時代に合わせて調整する投資基準 - 経済的自由のススメ ~そのあと~

経済的自由のススメ ~そのあと~

経済的自由を得て現役引退したあとの生き方

時代に合わせて調整する投資基準

すっかりご無沙汰してました今村です、こんにちは。

あっという間に夏が終わってもう秋ですが、コロナが全然収まりませんね……。冬に第三波とかいう状況にならないように一人ひとり気をつけましょうね。

さて今日の話は、今村の投資基準の移り変わりについてです。

実は、以前書いたこれに対して

www.saki-imamura.com

ちょっと前にこういうコメントを貰っていたんですが、

そう言えば、こういうコメントもあったなと思い、

そうだ、昔こういうの書いたけど、

www.saki-imamura.com

4年以上前の話じゃん、あのときから時代の変化に伴ってビミョーにやり方変えてきててアプデ出してもいいくらいだし、ついでにあんまり説明してなかったことも書くといいかな、と思ったんですよね。

なので、その辺を書いておきます。

興味があれば読んでいってください。

ツイッターの方針

……とその前に、ちょっと脱線しますが、今村が何を考えて朝のニュースをツイートしているかも少し書いておきます。

朝のニュースの見出しをざっと眺めて気になったものを読む、というのはツイッターに関係ない今村の日課です。

「大まかな流れを見ること」と「どの企業がどんなことを言ってどんなことをしてるかを見ておくこと」が目的で、売買の材料としてニュースを見ることはほぼありません。自分の仮説を一気に覆すようなニュースが出れば見直しするかもしれませんが、長期投資の仮説というのは崩れるときには大体徐々に崩れていくものなので、特定のニュースを見てどうこうというのはほとんどないです。

じゃあ朝のニュースのツイートは何なんだ?と言うと、今村にとってこれは「読んだついでのサービス」であり「知ってほしいことを拡散するチャンス」です。

「読んだついでのサービス」という意味では、普段からどんなツイートがイイねされたりリツイートされたりするかを見ていて、需要がありそうだなと思ったニュースをツイートするよう心がけています。

決算報告とかニュースを受けた大きな値動きなど、個人的に重視していないこともツイートするし、反応が多い銘柄のニュースであれば、個人的に関心がなくてもツイートしています。

「知ってほしいことを拡散」という意味では、稼いでる経営者が社会還元したニュースとか、企業が働く環境を改善したニュースとか、日本でももっと広がるといいなと思うものをツイートしています。

一方、個人的に「へぇ」と思ってもあんまり反応がなさそうなことはわざわざツイートしなかったり、ツイートで簡潔に説明できないような内容のときもスルーしちゃったりしています。たまに連ツイして頑張ることもありますが笑。

てことで、下の今村の投資視点を読んでツイッターとギャップを感じたら、まあそういうことです。

基本的な投資スタイル

さて、基本的な投資スタイルについては、3年ちょっと前にこちらに書いています。

www.saki-imamura.com

大きくは変わっていません。

「一定の分野・事業において、この企業を本質的に信頼してお金を預けられるか」という視点で見て、良いと思ったもの(=グッと来たもの)を買って、1年に1、2回見直しする以外は基本的に放置、各種指標も決算報告もわざわざ見ない、というのを今でも続けています。

変わらないこと

以前からあまり変わっていないけれど、もしかするとあんまり説明したことがなかったかもしれないこととして今回思い浮かんだのは以下です。

買う時の仮説

買うときはなんらかの仮説を立てるようにしています。

……というか、正しくは「良い仮説が立てられるのなら買う」ですね。良い仮説が立てられないなら買わない。

仮説については、ツイッターでもちょっとつぶやいたことがあります。

インフルエンサーやアナリストがおすすめしてた銘柄を検討するとかは構わないと思います。でも、決断は自分なりの仮説を持ってしないとダメだと思います。売りどきがわからなくなるので。

今村の場合、基本的に長期投資なので、仮説は「こういう分野で、こういうEconomic moatで、こういう経営陣なら、こんな感じで事業は発展していくだろう」みたいなざっくりしたものがほとんどです。

見直すときの仮説

「年に1、2回見直すだけ」と書いていますが、それで十分なのは長期投資の仮説は抽象度が高くて状況なんて簡単に変わらないからです。

でも一応見直すときに仮説は考え直します。

ま、大抵は「あんま変わんないか」とかいう軽いノリなんですが、たまに仮説を進化させることもあります。どちらも放置の措置です。

「うーん……」という場合も大抵はすぐに売らないですね。特に買ったばかりは売らないです。でも要注意のフラグを立てます。

利確と損切りの基準

こんな感じで仮説を立てたうえで「この企業を信頼して出資しておこう」と決めて投資するので、売却は要注意のフラグを立てたあと「やっぱダメ」と判断をしたときに株価に関係なく行います。

投資を始めたばかりの頃は仮説を立てるのがヘタクソだったので、含み益に至らぬどころか含み損になった状態で仮説が崩れて「損切り」となることもよくありました。

でも最近はもうあんまりないですね。長年保有して含み益になっていたけれど、仮説が崩れてきたから「利確」というパターンの方が多いです。

まあ、多いと言ってもあんまりないんですが。売ること自体が少ないので。

とにかく、利確と損切りの基準は「仮説が崩れてきたとき」です。

練習を重ねて仮説をうまく立てられるようになれば、仮説が簡単に崩れなくなって売る判断を下すことも少なくなります。そうすると結果的に長期保有となり、なんだかんだで含み益になっている、というわけです。 

変わったこと

でも、自分の中で変わってきたこともあります。以下です。

理論株価

ここ数年は、手数料が低いETF、取引手数料が低い・ゼロの証券口座、簡単に取引できるアプリなど、いろいろな要因が相まって、投資のゲーム化が進んでいる気がします。

それに伴い、「リタイア後、そしてコロナショック後に改めて思ったこと」でも書きましたが、市場はどんどん理論株価を先回りするような傾向になってきている気がします。割安にこだわると買うタイミングがなくなる可能性が高くなってきたと言うか。

なので、最近は割安感をあまり重視しなくなりました。

「3ステップで簡単に選べる長期投資用の米国株」では、そもそもMorningstarのStockInvestorで割安になっている銘柄しか検討しないと書いています。でも今は、リストの並び替えをして割安になっているものから見てはいますが、大体リストの最後まで目を通しています。

また、StockInvestorの有料会員なら見ることができるMorningstar Premiumで、StockInvestorのポートフォリオやWatchlistに入っていない銘柄も割安かどうかを無視して検索してみることが多くなりました。

Economic Moat

「3ステップで簡単に選べる長期投資用の米国株」ではEconomic Moatの重要さについても書いていますが、今はこの見方もちょっと変化しています。

Economic Moatというのは、形成に時間がかかるものです。

ネットワーク効果も、無形資産も、コストの優位性も、切り替えコストも、効果的規模も、みんな基本的に企業が徐々に作り上げていくものです。

ですが、市場が理論株価を先回りしているという話に似た感じで、「まだEconomic Moatはないが、特定のEconomic Moatを特定の分野でいち早く築く可能性が高い」という期待が先走るケースが市場では多くなっている気がするんですね。

なので、実際のEconomic Moatも以前同様見ていますが、最近はMoatが形成されつつあるのか、それとも崩壊しつつあるのかというEconomic Moatのトレンドも同じくらい重要視しています。

ちなみに、StockInvestorのWatchlistでは「Economi Moat」の隣に「Moat Trend」という指標がありますが、これが「Positive」であれば、Moat自体が「Narrow」であってもプラスとし、「Negative」ならMoatが「Wide」でも要注意と見ています。

CEO

もう一つ、以前より重視するようになってきたのがCEOです。

いろんな企業を長く見ていると、同じ企業でもCEOの力で業績や株価が全然違ってくることを目の当たりにします。

例えば、MicrosoftのSteve Ballmer氏とSatya Nadella氏の違いなんて歴然ですし、米中で関税戦争になっていたときのAppleの立ち回りはTim Cook氏だからできたことであって、Steve Jobs氏だったら無理だったと思います*1

なので、「本質を見れば自信を持ってリスクを取れるし、リターンも上がる」でも経営陣のインタビュー動画がオススメと書いていましたが、今はもっと頻繁にCEOの動画を検索して、何を、どんなふうに、どういう佇まいで語るかをチェックしています。

ちなみに、ちょっと前にもツイートしましたが、

ここで書かれているような「美意識」があるCEOが、今村にとってグッとくるCEOです。

以前から直感でそういう経営陣を好んできてましたが、この本を読んで「なるほど、こういうふうに理由付けできるのか」と納得しました。

今後どういう企業が勝つかという視点からもこの本はオススメです。 

まとめ

世の中では、ベンチャー、ビリオネア、機関投資家などがこぞって未上場企業やスタートアップを狙って投資するトレンドが続いています。

大きなアルファを求めて、どんどん上流に行っているわけです。

株式市場内でも似たようなことが起こっているんじゃないかな、という気がします。

「理論価格を割っているからいずれ理論価格に収束するのを待つ」のではなく、「理論価格はもっと上がるのでは?という期待にかける」になってきていて、「Economic Moatがある優良銘柄に投資する」ではなく、「Winner-take-allでWinnerになるのではないか?という期待にかける」になってきているんじゃないかな、と。

だからと言って、長期投資してきた人がゲーム的な短期投資に走る必要はないとは思います。

でも、「ゲーム的なやり方をする人が増えていて、市場は大きくその影響を受けている」ということは認識して、投資基準を柔軟にしていく必要はあるんじゃないかなと思います。

数年後にはまたちょっとやり方変えてるかもしれません。

*1:ただ、AppleをAppleにすることができたのはSteve Jobs氏だったからで、あの当時にSteve Jobs氏でなくてTim Cook氏がAppleを率いていたら今のAppleはなかったと思います