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価格推移から見るロレックス サブマリーナの価値【2001年~2023年】
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「ロレックス サブマリーナって人気なの?」
「サブマリーナの価値について知りたい」
中古、アンティーク市場の中核を担うロレックス。
値崩れしないことで有名なブランドで、ともすれば生産終了モデルが現行の価格を上回ることもしばしば。
これは売る際、適正価格で買取がなされやすいことを意味しており、実際投資目的で買われる方も多いです。
「資産価値」というとデイトナやエクスプローラー、GMTマスターが挙げられますが、もう一つ欠かせないモデルがあります。
それは、世界的な人気とタフな作りから、「価値」の面でお得度ナンバーワンと言えるサブマリーナです。
そんなサブマリーナの価値について知りたいという人は多いのではないでしょうか。
サブマリーナは新品・中古ともに本当に人気の高いコレクションです。
この記事では歴代サブマリーナの価格推移から、現在の人気と価値について解説します。
サブマリーナの価値が高いわけについても解説しますので、ロレックスの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
歴代サブマリーナの価格変動と価値
ロレックス屈指のロングセラー・サブマリーナ。2020年のモデルチェンジで、人気・実勢相場ともに大きく高まり続けている一大コレクションですね。
本項では、歴代サブマリーナの中でも特に価格高騰が著しいモデルをピックアップしてみました!
グラフを見て驚かされるのは、ほとんど全てが右肩上がりを描いていること。初出からかなりの年を経ているものも、確実に相場を上げているのです。
では、価格高騰率が顕著なものは、一体どのようなモデルなのでしょうか。
※当店に入荷した中古個体をもとに平均を採っております。状態・仕様によっては大きく相場が上下することもあるので、参考程度にお読みください
ロレックス サブマリーナ Ref.5513
ケースサイズ:直径40mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.1520・1530
製造期間:1962年~1990年
1962年~1990年に生産されたサブマリーナの中でも超絶ロングセラーのRef.5513。初めてのアンティークウォッチとしても、大変高い人気を誇ります。
20世紀には特筆すべき値上がりはなかったものの、この20年でなんと8倍の上昇率!
Ref.5513は超ロングセラーのためかなりのマイナーチェンジが施されていますが、メタル枠の有無(フチなし/フチあり)のうち、1985年頃まで生産されていたフチなしがプレミアです(グラフはフチ有無問わず年間の平均から算出しています)。
さらにその中にもミニッツサークル、ミラーダイアル、メーターファーストなどの区分けがあり、5513の中には驚くべき値付けが行われるものも・・・!
特にレア仕様等ではなくとも相場が上がっていることも事実ですので、今後さらに値段が上がる&状態の良い個体が見つけづらくなる前に、買っておくべき一本ではないでしょうか。
ロレックス サブマリーナ Ref.1680
ケースサイズ:直径40mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.1570
製造期間:1965年頃~1980年頃
三番目の値上がり率を見せているのはRef.1680。
Ref.1680もまた1969年~1980年頃まで製造と比較的息の長いモデルでしたが、5513同様に大きな値上がりを見せているヴィンテージロレックスです。
なお、文字盤のサブマリーナ表記が赤くなった「赤サブ」、これはロレックスレアモデルのシンボルとも言えるものとなります。1960年代後半~1970年代中頃に製造された1680にのみ確認される仕様で、鮮烈なロゴの赤が特別感を醸し出します。
ちなみに赤サブの中でもさらにレアアイテムとされているのは、メーターファーストです。
コレクター垂涎の一本、もしご所有されていて使っていないと言う方がいらっしゃったら、一度査定だけでも出してみることをお勧めします。思わぬ買取価格が提示されることでしょう。
なお、特に「赤サブ」ではない個体も170万円台~と、大きな値上がり率を見せていることはご存知の通りです。
こういった年式の古いモデルは、時間の経過とともに状態の良いものがどんどん減っていく傾向にあります。ご購入をお考えの方は、ご自身が納得いくコンディションの個体に出会った時に、買っておくことをお勧めいたします。
ロレックス サブマリーナ Ref.14060M
ケースサイズ:直径40mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3130
製造期間:2000年頃~2011年
2000年~2011年に製造されたシンプルな先代ノンデイトサブ。
2007年以降クロノメーター化が図られています。
これを機にロレックスのノンクロノメーターは姿を消しました。
また同年にはインナーリングに刻印が入り(ルーレット刻印)、2007年から2011年までの生産分は特に人気を集めています。
ロレックス サブマリーナ Ref.16610
ケースサイズ:直径40mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3135
製造期間:1989年頃~2010年
1988年~2010年製造という、歴代サブマリーナの中でも5513に次いで非常に息の長かったデイトサブ。
20年以上も続くロングセラーのためか、ケースやブレスレット・夜光の仕様や、インナーリングやルーレット刻印(2007年)の偽造防止策など、随所で進化が著しかったモデルでもあります。
後継機の116610LNとケースサイズやスペックは変わらず、今なお非常に評価が高く、一大シリーズとしてその地位を築いています。
ロレックス サブマリーナ Ref.16610LV
ケースサイズ:直径40mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3135
製造期間:2003年頃~2010年
16610をベースに、サブマリーナ誕生50周年を祝して発売された初代グリーンサブ。その外観から「カーミット」といった愛称で海外では親しまれていますね。※カーミット…アメコミのキャラクター
当時は限定モデルとしてロレックスのコーポレートカラーをベゼルに用いていましたが、爆発的なヒットを受け定番入りを果たしました。
グリーンロレックスの先駆け的存在と言えます。
生産期間はわずか7年でしたが、マイナーチェンジが繰り返されており、中でもファット4やワイドスイス、ビッグスイス(ダイアル6時位置のSWISS MADEが大きい)などはかなりのプレミア価格となっています。
また、2020年にグリーンサブがモデルチェンジした折、このカーミットへ回帰したことから注目度を浴びており、今後ますますの値上がりが予測されるロレックスです。
なお、上記価格推移グラフには含まれていませんが、Ref.16610LVの「ファット4」「ワイドスイス」などと称されるレア仕様は、400万円近い値付けがなされるケースも見受けられます。
ロレックス サブマリーナ Ref.116610LN
ケースサイズ:直径40mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3135
製造期間:2010年~2020年
2010年のバーゼルワールドで発表された新型サブマリーナデイト。2020年のモデルチェンジまで、長らく現行モデルの顔を張ってきました。
なお、SSサブマリーナは今作よりベゼルにツヤのあるセラクロムが採用され、ラグジュアリーな質感が増したと話題になっていますね。ちなみにメモリはプラチナでコーティングされており、高級感・耐傷性などがさらに向上しています。
ドットタイプのインデックスが大型化されたりグライドロッククラスプが採用されたりと、サブマリーナ人気を押し上げる一本ともなりました。
生産終了によってこれまた相場が右肩上がりに上昇しており、2021年新作発表の影響もあってか多少は落ち着いたとは言え、誕生当初では考えられないような急騰を遂げています。
ロレックス サブマリーナ Ref.116610LV
ケースサイズ:直径40mm
素材:ステンレススティール
文字盤:グリーン
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3135
製造期間:2010年~2020年
同じく2010年に発表されたセラクロムベゼル搭載のグリーンサブ。
円相場の影響は受けるもののロレックスの最近のモデルの中でかなりの価格高騰を続けており、最も熱い一本となっています。やはりコーポレートカラーをあしらったグリーンベゼル×グリーン文字盤のデザイン性の高さ,セラクロムベゼルによる高級感等・・・スポーティーだけに拠らない、スタイリッシュなデザイン性が世界的に人気を博しているがゆえでしょう。
116610LNを超える実勢相場の高騰を遂げており、今後の動向から目が離せませんね。
ロレックス サブマリーナ Ref.114060
ケースサイズ:直径40mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3130
製造期間:2013年~2020年
14060Mの後継機として、2012年のバーゼルワールドで発表されたサブマリーナノンデイト 114060。
ノンデイトモデルでもセラクロムベゼルが搭載された他、夜光やクラスプ等、様々な仕様のブラッシュアップが行われました。
内臓される自動巻きムーブメントCal.3130の耐衝撃性・耐磁性もまた向上し、ロレックスが誇る最強ダイバーウォッチの一角を担います。
なお、前項でご紹介した116610LN・116610LV同様に2020年にモデルチェンジとなったことから、相場はかつてない急騰を描くこととなりました。もともと相場が落ち着いていたこともありデイトモデルほどではありませんが、狙っている方は早めに入手しておくのが吉ですよ!
ロレックス サブマリーナ Ref.126610LN
ケースサイズ:直径41mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3235
製造期間:2020年~
次にご紹介するのは、2020年に発表された最新サブマリーナ。そのため直近の相場動向をご紹介いたします。
新型サブマリーナは、近年ロレックスが意欲的に進めている次世代ムーブメントCal.3230を搭載したことで、飛躍的にスペックアップを遂げました。とりわけ従来48時間であったパワーリザーブが70時間に延長されたことは、特筆すべき点ですね。
また、長らく40mmサイズがスタンダードであったサブマリーナですが、当世代より41mmへとアップサイジングが図られます。
もっともデザイン面では先代と大きく変わらなかったことから相変わらずの人気を博しており、ご祝儀相場は落ち着いたと思いきや、常時定価を超えるプレミア相場で売買されています。
ロレックス サブマリーナ Ref.126610LV
ケースサイズ:直径41mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3235
製造期間:2020年~
同じく2020年、最新世代として発表されたグリーンサブ 126610LV。
16610LV時代のカーミットに回帰(先代116610LVはハルクと呼ばれてきた)したデザイン性,そしてもともとのグリーンサブ人気から、なかなか相場が落ち着かず、高値をキープし続けているモデルでもあります。
デリバリーから半年以上が経つ今なお230万円超のプレミア相場を維持しており、それでも「欲しい」という方は後を絶たず、当店でも在庫を切らしたくない一本です。
ロレックス サブマリーナ Ref.124060
ケースサイズ:直径41mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3230
製造期間:2020年~
ノンデイトの最新世代のサブマリーナ 124060です。
こちらも同じく41mmにアップサイジングされ、また次世代ムーブメントが搭載されることとなりました。
前述の通り、もともとノンデイトの相場は安定していたため、デイト有と比べるとそこまでの急騰は見受けられません。しかしながら定価1,084,600円を上回るプレミア相場となっており、やはり動向からなかなか目が離せない一本となっております(もっとも、定価も結構な急ピッチで値上がりしているのですが・・・)。
ロレックス サブマリーナの価値が高いわけ
上記のグラフで見ても、サブマリーナは値崩れしづらく、迷ったら「買い!」なモデルです。
では、なぜ価値が高くてお得なのか?解説していきたいと思います。
①人気があるから
ロレックスの全てのモデルに言えることですが、ロングセラーが多いながら、基本デザインは変わりません。
それは、時代を超えた普遍的なかっこよさがあるということ。
実際、国内のみならず世界的にも非常に人気が高く、永遠の定番としてこの先も君臨していくことに疑いはないからです。
今どの年代のモデルを買ったとしても、そのデザイン性や人気が「時代遅れ」となることは考えづらいのです。
②中古市場が確立しているから
これもまたサブマリーナに限ったことではありませんが、ロレックスは価値の落ちづらいブランドとして有名です。
車やカメラ、パソコンなど、精密機器は一般的に古いものほど価値が落ちます。
しかしロレックスは、むしろ生産終了した中古やアンティークが高い価値を持つことが往々にしてあるのです。
それは、時計が実用だけに留まらないため。
ただ時を知るためのものではなく、ステータスシンボルであったり、世界ナンバーワンの人気と知名度があったり・・・
ロレックスの中古市場が確立しているということは、中古でも高い相場で取引され、買取の際も適正価格を提示されやすいということ。
例えお手持ちのサブマリーナを普段からガンガン使っていたとしても、良い買取店を選べばまず買い叩かれることはないでしょう。
③ロレックスウォッチの品質の良さ
ロレックスが世界ナンバーワンの知名度と人気を持つ理由は、その品質の良さによるところが大きいです。
実際、長い潜水にも耐えうるダイバーズウォッチとして設計されているサブマリーナは、タフな構造が特徴。
現行モデルだけを例にとっても、耐腐食性に優れた904Lステンレス、水圧に耐えうるケース、衝撃、温度変化、磁気に強いムーブメントなど、日常使いに適した実用性と経年に対する強さを持っていることが、一大ヴィンテージ市場を築く大きな理由なのです。
同時に、メンテナンスをすれば一生ものの時計として使うことができるのも嬉しいところですね。
まとめ
東京 銀座にある当店GINZA RASINでも例年売れ筋トップテン入りのサブマリーナ。
新品・中古ともに本当に人気の高いシリーズとなります。
もちろん現行モデルも素晴らしいですが、リファレンス4桁時代のアンティーク、ヴィンテージもまた新品にはない味わい深さがあります。
サブマリーナに限らずデイトナ、エクスプローラー、GMTマスターにヨットマスター・・・
ロレックスは魅力的なロングセラーが多いため、今まで中古は購入候補になかった方も一度古き良きモデルを見てみれば、その魅力にとりつかれてしまうかもしれませんね。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年