結婚のお祝いをいただいた方にお贈りする「結婚内祝い」。どんなものを贈ると喜ばれるのでしょうか? また、金額の目安はどのくらいでしょうか? 今回は、結婚内祝いの基本的なマナーとして、選び方・贈る時期・相場を解説します。
結婚内祝いとは? 引出物との違い
結婚したときにいただいたお祝いへのお返し
本来の内祝いは「喜ばしいことがあった家が、幸せのおすそ分けとしてご近所・縁者にお祝いを配る」ものでした。現代では「いただいたお祝いへのお返し」という意味合いが強く、「結婚内祝い」と言う時には、「いただいた結婚祝いへのお返し」を指すことが一般的です。
「引出物」は「結婚内祝い」と混同しやすい贈り物です。「引出物」は披露宴に出席された方に持ち帰っていただくお土産であるため、「結婚内祝い」とは役割が違うことをおさえておきましょう。
結婚内祝いは誰に贈るべき?
披露宴へ出席した方には「引出物」でOK。両方贈るケースもチェック
披露宴へ出席した方をもてなすことは、両家から「幸せをおすそ分け」することで、本来の内祝いの意味にかなっています。したがって、披露宴へ出席した方へ引出物をお渡ししていれば、あらためて結婚内祝いを用意する必要はありません。
ただし、いただいたご祝儀が想定していた金額よりも多い場合や、ご祝儀とは別に結婚祝いをいただいた場合は、引出物とは別に結婚内祝いを贈ることがあります。
アンケートで「結婚式でいただいた引出物以外に結婚内祝いをもらったかどうか」を聞いたところ、お式に出席された方の54.8%がYESと答えました。ご祝儀に3万円以上を包んだ方が、結婚内祝い・引出物の両方をもらうことが多いようです。
披露宴に出席していないが、お祝いをくださった方
お招きしたものの結婚式に出られなかった方、また、結婚式に招待していない方が結婚祝いをくださったら、結婚内祝いを用意してお贈りしましょう。
結婚内祝いで押さえおくべきマナー
結婚内祝いの金額相場
結婚内祝いは、いただいたお祝いの1/3〜半額(半返し)の品物を選びます。例えば3万円をお祝いにいただいたら、1万円から1.5万円が結婚内祝いの目安となります。
ただし、目上の方や身内の方などは、高額な結婚祝いをくださるケースがあります。これには新しい夫婦の生活を助けるという意味合いがあるため、しっかり1/3〜半額(半返し)でお返しするとかえって恐縮させてしまいます。相場にこだわらずにこころを込めた内祝いを選んでみてください。
結婚内祝いののしについて
結婚内祝いののしにつける水引は、紅白もしくは金銀10本で、結んだ水引の端が上に向いた「結び切り」または「あわじ結び」を使うのが定番です。本数は、両家と両家が手を結び合うさまから由来して用いられるようになったそうです。また、結び方には簡単にはほどけない末永い結婚生活という意味が込められているとされています。
結婚内祝いの表書き・名前の書き方について
結婚内祝いの表書きは、「寿」または「内祝」「結婚内祝」とするのが一般的です。その
下には「新郎新婦の姓」を入れます。もしくは上段に「新郎新婦の姓」を入れ下段に「新郎新婦の名」をセットで入れ書き方もあります。どちらがよいか迷ったら、お互いの親に相談するのも一案です。
結婚内祝いを贈る時期
お祝いをもらって1カ月以内にお返しするのが一般的
お祝いをいただいたら、まずはすぐにお礼を伝えるのが先決です。直接手渡しされたならばその時でもよいですし、配送で受け取った場合は電話かメール、ハガキなどで、できるだけ早くお礼と到着の連絡をします。近頃ではSNSでのやりとりも主流化となってきています。お相手との関係に応じては、SNSなどでの返信もよいかもしれません。
お礼を伝えたら、内祝いの品物を手配しましょう。結婚内祝いはお祝いをいただいてから、1カ月以内にお贈りするものとされています。
結婚内祝いを贈るのが遅くなった場合
結婚内祝いをお贈りするのが遅くなったら、届く時期がわかり次第なるべく早く先方に電話をかけ、遅くなったお詫びと、いつ頃到着するかをお伝えしましょう。
結婚内祝いのタブーとされている品物
縁起の悪いもの
結婚内祝いに限らず、慶事のギフトには「縁が切れる」ことを連想させる「刃物」、別れを連想させる「白いハンカチ(色柄物は贈ってOK)」、死や苦をイメージさせる「櫛(クシ)」はなるべく避けるようにしましょう。
緑茶は香典返しなどに用いられることがあるため、縁起が悪いと感じる方もいらっしゃるようです。本来、緑茶は縁起のよい意味もあり、地域によっては慶事に欠かせないものですが、心配ならば避けておくほうが安心です。
そのほか、肌着や靴下はプライベートに立ち入りすぎな印象があるため内祝いにはふさわしくありません。これらは、特に目上の贈り先さまには失礼にあたると考えられています。
いただいた金額よりも高すぎる or 安すぎる品物
先に解説したように、結婚内祝いの相場は、いただいたお祝いの1/3〜半分が目安です。これよりも高すぎたり安すぎたりしないようにしましょう。ただし、例外として後輩などといった目下の方へは、いただいたお祝いと同額程度の品をお返しするのが一般的とされています。
また、高額のお祝いについては、これからの夫婦の生活をサポートするという意味合いがあります。そうしたお祝いに対して、額面どおり1/3〜半分でお返ししてしまっては、かえってお相手の気持ちを無駄にしてしまいます。ありがたく受け取って、今後の生活に役立てるようにしましょう。
生鮮食品は避ける
グルメ品は贈答品として人気がありますが、結婚内祝いでは精肉、魚などのナマモノ、生クリームを使ったケーキなど、賞味期限が短いものや痛みやすいものは、贈り先さまが問題ない場合を除いて贈らないようにしましょう。受取りや保管場所、食べるタイミングなどが合わない場合に、お相手にご迷惑をかけてしまいます。
結婚内祝いでおすすめの品物
食品
グルメ品は結婚内祝いでおすすめなもののひとつです。高級米が少量パックになった食べ比べセットや、普段遣いより少し高級な調味料、日持ちのするレトルト食品もよろこばれます。コーヒー、紅茶と、焼き菓子のセットなども人気です。
日用品
洗剤やタオルなどは、結婚内祝いの定番品といえます。洗剤は使用するとなくなる「消え物」ですし、タオルは消耗品なので、気軽に受け取っていただけるでしょう。ただし、日常生活で使用するものですから、香りの強すぎる洗剤や、好みの分かれる派手な色柄のタオルなどは、選ばないようにしましょう。
カタログギフト
何を贈るか迷っているなら、カタログギフトがおすすめです。贈り先さまが好きなものを選べるため、「もらってうれしい結婚内祝いランキング」でも常に上位の人気です。贈る側としては、金額がわかりにくい点や、お相手の好みがわからなくても失敗しにくいことがメリットといえるでしょう。また、カタログギフトはさまざまな価格帯があるため、いただいた金額に合わせて選びやすいのもうれしいポイントです。
結婚内祝いでおすすめのカタログギフト3選
贈る側・贈られる側、どちらであってもカタログギフトは人気の結婚内祝いです。高級感や賑やかな表紙も、お祝いごとにふさわしい雰囲気です。ご予算に応じて選んでみてください。
昨今は、食品やグルメなどを数多く掲載しているグルメカタログギフトが人気です。記念品といった形に残ってしまう物を必要としていない方へも、グルメであれば消え物ですので気軽に贈れますし、好みに合ったグルメを選んでいただけることから、多くの方に喜んでいただけます。