「ロレックスを購入するなら新品と中古どちらを選んだら良い?」
「ロレックスを中古で購入する際の基礎知識が知りたい」
ロレックスを購入する際、新品と中古どちらを買うべきか迷う方は多いです。
人気が高いのは新品ですが、中古で購入する際の基礎知識が知りたいという人は多いのではないでしょうか。
「新品」と「中古」はそれぞれ購入する際にメリット・デメリットが存在します。
この記事ではロレックスを中古で購入する際のに知っておきたい基礎知識を、GINZA RASINスタッフ監修のもと紹介します。
店舗の選び方についても解説しますので、ロレックスの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
ロレックスを中古で購入する際に知っておきたいこと
①保証は一切ないの?
中古であってもロレックスは最高品質の高級時計です。フリマアプリやリサイクルショップだと保証がつかないこともありますが、時計専門店であれば殆どの店舗で保証が付きます。
正規店で購入する時と同じく、保証期間内に不具合が発生すれば、無料で修理を行ってくれます。
例えば当店であれば新品で2年間の保証、中古で1年間の保証が付きます。
店舗によって保証内容は異なりますが、概ね最低でも半年の保証がつくことが多いです。
②パーツ交換は行われているの?
買取したモデルの内部メンテナンスを行なった際に、パーツ交換が必要と判断された場合、日本ロレックスに依頼し、新しい純正パーツと交換することになります。
「中古ロレックスはパーツが純正じゃないモノに変えられているのでは?」と心配される方も少なくありませんが、よほど古いアンティークロレックスでもない限り、純正のパーツと交換されていることが殆どです。
中古のほうが性能が劣るというイメージを持たれるかもしれませんが、しっかりとメンテナンスを行えば新品とさほど変わらない状態に戻ります。
店頭に陳列する前に必ず精度を測定しますが、新品も中古もほぼ変わらないのが現状です。
ただ、ガラスや本体ケースに関しては交換することが難しく、傷がある場合はそのままの状態で販売されることがあります。(ガラスやケースを全て交換すると、新品よりも売値が高くなってしまう)
大半の個体は研磨によって綺麗な状態に戻りますが、凹みやカケに関しては、直すことができないこともあります。
③中古価格はどう決まる?
中古ロレックスの価格は並行新品価格や業者間市場の価格と連動して決まります。
モデルにもよりますが、新品同様の状態であれば、おおよそ新品価格の9割。年式の古いモデルであれば、新品の6割〜7割ほどの価格設定となることが多いです。
すでに生産が終了しているモデルに関しては業者間市場の価格や市場での実勢価格をもとに決定します。
業者間市場の価格は国内流通量や顧客の需要の大きさに応じて変動しており、日々時計の価値は変わっています(株や為替と同じような印象でしょうか)。
そのため先月は100万円で販売されていた個体が、今月は110万円ということは珍しくありません。業者間取引で仕入れ値が上がるため、それを売価に転嫁せざるを得ないのです。
店舗側としても100万円で仕入れた時計の価値が急落して、80万円で売らざるを得ないということもあります。相場動向を読む力はこの業界の肝ともいえます。
④リファレンスが同じでも価格が大きく異なるモデルがあるって本当?
価格が異なる一番大きな理由は年式です。ロレックスの価格は基本的に年式の新しいモデルほど高く、古いモデルほど安くなります。
当たり前といえば当たり前ですが、2000年製のモデルと2010年製のモデルでは、後者の方が市場価値は高いです。
ロレックスは製造期間の長いモデルが多く、10年以上のロングセラーも珍しくありません。
勿論同一リファレンスであっても、新しいほど高く、古いほど安いのは同じです。
バックルの違い、ルーレット刻印の有無、透かし刻印の有無、など、マイナーチェンジが行われることも多く新しい仕様であるほど価値は高くなります。
ただ、一部のモデルには特定の時期にしか見受けられない特徴を持つモデルも存在し、それらの個体は古い個体であっても新しい個体を上回る価値を持ちます。
例えば、旧型サブマリーナ「Ref.16610LV」。
このモデルの初期生産個体には、ベゼルの「40」のフォントが違う「ファット4」と呼ばれるモデルや、ダイアル6時位置の「SWISS」と「MADE」の間隔が通常よりも広い「ワイドスイス」を備えたレアな個体が存在します。
これらの個体は年式が古くても、価値が高いです。
また国際保証書の有無によって大きく価格が変わります。特に人気の高い現行デイトナだと、国際保証書の有無で30~50万円も価値が変わります。保証書も年代によってデザインが変わりますので最新の保証書が付いた個体ほど価値が高まる傾向があります。
⑤保証書が付属していないロレックスのだいたいの製造年を知る方法とは?
保証書が付属しているロレックスであれば、保証書に販売日が記載されています。その日付からおおよその製造日は予測できるでしょう(2020年の日付が書かれているのであれば、おおよそ2019~2020年頃に製造されたのではないか、など)。
しかし、保証書が付属していない個体はどのように製造年を判別すれば良いのでしょうか?
その答えはシリアルナンバーとバックルに隠されています。
ロレックスのシリアルナンバーは製造年ごとにあてがわれた、数字もしくはアルファベット+6桁数字です。年式によって法則性があるため、シリアル番号がわかれば、手持ちのロレックスがいつ頃製造されたモデルなのかを判断することができます。
1987年後半~2010年に製造されたロレックスは頭文字にアルファベットが配されたシリアルナンバーが刻まれています。
これらの個体は6時位置のブレスレットを外してケース側面を見ればシリアルナンバーを確認できます。
「STAINLESS STEEL」の刻印の下にシリアルナンバーが刻まれているので、気になる方は確認してみると良いでしょう。
2010年G番以降の個体は文字盤の見返り部分にシリアルナンバーが記載されています。これによりブレスレットを外さなくてもシリアルナンバーが確認できるようになりました。ルーレット状に番号が入るため、通称「ルーレット・シリアル」と呼ばれることも覚えておきましょう。
ただ、2010年以降はシリアルナンバーに規則性が無くなったことから製造年が推定できなくなっています。
そのため、この方法で製造年が確認できるのは2010年までの個体に限ります。
また、ブレスレットにはロゴの右に刻まれたアルファベット「クラスプコード」で製造年を判別するという方法があります。
シリアルナンバーとは別に、製造年によって割り振られた固有の番号が存在しますので、こちらからもおおよその製造年が割り出せます。
ただ、ブレスレットが交換されていると刻印が変わってしまうため、確実に製造年と時計が一致するわけではありません。
⑥中古は買い取ったらそのまま販売しているの?
時計専門店であれば、買取したモデルをそのままの状態で店頭に並べることは殆どありません。
買取後にメンテナンスやオーバーホールを施し、緻密なチェックを何回も行ってから店頭に出します。
使用期間が数ヶ月で全く問題のない個体などは、あえてオーバーホールを行わずに店頭に出すこともありますが、少しでも使用感のある個体は新品同様のコンディションに少しでも近づけるため、研磨やパーツ交換を行うのが通例です。
■買取から店頭に並ぶまでの流れ
・時計を買取する
・内部メンテナンス(パーツ交換や油差しなど)
・外部メンテナンス(研磨など)
・防水性能チェック
・最終チェック
・店頭に出す
買取した時計は上記のような流れで店頭に出荷されます。
どの工程も重要ですが、特に注目したいのはメンテナンスの工程です。
内部メンテナンスや外部メンテナンスは職人の技術力によって仕上がりが変わるため、同じような時計を買取しても、店舗によって品質に差が生まれます。
そのため、商品の品質に定評のある店舗で購入するのがコンディションの良い個体を手にするコツです。
口コミに優れる優良店であれば、満足いくハイクオリティーの時計が手に入ることでしょう。
尚、一部の質屋やリサイクルショップではメンテナンスを全く行わず、店頭に陳列する店ケースもありますので、そういった店舗では購入を控えることをお勧めします。またフリマアプリやCtoCオークションでは偽物が出回っているためお勧めできません。
中古ロレックスはとにかく店舗選びが大切!選び方7選
中古ロレックスはどこで時計を購入するかが重要となります。なぜなら同じ時計であっても、販売店舗によって品質が全く異なるからです。
正しい知識をもって店舗を選ばないと品質の悪いロレックスを掴まされる可能性があります。
正しい時計店の選び方① 繁華街の店舗を選ぶ
高級時計を購入するならば繁華街の店舗を選ぶ方が賢明です。
銀座や新宿といった繁華街に店舗を構えるお店は競争が激しく、質の低い時計屋は生き残ることができません。必然的に時計のクオリティは上がり、各種サービスも充実します。また熾烈な価格競争を行っているためリーズナブルな価格で購入することができます。
また、店舗の内装や外装にも拘っている時計店を選ぶのも賢い選択です。
高級時計は購入後もメンテナンスやアフターサービス等で購入店のお世話になることも多く、どうせなら綺麗なお店と長く付き合いたいとは思いませんか?
真の優良店は時計の品揃えや品質に加え、店舗の自体のブランド力にも拘ります。店舗が綺麗であることも優良店の特徴といえるでしょう。
正しい時計店の選び方② ロレックス専門店を選ぶ
中古ロレックスは主に中古を扱う時計専門店で購入できます。基本的には繁華街の時計専門店で購入するのがオススメですが、そのなかでもロレックス専門店を選ぶとよりベストです。
ロレックス専門店はその名の通りロレックスのみを扱う専門店です。最新モデルからレアなアンティークモデルまで幅広い在庫を取り揃えます。店員の商品知識・アフターサービス・保証、どれをとっても専門店ならでは手厚いサービスを受けることができます。
中古ロレックスを購入するのであれば、これ以上頼りになる店舗はありません。
正しい時計店の選び方③ 保証・アフターサービスが充実している店舗を選ぶ
優良店であれば間違いなくメンテナンスが施されてから店頭に時計が並びます。そして、もし購入後に不具合が生じてしまっても無料でメンテナンスを受け付ける保証期間も設けています。
仮に保証体制が整っていない店舗で中古ロレックスを購入し、数カ月の間に故障したとしましょう。
保証がある店舗で購入していれば無料で直してもらえますが、保証がない店舗で購入した場合は修理費は全て自腹になります。たとえ多少安く買えたとしても、結果的損をしてしまうわけです。
尚、優良店と呼ばれる時計店で保証のない店舗は存在しません。中古ロレックスの保証期間が1年以上設けてある時計店であれば優良時計店であるといえるでしょう。
正しい時計店の選び方④ 最も信頼できる情報は利用者の口コミ
保証が充実している店舗であること。繁華街の時計店であること。ロレックス専門店であること。正しい時計店を選ぶためのポイントは様々ですが、最終的に最も重要となるのは利用者の口コミです。
自社の買取サービスを悪くいう業者は存在しません。そのため、どの買取店舗のWEBサイトを覗いても本当に信頼できる店舗であるかどうかは確証が持てないのが現状です。
しかし、価格コム・楽天・ヤフーショッピングなどの口コミに関してはユーザーの率直な感想が記載されているため、信頼に値する店舗か否かを見極めることができます。
偽りの情報で塗り固めることができない口コミこそ、優良店を見分けるための最大のポイントなのです。
正しい時計店の選び方⑤ 価格が他店より異様に安い店は信用するべきではない
時計には相場があります。付属品完品で状態が良ければこのくらいの価格であるという目安があり、優良業者は相場に乗っ取った価格にて買取・販売を行っています。
そのため、異常な安売りが実施されることは殆どありません。
一社が独断で相場を崩すようなことがあれば、時計業界全体からの信頼を著しく失ってしまうからです。
異様な安売りを実施している店舗はメンテナンス費用を抑えて再販売している可能性があります。必ずしも安い=品質が悪いということにはなりませんが、ネットの口コミが悪く大幅な安売りをしている店舗は避けたほうが良いかもしれません。
尚、薄利で販売するため保証期間は短く設定されることが多いです。販売後に店舗側でメンテナンス費用を負担すると利益がなくなってしまうからです。
正しい時計店の選び方⑥ 展示されている時計に傷が目立つ店舗は避ける
一般的には「中古品はキズが多く汚い」と思われがちですが、高級時計に関してはそれは当てはまりません。冒頭でもお伝えしましたが、優良店であれば徹底的にメンテナンスが施されてから再販売されますので、店頭に傷だらけの時計が並ぶ可能性は低いです。
しかし、リサイクルショップや街の小さな質屋などではキズだらけのまま再販売することがあります。
時計以外にバッグやジュエリー、ギター、おもちゃ、着物などたくさんの商品を取り扱うお店は、時計だけに力を入れることができないのです。
また外装を研磨したりオーバーホールを行うなどのノウハウが無い店舗もあります。
そのような状態で販売されている時計はいつ故障するかわかりませんし、たとえ安く買ったとしても自費で修理をしなければならず、結果的に損をするでしょう。
また、ヤフオクやメルカリの個人出品は特に注意が必要です。メンテナンスをしている可能性は低いですし、スーパーコピーの可能性もあります。
購入後も何かあった時は相談ができるように、必ず実店舗を持ったお店で購入しましょう。
正しい時計店の選び方⑦ 店員の質が悪い店舗は避ける
中古ロレックスを購入する場合、新品を購入する時よりも「店員の質」が重要となります。
特にロレックス初心者・高級時計初心者にとっては分からないことだらけのはずなので、店員の商品知識は重要なウェイトを占めます。
中古ロレックスを扱う店舗ならば、普通はロレックスの知識に精通しているスタッフが在籍しています。しかし、一部の店舗では全然ロレックスに詳しくない方が接客を担当していることもあり得ます。
まだ経験の浅い店員ということもありますが、中には時計に詳しくない客に対し「専門用語を並べてごまかす」「時計のコンディションについて説明できない」「強引に購買に持ち込む」といった不誠実な接客スタイルが定着している店舗が存在することも事実です。
また、時計を実際に触らせてくれなかったり、試着をさせてくれない店舗も注意してください。陳列している時計を凝視されると不都合があるのかもしれませんし、そもそも対応が悪すぎるので信頼できる店舗とは思えません。
いずれにせよ、接客に違和感を感じたらその店舗での購入を考え直したほうがよいでしょう。
まとめ
■繁華街に店舗を構えている
■売り場が綺麗で、在庫数が多い
■店員の専門知識が豊富
■販売している中古ロレックスがどれも綺麗
■極端な安売りをしていない
■アフターサービスと保証が充実している
■口コミの評判がいい
これらの条件が揃った店舗であれば、どこでも安心して中古ロレックスを購入できると思います。
欲しい中古ロレックスが決まっているならば、欲しいモデルの在庫がある店舗で購入すれば良いですし、複数の店舗を比較してみるのも全然アリです。
それでも迷った時はGoogleで「●●店 評判」と検索してみることをオススメします。口コミが良い店舗は優良店と呼べるポイントを満たしている可能性が高いです。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年