木材の供給
国有林野事業では、機能類型区分《詳細はこちら》に応じた施業の結果得られる木材を供給しており、その供給量は国産材の約2割を占めています。
国有林野事業では、公益重視の管理経営を推進しつつ、地域における木材安定供給体制の構築等を図るため、木材の持続的かつ計画的な供給に努め、地域の林業・木材産業の活性化に貢献できるよう努めています。
また、多様な森林を有しているという国有林野の特性を活かし、民有林からの供給が期待しにくい樹種等の計画的な供給にも取り組んでいます。
ここでは、国有林野事業における木材の供給について紹介します。
1.木材の供給方法
国有林野からの木材の供給方法には、立木販売(りゅうぼくはんばい)と素材販売(そざいはんばい)とがあります。
立木販売は、樹木が山に生えている状態(立木)で販売する方法です。購入者(素材生産業者等)は立木を伐採・搬出し、丸太に加工して利用します。
素材販売は、請負事業者により樹木を伐採し、丸太に加工してから販売する方法です。各地域の森林管理署等が直接販売するほかに、木材市場等に販売を委託する場合もあります。
[写真]スギ人工林内の様子(左)、原木市場の販売(せり売り)の様子(中央)、ひのき丸太の集積の様子(右)
2.供給している樹種
国有林野事業では、スギやヒノキの他、カラマツ、トドマツ、ナラなど多種多様な木材を供給しています。また、文化財の修復や伝統工芸などに利用される青森ヒバ、木曽ヒノキの供給にも努めています。
国有林で供給している代表的な樹種
針葉樹:スギ、ヒノキ、カラマツ、エゾマツ、トドマツ、ヒバ、アカマツ、クロマツ等
広葉樹:ナラ、シナノキ、センノキ、カツラ、カンバ、カシ、ケヤキ、ブナ、ヤチダモ等
[写真]復元された大洲(おおず)城の内部の様子 (左)、曲げわっぱ(中央)、へぎ細工の衝立(右)
3.国有林材の安定供給システムによる販売
国有林材等の安定供給システムによる販売(以下「システム販売」)は、地域における木材の安定供給体制の整備や新たな需要拡大、原木の加工・流通の合理化等に資することを目的とし、需要・販路拡大が必要な間伐材等を対象に、国が製材工場や合板工場等と事前に安定供給に関する協定を締結し、当該協定に基づき、素材(丸太)や立木を国が協定の相手方に安定的・計画的に販売する方法です。
また、協定の締結に当たっては、販売数量等を公告して需要者を募った上で、需要者からの提案を審査して選考する企画競争方式をとっています。
国有林野事業では、システム販売による国有林材の安定供給を進めるとともに、これまでのシステム販売の実績を活かし、国有林と民有林が協調して木材を出荷する「民有林と連携したシステム販売」の取組を拡げています。《詳細はこちら》
システム販売の流れ
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パンフレット 進めています!安定供給システム販売(PDF : 1,372KB) システム販売のルール改正のポイント(PDF : 134KB) |
4.国有林材における持続可能性・合法性
国有林材は、持続可能な森林経営のもと、法律に基づく手続等を適切に行って伐採された合法的な木材です。
5.国有林材供給調整検討委員会
地域の木材需要が大きく変動した際の木材の供給調整機能を発揮するため、林業・木材産業関係者等からなる「国有林材供給調整検討委員会」を設置し、地域の木材価格や需要動向の把握に努め、必要に応じて供給調整を実施します。
6.国有林野事業における立木販売結果の公表
国有林野事業では、民有林における適切な立木取引に資する取組として、立木公売物件(主伐箇所のうち主伐後の再造林を予定する林分)の販売結果を公表しています。
お問合せ先
国有林野部業務課
担当者:供給企画班
代表:03-3502-8111(内線6306)
ダイヤルイン:03-3593-1675