農林水産大臣談話「新たな森林・林業基本計画の閣議決定に当たって」
令和3年6月15日
農林水産大臣談話
本日、新たな森林・林業基本計画が閣議決定されました。
新たな基本計画は、今後の森林・林業・木材産業に関する施策の基本方向を明らかとするものです。
我が国の森林は、国土の約3分の2を占め、国土保全や水源涵養などの恩恵を、広く国民にもたらす「緑の社会資本」です。
また、林業・木材産業は、地域の経済社会の維持発展に重要な役割を果たす産業であり、木材を利用することはCO2の排出抑制及び炭素貯蔵を通じ、循環型社会の実現に大きく寄与するものです。
森林・林業・木材産業は、気候変動に伴う山地災害等の増加、人口減少による人手不足や国内新築住宅市場の縮小、新型コロナウイルス感染症の流行など、大きな課題に直面しています。
私は、この基本計画の見直しに当たって、これらの課題に対応しつつ、先人達の努力により造成された豊かな森林を持続的に管理・利用して、次世代に引き継いでいくとの視点が重要であると考えてきました。
このような考えの下、新たな基本計画においては、森林・林業・木材産業による「グリーン成長」を掲げ、2050年カーボンニュートラルも見据えた豊かな社会経済の実現を目指してまいります。
森林資源の適正な管理・利用に向けては、適正な伐採と再造林の確保、治山対策等による国土強靱化、針広混交林の造成などを進めていきます。
また、エリートツリー等を活用するなど林業のイノベーションを推進し、「新しい林業」を展開するとともに、国産材製品の競争力強化や輸出促進、都市等における木材利用を推し進めていく考えです。
これらの取組を行っていく上では、森林・林業関係者のみならず、国民の皆様一人一人の御理解と御協力が不可欠であり、引き続き、お力添えを賜りますよう、心からお願い申し上げる次第です。
私は、この基本計画に基づく施策を推進し、全ての人々が森林のもたらす恩恵を享受できるよう、そして、林業・木材産業を真に持続的な姿へと発展させ、地域の経済社会の隅々にまで明るい光を灯すことができるよう、全力を尽くす所存です。
農林水産大臣 野上浩太郎
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