長い目で見た資産形成: 時間の力の偉大さ - 経済的自由のススメ ~そのあと~

経済的自由のススメ ~そのあと~

経済的自由を得て現役引退したあとの生き方

長い目で見た資産形成: 時間の力の偉大さ

こんにちは~。

単価が下がったり無理な条件を出されたりしない限り、楽しいから仕事を続けたい今村です。

でもまあ、いつ条件が悪くなって辞めざるを得なくなっても大丈夫かな、というくらい保険としての資産形成ができてきたので、ここで今までを振り返って何をどうやってきたのか、どこが良かったと思うか、やり直すとしたらどこを直すと思うかなどをざっとまとめます。

へぇー、長く続ければそういうやり方や考え方で途中でいろいろあってもそれなりな結果になるんだ……なんか希望が見えてきたな、と思ってもらえたら嬉しいです。

前提

……と本題に入る前に簡単に前提をまとめておきます。

  • 宝くじや遺産相続みたいな、大した努力もなく大金が入ってきたことはありません。
  • 短期トレードもしたことがなく、大穴当ててテンバガー!みたいな形で短期間で大金を手に入れたこともありません。
  • 信用取引もしたことがなくて、レバレッジかけて儲けたとか、空売りで暴落時に儲けたみたいなこともしたことがありません。
  • 投資はちょっとだけやった不動産(3件売買)と投信・ETF・個別株のみです。株は言わずもがな米国株。
  • あっ、ソーシャルレンディングもやってます。でも最近だし割合的にまだそれほど大きくないのでこの記事では割愛。
  • 現時点(2017年)で、会社勤めで初めて収入を得た時点から言うと20年ほど、初めて不動産投資した時点からは18年ほど、初めて株式投資をした時点からは14年経過しています。
  • アメリカでは年功序列がないので、アメリカの会社で働いていた期間(10年ちょっと)に年俸が2.5万ドルくらいから9万ドルくらいまで上がっています。日本の雇用事情はよくわかりませんが、給与が上がるポテンシャルは日本とは違うかもしれません。その代わり10年の間にリストラも2回されましたがw
  • あと、扶養家族がいません。養う家族がいないからその分投資に資金を回せているというのは大いにあります。

……ということで、これらを踏まえて、まず実際にやったこととそれに対する振り返りをまとめます。

その後に資産が実際にどう変化したか見せますね。

実際の投資歴

不動産

やったこと

もともと不動産を始めたのは、1)賃貸用の不動産を何件も買い溜め、2)賃貸収入でそれぞれのローンを完済し、3)その後は経費を差し引いても自分が生活できるくらいの収入を得る、という「システム」を作るためでした。

つまり、売る前提がなかったわけです。

でも最初の会社でリストラされて転職し、引っ越ししてからは大家さんをするのが大変になったので、結局1つ目の物件を売りました。

このときは不動産バブルの真っ最中だったので売却して利益が出ました。

2件目と3件目は日本に帰国することになって売却することになりました。不動産バブルが弾けたあとだったので利益はなく、家賃収入と差し引きしてゼロくらい、という結果でした。

良かったと思うこと

不動産投資は、資産形成に直接的に貢献した割合としてはあまり大きくありませんでした。ただ、最初の1件で得た利益が投資履歴のかなり初期だったので、株式投資の種銭になって貢献したというのはあります。

複利の効果はやはり早く始めれば始めるほど大きくなるので、初期にこういう形で利益を得たのは良かったです。

やり直すとしたら

まずは、売る前提がなくても売らざるを得ない状況を想定するか、最初から大家さんの仕事を業者に任せる前提にするかのどちらかにして検討します。

そして恐らくは「不労所得システム」を作るのではなく、株式投資の元金を作るという戦略に変更します。

不動産投資は、ローンを組めるのでレバレッジが効く投資と言えます。そしてこれは、一般的に言うと、定職があって収入も相応である人じゃないと使えない戦法です。

この辺りを踏まえると、フリップ(安く買ってリノベなどをしてから高く売る)などをしたほうが、当時の自分のアドバンテージを最大限に活かせていたと思うし、そのほうが効率的かつ安全にもっと最初から株式投資用の元金を増やせていたのではないかと思います。

個別株・ETF・投信

個別株でやったこと

生まれて初めて買った株の話はここでしていますが、「グッときた企業の株を買って売る理由がない限りずっと放置」というやり方はずっと変わっていません。

銘柄の具体的な選び方はここで説明している通りで、モートがあり、値動きしても平気で保有し続けられると思える銘柄を割安な時に買うやり方です。

また、銘柄を見る際に考えるように心がけているのはここで説明したようにその企業の本質で、短期的な指標や決算報告などは全く見ていません。

そしてポートフォリオのメンテはここで説明している通りです。

「ずっと放置」の期間は大体最低でも2年です。2年経って「間違ってたな」とか「状況が変わったな」と思ったら損切りします。

売る理由がなければ本当にずっと放置したままです。市場が暴落しても無視して放置です。

ちなみに2003年1月に生まれて初めて買った銘柄であるHome Depotもまだ持っています。

ETF・投信でやったこと

ETF・投信のポートフォリオでは、個別株のポートフォリオを強化するファンド(つまり個別株ですでに買っているものが含まれているもの)と、自分で理解して分析するのが面倒だけれどぐっときている業界に投資しているファンド(個別株では買っていないものが含まれるもの)を主に買っています。

もう少し詳しい説明はここでしていますが、分散のためだけにグッとこない業界にわざわざ投資することはありません。

メンテとしてはETF・投信のポートフォリオも年に1度程度です。

良かったと思うこと

「ぐっときた銘柄を買って放置」 は手間がかからないので続けやすかったです。

また、給与が上がるポテンシャルが高い環境にいたことを考えると、優先順位が自然に1)仕事、2)投資になったのも、どこに力を注ぐのが一番効率的かという意味で結果的によかったです。

やり直すとしたら

優先順位が自然に1)仕事、2)投資になって給与を上げられるところまで上げたのはよかったんですが、投資は二の次になりがちで、資金が使われずに放置されていることがしょっちゅうでした。

また、投資が二の次だったせいで、よく考えれば「これは間違ってたな」と思うはずの銘柄でもずるずる保有し続けていたケースもありました。Bank of Americaとか。

なので、やり直すとしたらもう少し真面目に買付けや損切りをしてきちんと余剰資金に働いてもらいます。

あと、リーマンショックなどで市場が暴落したとき、何も売らなかったけれど特に買ったわけでもなかったので、暴落チャンスはきちんと活かすようにします。

資産とポートフォリオの変化

では、実際に資産とポートフォリオがどう変化したか見てみましょう。

資産

2003年の1月からしか記録がないんですが、とりあえずそこから現在までの資産の変化は以下の通りです。

緑の棒グラフが資産、オレンジの棒グラフが負債、赤の線グラフが純資産です。

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2003年末にいきなりちょっと上がっていますが、これはそれまで記録に含めていなかったものを含めただけなので、資産が増えたというわけではないです。また、本当のゼロ地点は2003年1月でなくて1997年です。

ちなみに、会社勤めをやめてフリーランスで翻訳業を始めたのは2009年です。まあまあ稼いでますが、会社勤めでもらっていた年俸に比べるとかなり低いです。

つまり、給与の推移と資産の推移には全く相関がないということです。

ポートフォリオ

同じ期間のポートフォリオ(個別株・ETF・投信全部合わせたもの)だけ見るとこんな感じです。

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緑のマルがポートフォリオの評価額で、水色のマルが取得額です。棒グラフの色分けは無視してください。

こうやって見ると、最初の頃はほとんど評価益がない状態がずっと続いていて、リーマンショックの暴落時にはやはり評価額が取得額をずっと下回っていたのがわかります。

そしてその後も4回評価額が取得額を下回っていますが、結局のところは戻ってさらに上がっています。

ちなみに、2014年末に大きく取得額が伸びているのは、日本に戻る際に家や車など一切合財売却して得た資金を株に回したからです。

変化をみて感じること

他人の資産やポートフォリオの推移を見てもピンとこないかもしれませんが、今村が個人的に実感していることは「いかに時間という要素がパワフルか」です。

「時間の力」と言ったとき、普通の投資家が真っ先に思い浮かべるのは「複利の力」じゃないでしょうか。

複利の力は確かに時間の力と言えます。かなりパワフルです。

でも、それ以上にパワフルだと今村が感じるのは、企業が成長していく期間としての時間の力です。

理論株価なんてそう簡単に上がらないわけです。

でも時間さえ与えてあげれば育つものは育ち、上がるものは上がる。それもかなり大きく。

バフェットおじさんの資産の99%は50歳過ぎてから築かれているそうですが、なんらかの理由で割安になっている企業が一昼夜で価値を上げるのはやはり無理なわけです。蒔いておいた種が成長して実を結ぶのを待っていたらそうなったのだと考えれば、全然不思議じゃありません。

今村の給与の推移と資産の推移に全く相関がないのも、要はタイムラグがあるからです。

そういう意味での「時間の力」をすごく感じます。

まとめ

キッチリしっかり投資していたわけじゃないし、失敗もしているし、暴落も経験しているけれど、ずーっと続けていたらそれなりに資産ができた、という話でした。

長期投資の方針を掲げていても、投資を始めたばかりの人には「なにもしないで放置」というのはわりと辛いかもしれません。

また、放置することができてもなかなか評価額が伸びなくて、焦ったりするかもしれません。

でも「長い目で見ると最初はそういうものなのだ」と認識してしまって構わないと思います。そうしてただ淡々とやればいいんじゃないかと。

あと、自分が資産形成に費やす時間と労力として、あまり効率的でないタイプの投資や節約が一番になってしまっていないか、その場合それでいいのか、ということもちょっと確認するといいかもしれません。

最後に。

米国市場はいつ暴落するのか、いつ調整があるのか、という話をちょくちょく見ますが、今村はリーマンショックのときのBACのように暴落の理由と直結している銘柄は今度はちゃんと売りますが、それ以外の銘柄はどれだけ暴落しても無視して放置します。あと買うチャンスの銘柄があれば買います。

市場がどうだろうがやることはいつも同じです。

先が長い人の場合はそれでオッケーという実例でした。

ではでは。