山武市成東中央公民館
職員
今関 美恵子氏
―― 2013年9月から世界遺産アカデミー認定講師の片岡英夫さんを講師に「世界遺産講座」を開催。実施された背景や、反響について教えてください。
千葉県山武市では「生涯学習振興計画」のもとさまざまな市民講座を開設しています。地元の方を講師にお迎えし、教養系の講座を充実させたいと考えていた折、当地ご出身の片岡英夫先生と知己を得たのです。片岡先生を講師にお迎えしたいと考え、準備をして「世界遺産講座」開講にこぎつけました。広報紙、HPなどで受講者を応募したところ大反響で10名の定員がすぐに満席になりました。そこで20名に拡大したのですが、それでもキャンセル待ちがでるほどでした。講座は全10回で、月1・2回のペースです。受講者は仕事をご勇退された方、主婦の方が中心。最年長は80歳を超えていらっしゃいます。「参加型」の講座は毎回大盛り上がりで、出席率も抜群でした。ひとえに片岡先生の世界遺産アカデミー認定講師としての知識に裏打ちされたお力によるものだと感謝しています。
―― 団体受検も実施され受検者全員が合格されました。検定を実施した経緯や100%合格の要因を教えてください。
受講開始から約1ヶ月後、片岡先生から世界遺産検定の話がありました。受講生の反応は前向きで、6名が受検を決めました。勉強期間は約1ヶ月ありましたが、先生が受検対策の特別講座を開いてくださいました。甲斐あって全員3級に合格、講座の教室と試験教室が一緒だったことも良かったようですが、成熟層の方の「学びのパワー」を改めて実感しました。「検定に挑戦して3級を取得した」という目に見える成果は、講座を継続させ発展させることに役立つと思います。まもなく講座が終了しますが、来年度ももちろん開講予定です。
講座の卒業生は「クラブ活動」という形で自発的に活動をすることになっています。検定の2級に挑戦したいという方もいらっしゃいますし、どの方も「世界遺産の学びを通じて、地元の良さを見出し発信していきたい」と意欲をもっておられます。市民が主体の「地域に根ざした生涯学習」の理想形が現出できるのではないかと、大いに期待をしています。
講師 片岡英夫さん (世界遺産検定マイスター、世界遺産アカデミー認定講師)
―― 世界遺産講座はいかがでしたか。
世界遺産の知識を通じ、故郷に貢献したいと思っていた私にとって、この講座は最高の機会でした。「それぞれの土地が育んだ歴史、文化、自然の結晶である世界遺産の学びを通し、故郷の魅力を改めて知り、守り、伝えていくことにつなげたい」と考え、地元の話題なども織り交ぜて、受講生を巻き込みながら、楽しく世界遺産の意義などを伝えることを心がけました。検定受検に関しては、年齢に関わらず、「目標」を持って学ぶということが、生活や人生を豊かにするのだ、と改めて感銘を受けましたね。みなさんいつも積極的で質問も多かったです。今後もこの講座をよりよいものにしていくとともに、講座の卒業生と連携し、知恵を出し合いながら、学んだ知識を発信していきたいと楽しみにしています。
(2014年1月)