日々変動する時計相場。特に近年は相場の急激な上昇によって、買い時・売り時が分かりづらくなってきている。そこで時計のプロに取材し、人気ブランドの相場動向から、“売り”のコツまでレポートする。
まずは圧倒的な人気を誇り、相場の変動幅も高い『ロレックス』について分析していきたい。
「ここ数年『ロレックス』の値上がりが続いています。主な理由として、世界的に知名度が高く『ロレックス』を買っておけば安心という消費者マインドから旺盛な需要があり、生産が追いついていないことが挙げられます。また、『ロレックス』は廃盤になると値が上がる唯一のブランドです。最終品番、細かな仕様の違いでプレミアムが付くのです」(池田店長)
今も超高価だが、これからまだまだ上昇傾向。その前に今ゲット!
2020年末には¥2,200,000~2,300,000と予想! 実勢販売価格(中古)¥1,980,000旧型のエクスプローラーⅡは値上がり途上で、比較的お買い得感がある
2020年末には¥850,000~950,000と予想! 実勢販売価格(中古)¥650,000今も十分高値圏内だが、これからさらに相場が上がって行きそうだ
2020年末には¥1,800,000~2,000,000と予想! 実勢販売価格(中古)¥1,530,000スポーツモデルに一番近いターノグラフにも値上がりの兆候がある
2020年末には¥800,000~900,000と予想! 実勢販売価格(中古)¥650,000『ロレックス』の資産価値はぐんぐん上昇中だ。それを表す数値が買取相場。ここでは人気モデルの最新買取価格と、中古の買取相場動向グラフを調べた。
一時期相場を下げたが再び高騰傾向にある。
ホワイト文字盤に比べるとやや安いが、ブラックも値上がり傾向。
2019年にぐっと値上がりした。現在は相場が落ち着きつつある。
現在はブラックとほぼ同様の評価を受ける。相場が上昇傾向にあり、今後も高値が期待できる。
2016年以降上昇傾向にあり、現在の買取相場は高値で安定。
近年は相場が安定しており、今後も大きな変動はなさそうだ。
2017年以降綺麗な右肩上がりの相場が続いている。
安定相場となっているが、ここ3年で急激に価値を上げてきている。
白文字盤同様、近年の相場がぐんぐん上がっていることが分かる。現在は僅かにブラックの方が高い。
スタンダードな「サブ」も2018年から2020年にかけて資産価値が45万円ほど上昇している。
グリーンサブの市場価値もここ2年で大幅に上昇している。
上昇傾向は現行の最新ダイバーズウォッチと同じようだ。
2016年から2017年にかけて相場が急激に上昇。現在も右肩上がりに買取価格が上がっている。
全体に引っ張られるかたちで、旧型も大幅な相場上昇傾向にある。
右肩上がりに相場を伸ばし、ここ2年で20万円ほど高騰した。大きな値下がりは考えにくい。
黒文字盤同様に相場は安定的に推移している。
発売直後は高騰していたが、最近は相場が安定してきた。ただ、2020年に入ってから再び高騰傾向にある。
新型の発表に伴い近年は下げ相場となっている。最高騰はしばらくは厳しそうだ。
コンビモデルも緩やかではあるものの、確かな上昇を続けている。
2019年の製造終了後に相場が急上昇した。相場が安定していないため、売る際には見極めが必要だ。
生産終了に伴い評価が高まり、買取価格も強い上昇カーブを描く。
最近は落ち着いてきたが、2017年から2020年にかけ30万円も上昇。
ほかのモデルと比べると相場の上げ幅はよくないが、緩やかに上向きだ。
新型の発表が予想されていることもあり、近年右肩上がりの相場チャートを描いている。
『ロレックス』以外ならコレ
ラグジュアリースポーツというカテゴリーを作ったのが、「オーデマピゲ」。その傑作「ロイヤルオーク」は、1972年の誕生以来、変わらぬ人気ぶりだ。「ロレックス」のスポーツモデルを卒業したあとの受け皿にもなっており、全世界でその需要はひっきりなし。相場は高値で安定しており、近年はリセールバリューの高いモデルとしてしても知られるようになっている。
ラグジュアリースポーツという新しいジャンルを開拓した歴史的な一本。スーツにもカジュアルスタイルにもマッチするため、世界的に需要が高い。
ケース径37mmのミディアムサイズなので、女性とも共有できるユニセックスモデルとして人気を博している。最近の小振り時計トレンドに乗って人気も上昇中だ。
2017年新作の、資産価値が高い一本。「グランドタペストリー」という格子仕上げが文字盤に施された、スポーティかつ上品なクロノグラフ。
世界最高峰のネームバリューを誇る「パテックフィリップ」は、過去のモデルがすべて修理可能な永久サポートを実施している。まさに孫の代以降にも受け継げるという安心感から、値崩れしないブランドとしても有名。中でも「ノーチラス」「アクアノート」と言ったスポーツモデルは世界中で人気が沸騰しており、極度の品薄が続いていることから、その価値も上昇中だ。
ステンレススティールなのに定価が300万超えという、プレステージスポーツモデル。アクティブさとエレガントさが同居した永遠の名作は売り切れ続出。
優雅な雰囲気を醸し出すムーンフェイズに、パワーリザーブ表示、スモールセコンドを備えたプチコンプリケーションで、ムーブメントへの評価も高い。
アクティブなラバーベルトを採用する「パテックフィリップ」は「ノーチラス」だけ。時計界を代表するラグジュアリースポーツモデルのひとつとして、ますます人気が上昇中。
クロノグラフでは、あの「ロレックス コスモグラフ デイトナ」と肩を並べる知名度を誇り、「オメガ」の中で屈指の資産価値を持つのが「スピードマスター」だ。月に同行した“ムーンウォッチ”としての実績は伊達ではなく、誰もが憧れる名機ゆえ、値崩れしにくい特徴を持つ。
2014年にリニューアルを果たした「スピードマスター」。シースルーバックから、キャリバー1863が動く姿を愉しむことができる。
先代の「スピードマスター」の裏蓋には、伝統のシーホースが刻印されており、現行のシースルーよりこちらを好むファンも多い。
「スピードマスター」のレザーストラップモデル。スーツにマッチすることから、ビジネスマンに高い人気を誇る手巻き時計だ。
質実剛健な作りで時計マニアからも高い人気を誇る「IWC」。ところが、日本のインポーターが流通を絞っているという情報があり、品不足から今後相場が上がっていくと予想されている。とくに、看板モデルのパイロットウォッチは品薄が続く模様だ。
「IWC」を代表するモデルと言えば、パイロットウォッチだ。近年は流通量の減少により価値が上がっていく傾向にある。
「IWC」の旗艦モデル「マーク18」のスペシャルモデル。裏蓋には、「星の王子さま」のエングレーヴィングが施されている。
シンプルな文字盤に青焼きのスティール針を備えた、「IWC」の中で随一の人気を誇るドレスモデル。リセールバリューも高めだ。
腕時計界を代表する超名門ブランドの動向にも注目したい。これから相場を賑わせそうなのは、スポーティな「マリーンⅡ」。それもラバーモデルだ。と言うのもブレゲのSSブレスはしっかりしすぎて重く、日本ではラバータイプに人気が集中しているためだ。
ギョーシェやインデックスで「ブレゲ」らしいクラシカルさをキープしながら、ラバーストラップでスポーティさも加味された。
文字盤センターのウェーブ状のギョーシェが非常にエレガント。日本人の肌にマッチするローズゴールドの控えめな色味も人気。
今年10月に、日本再上陸を果たしたばかりの「チューダー」。「ロレックス」のファミリーブランドということもあり、今最も注目を集めているモデルと言っても過言ではない。さらに、クォリティの高さも折り紙付き。すでに相場は上昇傾向で、資産価値も上がっている。
「チューダー」往年の名作からインスピレーションを受けたヘリテージシリーズ。マニュファクチュールムーブメントが搭載されている。
旗艦モデル「ブラックベイ」のシンプルダイバーズ。「ロレックス」には採用されていない、エイジドレザーがファッショナブルだ。
「チューダー」のクロノグラフに特徴的なツーカウンター仕様を忠実に継承した。クロノグラフムーブメントもクロノメータ認定の自社製だ。
Q1売却時にいろいろなお店をまわって査定を比較するのは、お店にとってぶっちゃけ嫌なもの? | A:いいえ。どんどん比較していただいて結構です! 「大切にされてきた愛機ですから、少しでも高く売却されたいのは当たり前のこと。もちろん、ほかのショップで査定をされた上で、お越しいただくのは全く問題ありませんし、そうされるお客様が大半です。私達も大切にされてきたモデルは、できるだけ高額査定を出したいと思っておりますので、お気軽にお立ち寄りください!」 |
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Q2時計の素材によって査定額に影響はでますか? | A:現在は圧倒的にステンレススティールが強いです!! 「世界的なスポーツモデルブームで、ステンレススティールモデルに高額査定が出やすい傾向が高まっています。もちろん貴金属は原価が高いですから、絶対的な買取額は高くなりますが、換金率でいうとやはり今はステンレススティールが強いです。またゴールドの中で比較すると、日本ではピンクゴールドがイエローゴールドやホワイトゴールドより良い査定が出る傾向にありますね。残念ながらプラチナは最近下落気味です」 |
Q3今もっとも高額査定を受けやすいトレンドのカラーってあるんですか? | A:最近だとブルー文字盤が人気ですね。「色は流行がありますので、はっきり断言するのが難しいのですが、今ならブルーが人気です。その次に、ブラック、そしてホワイトもしくはシルバーという順番でしょうか。最近よく見かけるようになったグリーン文字盤は買取相場としてはあまり評価が高くないようです」 |
Q4機能やムーブメントによって査定額は変わるのでしょうか? | A:機能やムーブメントよりもモデルへの評価が一般的です。 「特定の機能が付いているから高額査定が出るということはあまりありません。ただ防水性が高いモデルは、水による内部のダメージが少ない可能性が高いので、その後のメンテナンス費用を考えると、買取はしやすいかと思います。また、ムーブメントに関しては、「バルジュー72」「ビーナス」など、歴史的なオールドムーブメントに関しては評価しますが、モデルそのものの価値を査定することが多いです」 |
Q5どんなことでもいいので高く売るテクニックってありますか? | A:ギャランティ(保証書)のサインはアルファベットで書きましょう。「最近は『ロレックス』をはじめ、新品購入時にギャランティにサインが必須になりつつあります。このサインなのですが、アルファベットでお書きになると売却時に有利になる可能性があります。というのも漢字でサインされているギャランティは次のオーナーが嫌がることが多いのです。やはり漢字だと前のオーナーがより想像できてしまうからだと思いますが、将来売却を視野に入れられている方は『サインは英字で!』と覚えておいてください」 |