターを掲出)ことでスタンプを4個集めて(学籍番号を4週にわたって登録する)いただきます。スタンプ4個を集めるハードルはそれなりに高いようで、初週に全体で800名以上のスタンプが押された一方で最終的には300名程度まで登録者は減りました。とは言え、数多くの塾生のみなさんがこの企画に参加いただいたことは間違いなく、とても意義のある取り組みになったと思います。なお、スタンプを4個集めた(4週にわたって学籍番号を登録した)塾生のみなさんの中から抽選で素敵なプレゼント(Keio Univ. ロゴ入りスウェットパンツなどから選択)をお渡ししました。このプレゼントも「塾生会議」のみなさんとあれこれ相談して決定したものです。

◆「マイボトル」を持って「スタンプラリー」に参加しよう! 
◆Xへの投稿 マイボトル配布案内

● スタンプラリー2023で掲出したポスター4種




なお、この「スタンプラリー」ではアンケートも同時に実施し、"ウォーターサーバー"の必要性が強く認識されることとなりました。この結果を踏まえ、各キャンパスに常設として "ウォーターサーバー"を新たに本設置することが決まりました。「塾生会議」の提言にある「全ての施設」とまではいきませんが、各キャンパスとも塾生のみなさんが利用される建物の多くに"ウォーターサーバー"がそれぞれ設置されたことになります。湘南藤沢キャンパスでは、新たにΣ館、Μ館、体育館(Γ館)に設置しました。

また、夏に向けて水を飲む需要が大きく高まることを見越して、この設置の広報を兼ねて2024年6月に、再度「マイボトル」の配布と「スタンプラリー」を実施しました。前回の反省を踏まえた議論を「塾生会議」のみなさんと行い、「マイボトル」の選定(前回と品物は同じですが、文字デザインはペンマーク入りの新たなものに変更)と配布、そして、「スタンプラリー」を実施しました。素敵なデザインのポスターは前回同様、「塾生会議」に参加されている学生さんに作成いただいています。


◆「マイボトル」を持って「スタンプラリー2024」に参加しよう! 
◆Xへの投稿 マイボトル配布案内「昨秋大好評 あのキャンペーンが帰ってくる!」 
◆Xへの投稿 「マイボトル」の配布 - 湘南藤沢キャンパス   

● スタンプラリー2024で掲出したポスター4種




以上、全キャンパスでも数台あるかないかという状況にあった"ウォーターサーバー"ですが、わずか1年の間に全キャンパスで数十台という規模に拡大設置することができ、湘南藤沢キャンパスにおいても「マイボトル」を携行されている塾生のみなさんを多々目にするようにもなりました。もちろん、かく言う私にとっても「マイボトル」は欠かせない相棒です。暑い夏には冷水をボトルいっぱいに注いで喉を潤し、また給水して...ということを繰り返しています。

さて、このイベントでひとつ知ったことがありますので、最後にご紹介させていただきましょう。それは、上記で「冷水を...」と書かせていただきましたが、アンケート結果では「私は常温水です!」という方が多数いらしたことです。職員の同僚にも聞いてみましたが「常温水派」の方は「冷水派」の方と同じくらいいらっしゃるようです。これは私にとってはとても驚きの事実でしたが、胃腸への負担を考えると夏場であっても「常温水」という選択の方が身体には良いようです。もちろん、各キャンパスに導入した"ウォーターサーバー"では、「冷水」、「常温水」どちらでもボタン一つで切り替えができます。それぞれの好みに応じて利用していただければと思います。

ということで、今回のおかしら日記は2023年の夏から1年をかけた、"ウォーターサーバー"普及への取り組みについて触れさせていただきました。

残暑はまだまだ続きそうです。あなたもこれを機に「マイボトル」を持ちませんか?