Vol.4では、FTK(キッチンアプライアンス)メーカーのスタンドをご紹介します。
キッチン家具とビルトイン機器(レイアウト図の網掛け部)双方のメーカーが混在するという新たな形を打ち出した今年のホールプラン。省エネやサスティナビリティへの追求、スマートホームとキッチン家電のかたちなど新しい動きも加速しています。
出展各社の中から、存在感を放ったキッチン関連機器のスタンドをピックアップしてお伝えします。
ここで紹介するメーカー10社
※メーカー名をクリックすると当該メーカーにジャンプします
①Elica -エリカ- / ②Miele -ミーレ- / ③Bora -ボラ- / ④LG Electronics -LGエレクトロニクス- / ⑤Signature Kitchen Suite -シグネチャーキッチンスイート- / ⑥Barazza -バラッツァ- / ⑦Bertazzoni -ベルタゾーニ- / ⑧Bosch -ボッシュ- / ⑨Asko -アスコ- / ⑩Smeg -スメッグ-
①Elica -エリカ-

エントランスを飾るエリカの象徴、プロペラファン
換気扇のトップメーカー、エリカはNikolaTesla One(2016年発表)を筆頭に、これまでの抽出コンロのコレクションを展示しました。

【Nikola Tesla One~】年代順に一堂に並ぶ

【Lhob】
2022年発売のロフ。フード・コンロ・オーブンの3inワンのコンパクトタイプ。アンダーカウンターにビルトイン。スカボリーニなど各社が新作に採用しています。W900Xh600
②Miele -ミーレ-
Mieleは125周年、1000㎡の会場を3つのエリアに分けて同社の新商品やエコの取り組みなどを披露しました。コンセプトは”The Pulse of Every Kitchen(あらゆるキッチンの鼓動)”。キッチンの未来に向けて、2018年に発信されていたIoTによる先端技術を更に前進させた製品展開となっています。

Mieleのエントランス

製品紹介やレクチュアが行われた階段状のホール

【Art Line シリーズ】
キッチンリビングの空間構成の中でビルトイン機器類のフェースカラーを統一し、ハンドルレスのデザインでインテリア性を追求。写真はArt Line Matt Black

【Art Line シリーズ】
Art Line Pearl Beige
③Bora -ボラ-
2007年に創業。これまでミラノやケルンでのキッチン関連見本市でイノベイティブな製品はもとより、独特のスタンドデザインでも話題を提供してきたボラ。今年も多くの来場者で大混雑でした。

蒸気と油分を秒速で吸い込みます。写真はプロフェッショナル3.0

【EXTRACTOR SYSTEM:クックトップ抽出システム】
室内が汚れないのでオープンエリアにうってつけのダウンブローの換気装置、蒸気とグリース粒子を抽出して秒速1mで吸引するクロスフロー機構。組み合わせ自由なモジュラーシステムタイプ(上段)と、コンパクトタイプ(下段)、その他豊富なバリエーションを会場いっぱいに展示しました

【Qvac (vacuum)】
ビルトインする真空シーラー、専用容器が2種・専用パック3種
④LG Electronics -LGエレクトロニクス-
FTK展示メーカーの中にあってアジア勢の勢いを感じさせたLG。エコやサスティナビリティはもとより、インテリアとの調和やエンターテインメント性を意識したこれからのホームアプライアンスの形を提案しました。

【LG instaView with Mood UP】
扉は2回ノックで冷蔵庫内を見ることができる省エネ機構、食品をフレッシュに保つ機能も搭載。モーションセンサーで人が近づくとライトが点滅、人と物とのインタラクティブな関係を感じさせる。専用のスマホアプリでカラーチェンジも
⑤Signature Kitchen Suite -シグネチャーキッチンスイート-
LGグループの上位ブランド「Signature Kitchen Suite」。石の塊のアイランドキッチンをドーンと据えたスタンド。AI搭載WifiでコントロールできるフリーゾーンIHコンロ、アンダーカウンターに冷蔵庫と食器洗浄機をビルトイン。

会場センターに置かれたアイランドキッチン

【Frenchi door 48】
フレンチドア冷蔵庫は扉化粧可のビルトイン冷凍冷蔵庫、ダブルドアの冷蔵室、冷凍ドロワー3室、コンバーチブルドロワー1室の構成。ThinQアプリを介してリモートで操作

【 Convertible Refrigerator】
アンダーカウンタービルトイン冷蔵庫はコンバーチブルタイプ。2種の温度設定が可能。静音性も優れた39dB
⑥Barazza -バラッツァ-
ステンレス製品の加工業としてスタート、現在ではステンレス加工技術を生かしてシンクやアクセサライズドチャンネル、ビルトイン機器まで手掛けている。イタリアデザインの美しさをアプライアンスの世界で存分に発揮しているメーカー。

【iCON シリーズ】
Blast Chiller

【iCON シリーズ】
Steam Oven(上段)、Blast Chiller(下段)

【iCON シリーズ】Vacuume Drawer

【タラスコンロ】
アウトドアキッチンの展示、耐摩耗性に優れたAISI316ステンレス製。タラスコンロはビルトインのほか自立型コンロもあり、アウトドアの可能性を広げている

自立型コンロ、蓋はトレーにもなる
⑦Bertazzoni -ベルタゾーニ-
薪式コンロからスタートした130年の歴史を刻むイタリアの伝統的なファミリー企業、ベルタゾーニ。クラシックな外観に最新の機能を搭載したヘリテージシリーズとIF Design Awardを受賞した 自立型コンロプロフェッショナルシリーズを並列して展示、伝統と革新の双方をアピールしていました。

【HERITAGE SERIES】
ラグジュアリーな空間向けに24金メッキが施されたハンドルや操作つまみ(写真上・下)

【PRO SERIES】
操作つまみをインダストリアルなイメージに、マットグレーとレッドのフェース(写真上・下)
⑧Bosch -ボッシュ-
自動車機器のサプライヤー、製造業として世界最大級のグローバルカンパニー。1886年に起業、1933年に生活家電の分野に参入した。食器洗浄機の販売ではヨーロッパでの売り上げNO1となっています。ジーメンズ・NEFF・ガゲナウはボッシュグループ。

Boschのスタンド

空間が一つになったキッチンリビングではインテリア性と共に静音性は重要なポイント。電気を使わない独自のゼオライト乾燥が”売り”のDWも、操作音39dB達成をアピールしていた。

【8SERIES OVEN)
調理アシストオーブン。操作はBoschの開発した「ホームコネクト」アプリを使いスマートホンやタブレット端末で
⑨Asko -アスコ-
日本市場でも知名度が高いスエーデンの家電メーカーAsko。
スタンドではシェフによる実機を使ってのおもてなしも・・

【ELEVATE HOOD- in-HOB 】
使用時に立ち上がり、より効率よく煙や蒸気を引き込むダウンブロー換気扇

スマートクッキング《Celsius Cooking™ 》
調理の温度管理に注力し、専用鍋やフライパンセンサーなどを披露
9段階のきめ細かい温度帯。ブルートゥースでWifi接続

【DW 60】
「UV Cleanse™」モードを備えた食器洗い機。紫外線を使用し、細菌、カビ、ウイルスなどを99.999‥ %除去。エネルギーを節約しながら最高の洗浄能力と衛生を実現

【WINE CLIMATE CABINET】
センター部にデキャンタージュの為に用意された木製引出がセットされたワインセラー。独立した3つの温度帯を完備。アンダーカウンタービルトインのコンパクトタイプもラインナップされている

木製ドロワー(左)、アンダーカウンタータイプはプッシュオープン(右)
⑩Smeg -スメッグ-
POPで遊び心満点のSMEGは1948年創業、カラフルなデザイン家電で若者に人気。今年もフィアットのボンネット内には冷蔵庫がビルトインされていました。

【FAB28】
豊富なカラーと50’s のレトロデザインで若者に人気の高い冷蔵庫

【New Isola】
Studio Stefano Boeri Interiors デザインの新製品シリーズ 。LEDライトインサート AltaコレクションはIHコンロやフードの外周に取り付ける新しい発想

【BLUE MEDITERRANEO】
ドルチェ・ガッバーナとの協業は2016年から。今年は南イタリアのハンドメイドタイルがフェースを飾る。ハンドメイド・伝統の職人技へのオマージュ、そして、それを受け継いでいくとの想いから生まれたシリーズ
これからのキッチンモジュール
FTK展示の中でもいくつかのメーカーが75cmモジュールの製品を発表しています。キッチン全体が大型化している流れの中で75㎝対応のキャビネットを使ったメーカーも散見され、今後が気になるところです(写真下)。

BARAZZA

WHIRLPOOL
LGエレクトロニクスxMoooi《新たなボーダレス》
Vol.4の最後に、もう一つの話題を。
期間中のミラノ・ポルタベネッチア地区”Salone Del Tessuti”会場でのMoooiの展示をご紹介します。
本会場で話題の家電を展示していたLGが、オランダのインテリアメーカーmoooi(モーイ)とコラボ。家具と家電製品が生活空間の中でボーダレスにつながっていく新しい感覚を映し出して見せていました。

オランダのインテリアメーカー「moooi(モーイ)」とLG。デザイン家具と家電のボーダレスなコラボレーション。さりげなく家具の傍らに寄り添っています

【LG Styler: Shoe Case 】
ガラスケース内にUVライトを照射し
99.9%除菌、ターンテーブル、LEDライトでカラーチェンジも

【LG Styler 】
ワードローブも除菌・消臭

【Aero Furniture PuriCare】
ソファやベッドサイドに置かれたサイドテーブルは実は空気清浄機、TOPは大理石(写真上・下)

実は空気清浄機
Vol.4では、Hall2&4の会場からアプライアンスのメーカースタンドをご紹介しました。
2002年に第一回のFTKが開催されて以来、Euro Cucinaのパラレルイベントとして隣接ではありますが、区分けされた会場で展示されてきたFTK。今年初めて、Euro Cucina とFTKがボーダレスに混在するホールレイアウトとなり、大きな話題を集めました。
キッチンにビルトインされている機器の詳細やバリエーションをすぐ隣のスタンドで確かめながら会場を巡るという新しい体験が可能な新鮮なレイアウトでした。
次回2026年にこの形が定着していくのか、あるいはもっと違った試みが出現するのか・・・。今年の出展各社や来場者の動向を踏まえて主催者の分析を待つことになります。
それでは、次号はいよいよ最終回。
本会場からはこれまでお伝え出来なかったメーカーのキッチンデザインをピックアップします。更に、市内キッチンSRの見逃せない展示や企画展をご紹介します。変貌するミラノの再開発地区の様子も都市開発の新たな姿として是非お届けしたいと思っています。
Vol.5もお見逃しなく。

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