ECサイトの構築方法/種類や費用相場・立ち上げの手順も解説 | EC通販・物流代行【スクロール360】
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ECサイトの構築方法/種類や費用相場・立ち上げの手順も解説

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ECサイトの構築方法/立ち上げの手順

お店の集客アップをしたい、自社商品をより多くの人に知ってほしいと考えている方のなかには、ECサイトの立ち上げ(構築)を検討している方もいるのではないでしょうか。

ECサイトを制作することで、時間や場所といった制約を受けずに利便性の高い販売が可能です。実店舗よりもコストを抑えた運営ができるため、ユーザーに対してオンラインならではのアプローチも可能です。

本記事では、ECサイトの構築方法や種類、費用相場、立ち上げの手順を解説します。ECサイト構築を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

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ECサイトの構築方法の種類

ECと書かれた青色のブロック(イメージ)

ECサイトの構築方法は、大きく分けて「ECモール」と「自社ECサイト」があります。
それぞれのメリットやデメリットを把握し、自社に適した方法を選択しましょう。

種類 特徴
ECモール 既存のECプラットフォームに出品・出店するする形態
自社ECサイト 独自でドメインを取得して構築・運営する形態

ECモール|複数の企業が出店するオンラインモール

ECモールとは、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングのように、ひとつのプラットフォームに商品を出品したり、ショップを出店したりするモール型サイトを指します。
メリットとデメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
・集客力がある
・比較的手軽に販売をはじめることができる
・低コストで出店できる
・出店や運営に手数料がかかる
・モール型サイトの運営ルールに従う必要がある
・競合との差別化が重要になる

ECモールはサイト自体の認知度が高いため、集客力が高い点がメリットです。モール型サイトによって形態は異なるものの、たとえばAmazonの場合は商品を登録するだけで手軽に販売をはじめることができるため、ほかの構築方法と比べてすばやい立ち上げが可能です。

一方で、ECモールの運営や出店に手数料がかかる点がデメリットです。出店費用や販売手数料などが発生するため、初期費用やランニングコストに注意しなければいけません。

また、比較的手軽に出品・出店できることから、競合との差別化が非常に重要です。他社よりも魅力的な商品ページをつくったり、広告を出稿して集客を強化したりするなど、自社を選んでもらえる工夫が必要になります。

自社ECサイト|独自ドメインで構築・運営するプラットフォーム

自社ECサイトとは、独自のドメインを取得してECサイトを構築・運営する方法を指します。
メリットとデメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
・オリジナリティを表現しやすい
・ユーザー情報を戦略的に活用できる
・オープンするまでに時間がかかる
・集客対策が欠かせない

自社ECサイトは、サイトの目的や施策に合わせて自由に構築できる点がメリットです。デザインや機能を必要に応じて導入できるため、自由度の高い構築やカスタマイズが可能です。

一方で、システムの選定や導入、決済方法の実装など準備が必要な項目が多く、サイトの構築が完成するまでに時間を要します。オープンの予定が既に決まっている場合は、スケジュールを逆算して早め早めに作業を進めなくてはいけません。

また、構築完了してオープンしただけでは、ECモールのような認知度や集客力がないため、対策が必要不可欠です。オウンドメディアやSNSなどを活用して積極的に発信し、自社ECサイトを周知しましょう。

自社ECサイトの構築システム5つの種類

ECサイトのショッピングカート(イメージ)

自社ECサイトで販売をはじめたい場合は、ECサイトを構築する必要があります。

ECサイトの主な構築システムは以下の5つです。それぞれの方法の特徴を理解し、目的にあった構築システムを選びましょう。

種類 特徴
ASP 構築・運営に必要なサービスをレンタルできるサービス
パッケージ型 構築に必要な機能がパッケージ化されたシステム
オープンソース型 ソースコードを使って構築するシステム
クラウドEC型 プラットフォームを利用して構築するシステム
フルスクラッチ型 ゼロから設計とプログラミングをして構築するシステム

ASP|必要なサービスをレンタルする方法

ASPとは、ECサイトの構築・運営に必要なシステムをレンタルできるサービスを指します。
メリットとデメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
・立ち上げに必要な時間が短い
・自動でバージョンアップされる
カスタマイズの自由度が低い

ASPは、テンプレートや機能などがあらかじめ用意されているため、セキュリティやサーバーに関する知識がなくても手軽にはじめられる点が特徴です。アップデートも自動でおこなうため、自社で対応する必要はほとんどありません。

一方で、カスタマイズに制限があり、自由度が低いといったデメリットがあります。機能も用意されている範囲でしか使用できず、独自性を出したい場合には不向きです。

パッケージ型|パッケージ化されたシステムを元に構築する方法

パッケージ型とは、ECサイトに必要な機能がパッケージ化されているシステムのことを指します。メリットとデメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
・機能やデザインをカスタマイズできる
・サポートが充実している
・セキュリティリスクに強い
・初期費用や月額費用が高い
・構築に時間がかかる

パッケージ型はゼロから構築する必要がなく、用意された機能やデザインを自由にカスタマイズできる点が特徴です。独立した自社システムとして構築できるため、制限なく機能の拡張や追加が可能です。

また、基本的にシステムのソースコードを開示をしていないため、外部に対するセキュリティが強固です。情報漏洩やウイルス被害などのトラブルが起きたときのサポートも充実しており、自社対応の負担を軽減できます。

一方で、初期費用や月額費用は比較的高い傾向があります。構築には、システム開発やセキュリティなど専門的な知識も求められ、自社ECサイトをオープンするまでには時間がかかりやすくなります。構築にかかる費用や時間を想定したうえで、計画的に準備を進めましょう。

オープンソース型|ソースコードを使って構築する方法

オープンソース型とは、無料で公開されているソースコードを使ってECサイトを構築するシステムを指します。メリットとデメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
・ライセンス費用がかからない
・独自性のあるサイトを構築できる
・高度なプログラミング知識が求められる
・セキュリティリスクが高い

ほかの構築方法に比べてコストを抑えやすく、カスタマイズ性が高い点が特徴です。ECサイトの構築にかかるライセンス費用も発生しないため、ほぼ無償で構築できます。

一方で、ベンダーによるサポートや保守サービスはなく、自社でのセキュリティ対策が必須です。構築には高度なプログラミング知識を要するため、高度な知識と技術力が求められるため、自社で対応できない場合は専門的な人材の採用やアウトソーシングを検討する必要があります。

クラウドEC型|プラットフォームを使って構築する方法

クラウドEC型とは、クラウド上にあるプラットフォームを利用してECサイトを構築するシステムを指します。メリットとデメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
・高機能で拡張性に優れている
・システムが自動でアップデートされる
ASPに比べるとコストがかかる

クラウドEC型は、自社でサーバーを用意する必要がなく、アップデートも自動でおこなわれる点が特徴です。セキュリティやシステムに関する専門知識がなくても構築できます。

一方で、共通点の多いASPと比べて、月額の利用料が高い点がデメリットです。費用はかかるものの、ASPよりも拡張性が高いため、必要な機能やデザインをカスタマイズしたい場合は、クラウドEC型を選ぶとよいでしょう。

フルスクラッチ型|ゼロから構築する方法

フルスクラッチ型とは、ゼロから設計とプログラミングをおこない、自社ECサイトを独自開発するシステムを指します。メリットとデメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
・希望通りのサイトを構築できる
・カスタマイズ性が高い
・構築までに時間とコストがかかる
・システム開発に関する知識とリソースが求められる

既存のシステムを使用しないため、技術的な制限がない点が特徴です。カスタマイズ性も高く、自社のコンセプトや目的に合わせたECサイトを構築できます。

一方で、ゼロからサイトを設計するため、初期開発に多くの時間とコストを要する点がデメリットです。システム開発に関する専門知識が欠かせないため、専門的な人材や十分な工数の確保も必要になります。

ECサイトの構築システムを選ぶ3つのポイント

ECサイトの構築システムを選ぶときは、以下3つのポイントが重要です。
ポイントをしっかり押さえて、自社に合って構築システムを選定しましょう。

ECサイトのショッピングカート(イメージ)
  • 売上規模にあっているか
  • 必要な機能が備わっているか
  • セキュリティ面やサポート体制は充実しているか

売上規模にあっているか

自社の売上に見合わないシステムを選んでしまうと、コストばかりがかかって利益が出にくい状況になるおそれがあるため、規模にあったシステムを選びましょう。

小規模の事業者には、自社サーバーを用意する必要がなく、構築や運用の手間・コストが少ないASPがおすすめです。機能やカスタマイズ性を重視したい場合は、クラウドECのほうが相性がよいでしょう。

一定以上の売上が見込める中規模以上の事業者は、カスタマイズ性とサポートに優れたパッケージ型を検討してみてください。強固なセキュリティも備わっているため、万が一のリスクにも対策が可能です。

人材と資金など十分な開発リソースを確保できる大規模の事業者は、柔軟にECサイトを構築できるオープンソース型やフルスクラッチ型が適しています。

必要な機能が備わっているか

流行の移り変わりが早い現代では、ECサイトもトレンドにすばやく対応する必要があります。検討している構築システムに必要な機能が備わっているか、機能を追加できる柔軟性をもっているかをチェックしましょう。

拡張性や柔軟性に優れているのは、パッケージ型やフルスクラッチ型です。一定以上の売上が見込める場合は、顧客や商品の管理ができるバックエンド機能が充実しているものも検討してみてください。

セキュリティ面やサポート体制は充実しているか

ECサイトでは多くの個人情報を取り扱うため、情報漏洩が起こらないようにセキュリティ面を念入りに確認しましょう。

構築システムやサービスを提供するベンダーによって、セキュリティ対策は異なります。なかでも、オープンソース型にはサポートがついていないため、状況によっては自社で対応しなくてはなりません。

安心して利用できるECサイトは、顧客満足度の向上にもつながります。ユーザーの信頼を損なわないためにも、セキュリティが万全な構築システムを選びましょう。

ECサイト制作・立ち上げの始め方【7ステップ】

ECサイトの制作手順は、以下の7つです。
手順をしっかり把握し、自社の目的に合ったECサイトを構築していきましょう。

ECサイトの成長イメージ(イメージ)
  1. コンセプトと要件を固める
  2. ECプラットフォームやベンダーを選定する
  3. 決済方法を選定する
  4. サイトのデザインを制作する
  5. 商品登録・諸設定をおこなう
  6. テスト注文をおこなう
  7. オープンする

コンセプトと要件を固める

最初に、何のためにECサイトを制作するのか、誰に向けて商品を販売したいのかなど、目的やターゲットを決めていきます。

コンセプトを決めるのは、ECサイト構築においてもっとも重要な項目です。コンセプトが明確に定まらないと、構築の過程で目的にズレが生じたり、ターゲットに刺さらないECサイトができたりするおそれがあります。

実際の予算や業務フロー、スケジュールなど条件も考慮しつつ、ECサイト構築の要件を固めていきましょう。

ECプラットフォームやベンダーを選定する

コンセプトを実現できるECプラットフォームが明確になったら、自社の要件を実現できるベンダーをいくつかリストアップして相見積もりを取りましょう。

ベンダーによって初期費用や利用料、サポート体制が異なります。必ず複数のベンダーから詳細を聞き、費用対効果を見込めるかどうかを確認しておくことが大切です。

スムーズに比較するためにも、ベンダーの選定基準を設けてから見積もりをとりましょう。

決済方法を選定する

ECサイトの運営には、決済手段の豊富さも重要なポイントです。せっかく商品を購入しようと思っても、ユーザーの求める決済方法がなければ途中で離脱する可能性が高くなります。

ECサイトを構築する際は、ユーザーの求める決済手段を幅広く用意しましょう。ユーザーのニーズに合った決済手段があることで、カートに商品を入れたままECサイトを離脱する「カゴ落ち」を防ぎやすくなります。

サイトのデザインを制作する

サイトのデザインは、ブランドイメージやオリジナリティを反映させるだけではなく、回遊性を高めることが重要です。見た目の美しさはもちろん、商品ページから購入までの導線を設計し、スムーズにショッピングできるデザインを心がけましょう。

設定したコンセプトや企業のイメージを表現しつつ、ユーザーにとって利便性の高いサイトを目指すことがポイントです。ECサイトの顔ともいえる部分であるため、デザインには十分な予算を確保してクオリティを高めましょう。

商品登録・諸設定をおこなう

販売する商品の画像や説明文を作成し、カートシステム上に登録していきます。

実際に商品を見ることができないECサイトでは、画像上での見せ方が大変重要です。照明や商品を置く台、背景などにこだわり、角度を変えて複数枚の画像を登録しましょう。

説明文には商品の質感や使用感など、視覚以外の説明を加えてアピールすると効果的です。また、商品データの作成には時間と手間がかかるため、スムーズに販売をはじめられるように、あらかじめ作業時間を見込んでから登録・設定作業の計画を立てましょう。

テスト注文をおこなう

実際にユーザーと同じ動線をたどりながら注文し、システムが問題なく動作するか、スムーズに受注できるかどうかのテスト注文をおこないます。決済から配送完了までのデータ処理が正しくおこなわれているかも必ず確認しましょう。

ECサイトは決済会社や物流倉庫、コールセンターなどさまざまな企業との連携によって成り立っています。それぞれにミスがないか、スタッフの動きに問題がないかも確認し、テストを進めましょう。

オープンする

テスト注文で問題がなければ、念願のオープンとなります。

オープンしたからといって自然と商品が売れるわけではありません。自社ECサイトの場合は、事前にSNSでの告知やプレスリリースを打つなどして、多くの人に認知してもらう必要があります。

また、オープン後に返品や返金対応などトラブルに見舞われることも少なくありません。何かあったときに早急に対応できるよう、社内マニュアルの作成やベンダーとの情報共有など対応準備も進めておきましょう。

ECサイト構築にかかる費用の相場

ECサイトを構築する方法によって、初期費用や月額費用が異なります。

ECサイト構築の費用(イメージ)

同じASP型でも費用に違いがあるため、構築方法だけではなく、ベンダーやサービスを慎重に比較・検討する必要があります。

ECサイトの構築にかかる費用の相場は、以下の通りです。

構築方法 初期費用 月額費用
ECモール型 ~数万円 ~10万円 ※別途販売手数料が発生
有料ASP ~20万円 ~10万円
無料ASP 0円 0円(手数料は除く)
パッケージ 500万円~ 10万円~
オープンソース 0円(制作費等は除く) 10万円~
クラウドEC 300万円~ 10万円~
フルスクラッチ 数千万円~ 数十万円~

自社の予算を考慮したうえで、目的にあったECサイトを構築できる方法やシステムを選びましょう。

ECサイトを構築する際の4つの注意点

ECサイトを構築する際に気をつけるべき注意点は、以下の4つです。
注意点を押さえて、ECサイトの構築や運営の準備を進めましょう。

ECサイトのショッピングカート(イメージ)
  • デザインや見た目ばかりにこだわらない
  • 初期費用を含めたトータルコストを把握する必要がある
  • トラブルや課題への対応が求められる
  • 定期的なアップデートが必要になる

デザインや見た目ばかりにこだわらない

競合との差別化を意識するあまり、凝ったデザインにこだわりすぎて使いやすさを疎かにしてしまうケースがあります。

ECサイトを訪れるユーザーは、サイトを見にきているのではなく、買い物を目的とした消費者です。どのような商品やサービスがあるかが一目でわかり、ユーザーが求めている商品をスムーズに購入できるECサイトを構築しましょう。

初期費用を含めたトータルコストを把握する必要がある

あらかじめ自社が目標とする事業規模と、ECサイトの構築にかけられる予算を設定しておくことが大切です。

予算の設定が不十分だと、初期費用がかさんで運用に十分なコストをかけられなかったり、オープン後にランニングコストが利益を圧迫したりすることで、ECサイトのプロジェクト自体が頓挫するおそれがあります。

初期費用とランニングコストの両方を想定し、ECサイトの立ち上げを検討する段階からトータルコストを把握しましょう。

トラブルや課題への対応が求められる

ECサイトを構築するうえで、顧客対応に伴うトラブル、集客力やリピート率の低下といった課題はつきものです。トラブルや課題が起きたときの対応方法や、事前の対策が重要になります。

たとえば、作業ミスの改善には、作業手順の調整やマニュアル化などが効果的です。
集客力を上げたいときは、Web広告やSNSを活用して自社商品の認知度を高める必要があります。リピート率の向上には、商品の提案やアフターフォローを通して顧客満足度を上げることを意識しましょう。

定期的なアップデートが必要になる

ECモール型やASP型などは自動で最新の状態にアップデートされますが、そのほかのシステムは自社でアップデートをおこなわなければなりません。

一度構築したままアップデートを怠ると、ECサイトは古いままになってしまいます。機能の利便性が損なわれ、セキュリティ面が弱くなると、ユーザーにとって使いにくいECサイトになるおそれがあります。

ECサイトにもトレンドがあるため、顧客のニーズに合わせて定期的にアップデートをおこないましょう。

まとめ:ECサイトを構築して集客と売上アップを目指そう

ECサイトの構築には、ECモールに出品・出店する方法と、独自で自社サイトを構築する方法があります。自由度の高さや出店の手軽さなど、それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社に適した方法を選択しましょう。

また、運営トラブルに備えて、事前に社内マニュアルを作成したり、システム会社と連携したりすることも大切です。ECサイトを運営するうえで、人員確保や品質維持などの課題がある場合には、アウトソーシングも検討してみてください。

当社では、ECの立ち上げ支援や運用支援サービスを提供しております。幅広い業務に対応しておりますので、ECサイトの立ち上げや運営でお困りの方はぜひ一度お問合せください。

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