首相、原潜保有に慎重 維新は導入主張 9党首がテレビ討論会 - 産経ニュース

首相、原潜保有に慎重 維新は導入主張 9党首がテレビ討論会

与野党9党の党首は19日、フジテレビ番組の討論会に臨んだ。岸田文雄首相(自民党総裁)は防衛力強化を巡り、原子力潜水艦の保有に慎重な姿勢を示した。立憲民主党、公明党も否定的な見解を示し、共産党、れいわ新選組、社民党は反対した。一方、日本維新の会、NHK党は導入を主張。国民民主党も検討すべきだと訴えた。

首相は防衛力強化の必要性を唱える一方、「いきなり原潜にいくのはどうかという思いだ」と指摘。原潜保有が困難な理由として、原子力基本法で原子力の平和利用が定められている点や運用コストの高さを挙げた。「相手の原潜に対して対応がしっかり用意されている。国民の命や暮らしを守るため、優先すべきものを考える」と語った。

立民の泉健太代表は「豪華なものがあれば強くなるという話ではない」、公明の山口那津男代表は「現実的ではない」と述べた。

共産の志位和夫委員長は「軍事対軍事の悪循環に陥る」、れいわの山本太郎代表は「日本が攻撃されるリスクを負う」と反対理由を述べた。社民の福島瑞穂党首は「どんどん軍拡していくのは問題だ」とした。

これに対し、維新の松井一郎代表は「抑止力強化のために性能の高いものを持つべきだ」と言明。NHK党の立花孝志党首は「中国に対して、しっかりした防衛力を持たないと国民を守れない」と力説した。

国民の玉木雄一郎代表は「警戒監視と偵察能力が大事で、原潜なら3、4カ月潜っていられる。原潜だけでなく、新しい技術の導入を検討すべきだ」と話した。

首相は、国内総生産(GDP)比2%以上を念頭にした防衛費増額を盛り込んだ自民党公約に関し「積み上げを行った上で、予算と財源のセットで考えていく」と言及した。

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