「生粋テキサス人は、テキサスのことをアメリカ合衆国の州と言うよりは別格の共和国のように思っていて、自分がテキサス人であることを誇りに思っている」というような話をしたけど、
今回オースチンにあるThe Bullock Texas State History Museumというテキサス州歴史博物館に行って歴史を学び直したら、どうしてそうなったのかめちゃくちゃ納得したから書き残しておきたい。
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The Bullock Museumでは、1階が一番古い時代の展示、最上階が現代の文化や技術の展示になっていて、上に上がって行きながらテキサスの歴史の流れを詳しく学べるようになっている。
ここで学んだテキサスの歴史を超ざっくり説明すると、
- もともとアメリカの原住民が住んでいたところにスペインやフランスがやってきて植民地化を試み、現地民が抵抗
- やがてスペインに占領されていたメキシコが独立し、その一部としてテキサスもメキシコ領に
- メキシコがテキサスの支配強化のためテキサスに人をたくさん入植させようとする
- その流れでスティーブン・オースチン*2がアメリカ人によるテキサス入植を進める
- そこからテキサス住民*3によるメキシコに対する反乱が始まる
- これを鎮圧するため遠征してきたメキシコ軍とアラモの戦い(大敗)やサンジャシントの戦い(勝利)を経て、テキサスが独立しテキサス共和国に
- この後、テキサス共和国がアメリカ合衆国に28番目の州として加盟
という感じ。
つまり、テキサス民は、もともとの出身がどこであれ、一旦テキサス民となったらずーっと自分たちの自由のために命をかけて戦ってきてるんである。
当時はテキサスとは別の国だったが自分たちも独立戦争を経て自由を勝ち取ったという歴史があるアメリカからも、アラモの戦いでは自由のために戦う趣旨に共感してたくさん志願兵が集まってきている。有名なディビッド・クロケットもその一人。
こういうのを改めて学び直したら、そりゃあテキサス人は「ワシらテキサス共和国じゃけん」精神になるでしょ、とすごく納得した。
あと、アメリカでは昔から銃規制問題があって、乱射事件でどれだけ死者が出ても規制反対派が全然折れなくて賛成派がキレてるという状況なんだけど、こういう歴史を見ると、なぜテキサスでは銃を捨てるなんてあり得ないと思っている反対派が多いのかも理解できるわ、と思った。
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テキサス民がずーっと自分たちの権利のために戦ってきた様子を見て、もう1つ思ったことがあった。
いかに日本人が自分たちのために戦わない民族であるか、ということ。
歴史を遡っても、基本的に日本は有力者たちが互いに争ってきただけの国だと思う。戦国大名たちが争ってるときに駆り出されて戦った人たちもいるけど、彼らは自分の権利のためというより手柄のために戦った感じだと思うし、もっと近代の戦争なんかでは、召集令状が来たから泣く泣く戦地に向かっただけだと思う。お国のためとか天皇のためとかいうのは、家族や自分を納得させるために言ってただけという部分が大きいんじゃないか。
今も、大半の日本人は政治家に何をされても怒らないし、戦わない。
自分のために戦ったことがない民族だからだ、となんかこれも妙に納得した。
いいことなのかは疑問だけど。