世界遺産は、政府や国際機関によるいくつもの手続きや調査を得たうえで登録されます。
世界遺産委員会 (World Heritage Committee)
世界遺産条約締約国の中から選ばれた21カ国によって構成される委員会で、世界遺産リストや危機遺産リストを作成している。また、登録された遺産のモニタリングや保護を支援し、世界遺産基金を用いて援助を行っている。
ユネスコ世界遺産センター(UNESCO World Heritage Center)
1992年にパリのユネスコ本部内に設置された、世界遺産委員会の事務局。世界遺産委員会開催のための事務作業や、締約国への技術・情報提供、世界遺産基金の運営などを行っている。
ICOMOS(International Council on Monuments and Sites)
国際記念物遺跡会議。1965年に設立された非政府国際機関で、推薦された文化遺産に対し、調査に基づいて専門的評価を行い、世界遺産委員会に協力している。
IUCN(International Union for Conservation of Nature and Natural Resources)
国際自然保護連合。1948年に各国政府、国際団体、民間自然保護団体が参加して設立された、自然環境保全に関する国際的な連合体。推薦された自然遺産に対し、調査に基づいて専門的評価を行い、世界遺産委員会に協力している。
ICCROM(International Center for the Study of Preservation and Restoration of Cultural Property)
文化財の保存及び修復の研究のための国際センター。1959年に発足した政府間機関で、文化財の保存および修復の学術的・技術的問題に関する研究や助言を行い、技術者の養成、修復作業の水準向上に援助を行っている
(i):人類の創造的資質を示す傑作。
(ii):建築や技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展において、ある期間または世界の文化圏内での重要な価値観の交流を示すもの。
(iii) :現存する、あるいは消滅した文化的伝統または文明に関する独特な証拠を伝えるもの。
(iv):人類の歴史上において代表的な段階を示す、建築様式、建築技術または科学技術の総合体、もしくは景観の顕著な見本。
(v):ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落や土地・海上利用の顕著な見本。または、取り返しのつかない変化の影響により危機にさらされている、人類と環境との交流を示す顕著な見本。
(vi):顕著な普遍的価値を持つ出来事もしくは生きた伝統、または思想、信仰、芸術的・文学的所産と、直接または実質的関連のあるもの。(この基準は、他の基準とあわせて用いられることが望ましい。)
(vii):ひときわ優れた自然美や美的重要性をもつ、類まれな自然現象や地域。
(viii):生命の進化の記録や地形形成における重要な地質学的過程、または地形学的・自然地理学的特長を含む、地球の歴史の主要段階を示す顕著な見本。
(ix):陸上や淡水域、沿岸、海洋の生態系、また動植物群集の進化、発展において重要な、現在進行中の生態学的・生物学的過程を代表する顕著な見本。
(x):絶滅の恐れのある、学術上・保全上顕著な普遍的価値を持つ野生種の生息域を含む、生物多様性の保全のために最も重要かつ代表的な自然生息域。