「out of the blue―青天の霹靂(へきれき)-」
このワンセンテンスとともに発表一週間ほど前からティザー広告を流していたロレックス。
2020年9月1日、ついにそのベールが明かされました!
新型コロナ禍にも負けずにロレックスが打ち出した、2020年新作とは?
目次
ロレックス2020年新作 サブマリーナ ノンデイト 124060
出典:https://www.rolex.com/ja
スペック
外装
型番: | 124060 |
ケースサイズ: | 直径41mm |
素材: | ステンレススティール |
文字盤: | 黒 |
ムーブメント
ムーブメント: | Cal.3230 |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 約70時間 |
機能
防水: | 300m |
定価: | 854,700円 |
ロレックス渾身の2020年新作、第一本目はサブマリーナ ノンデイトです!
ティザー広告では深海を思わせる背景とともに、デイト表示のない夜光インデックスが光る・・・そんな演出がなされていたため、予想されていた方もいらっしゃったのではないでしょうか。
その広告以前はサブマリーナ デイトの方に大きな関心が寄せられていたものでしたが、蓋を開けてみればノンデイトがアップデートされることとなりました。
大きく再構築・再設計・更新されていることは言わずもがな。とりわけ特筆すべき点は、「ケースサイズ41mmへのアップサイジング」および「新世代ムーブメントへの移行」です。
詳しく解説いたします。
◆41mmサイズへサイズアップ
出典:https://www.rolex.com/ja
サブマリーナ ノンデイトは、長らく40mmのケースサイズをキープしてきました。
初期サブマリーナこそ37mmサイズであったものの、1963年に発表された第四世代Ref.5513(あるいは1959年発表のRef.5512)よりケース直径40mmへ。以降、40年にも渡りこのサイズ感を保ち続けてきました。
なお、いわゆる「現行」と言われてきたサブマリーナ ノンデイト 114060は2012年に発表されています。当然ながらケース直径は40mm。
しかしながらこの度、リファレンスを124060に変えて41mmサイズへと移行されたのです。
出典:https://www.rolex.com/ja
ケース直径を変えるというのは、ケースそのものの設計を変えることに他なりません。とは言え、ただ厚みを出したり大きくしたりするだけではないのがロレックス(むしろ厚みはそこまで変わっていないようです)。
新作サブマリーナ ノンデイトも、ケースが114060と比べて変わっているのですが、とにかくスタイリッシュに!
まだ実機同士で比較していないので詳細はわかりませんが、厚みが抑えられ、ラグもまたスリムに。41mmに大きくなったとは言え、美しいフォルムへと進化しました。
ちなみにラグ幅自体は21mmに(114060は20mm)。
2018年にアップデートされたシードゥエラー ディープシー 126660のように、ラグ幅が若干広く・ラグ自体がシャープにされました。
なお、リューズガードも手が加えられ、美しいカーブを描くこととなりました。
ベゼルや文字盤・ブレスレットデザインに大きな変更点はありません。直径はケースサイズと比例して大きくはなったものの、相変わらず男らしさと高級感を共存させる、銘デザインです。
◆新世代ムーブメントCal.3230
出典:https://www.rolex.com/ja
ご存知、ロレックスは近年「新世代ムーブメント」と称し、キャリバー移行を積極的に進めてきました。
具体的には、1980年代後半から「ロレックスの実用性」を担保してきたCal.31系が、順次32系へとアップデートされているのです。
ただ、これまではデイトジャストやGMTマスターII,ヨットマスター,シードゥエラー等、3針+デイト付きムーブメントが移行の主役でした。
しかしながら2020年、記念すべき第一作として、サブマリーナ ノンデイトにてこの移行を果たすこととなったのです。
新世代ムーブメント Cal.3230の特徴は様々ですが、「キーポイント」としては新しいクロナジーエスケープメント(脱進機),ニッケル・リン合金を使用したことによる高耐磁性,そしてパワーリザーブ約70時間の大幅延長です。
また、カレンダーをどの時間帯でも日付変更可能にしたことも特筆すべき特徴ですね。
Cal.31系は紛れもなく、素晴らしいムーブメントです。しかしながらパワーリザーブ約48時間と、「土日に自動巻き腕時計を外していても時間は止まっていない」がスタンダードの現在、やや短いきらいがありました。
そこでロレックスでも、当スタンダードの約70時間パワーリザーブを搭載させることで、死角のないダイバーズウォッチへと進化しました。
◆価格&販売時期
新型サブマリーナ ノンデイト 124060の定価は税込854,700円。114060は定価832,700円だったので、2万円程の価格差となります。
すぐにブティックで発売されるとのことですが、ただでさえ品薄のスポーツロレックス。
入手するのは、至難の業かもしれませんね。
ロレックス2020年新作 サブマリーナ デイト 126610LV/126610LN
出典:https://www.rolex.com/ja
スペック
外装
型番: | 126610LV/126610LN |
ケースサイズ: | 直径41mm |
素材: | ステンレススティール |
文字盤: | 黒 |
ムーブメント
ムーブメント: | Cal.3235 |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 約70時間 |
機能
防水: | 300m |
定価: | 1,009,800円(LV)/965,800円(LN):いずれも税込 |
やはりと言うべきか、デイト付きサブマリーナの方も、アップデートされています!
2020年新作サブマリーナ デイト 126610LVおよび126610LNは、やはり青天の霹靂。
とりわけ、126610LVの文字盤が黒に回帰するとは、誰が想像したでしょうか(もっとも、リーク画像がそこそこ出回っていたようですが・・・)。
詳細をご紹介します。
◆外装アップデート
出典:https://www.rolex.com/ja
サブマリーナ デイトもまた、直径41mmへと変更されています。
これに併せて、ケース設計もリファインされることとなりました。
ラグ幅は太くなりそれに合わせてラグはダウンサイジング。シャープな印象が強くなりますね。
こちらはノンデイトと歩みは一緒です。
しかしながら多くのファンを騒然とさせているもの。
それは、長らく「ハルク」の愛称で親しまれてきたグリーンサブが、ブラックダイアルを備えたことでしょう。
このデザインコード自体は、サブマリーナ50周年を記念して2003念にリリースされたRef.16610LVから始まります。
※2003年に登場した16610LV
ちなみにこちらはカーミットと呼ばれていました(ハルクはアメコミに登場するヒーローで、カーミットはセサミストリートのキャラクター。いずれも外装デザインが似ていることから、海外ではこの愛称で呼ばれている)。
ただし、当時はアルミベゼルが用いられていましたが、2020年新作は今をときめくセラクロムベゼル。
そのため現代的なスタイリッシュさが保たれています。
出典:https://www.rolex.com/ja
なお、黒サブ 116610LNの後継機126610LNは、デザインに大きな変化は見られません。
ただし41mmサイズとなったことで、より存在感を放つ一本となったことでしょう。
◆新世代ムーブメントCal.3235
出典:https://www.rolex.com/ja
ノンデイト124060と同様に、こちらも新世代ムーブメントが搭載されています。
やはり高効率と高耐磁性、そして約70時間のロングパワーリザーブを備えています。
とは言え、Cal.3235自体は新しくありません。
シードゥエラー 126600やディープシー 126660,ヨットマスター 126622等、新型マリン系への搭載が目立ちます。
さらにかっこよく、さらに機能的になったサブマリーナ デイト。
2020年は過去最高を更新する勢いで相場を上昇させていましたが、新型の登場で新旧ともにますます注目度が高まることは想像に難くありません。
◆価格&販売時期
定価は126610LVの方が1,009,800円,126610LNの方が965,800円と、グリーンサブの方がやや高額となります。
こちらは116610でも同様でしたね。
同じく販売時期はすぐとのことですが、いったい手に取れるのはいつになるのでしょうか・・・
ロレックス2020年新作 サブマリーナ コンビおよび金無垢
スペック
外装
型番: | 下記参照 |
ケースサイズ: | 直径41mm |
素材: | SS×YG,WG,YG |
文字盤: | 青または黒 |
ムーブメント
ムーブメント: | Cal.3235 |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 約70時間 |
機能
防水: | 300m |
定価: | 下記参照 |
サブマリーナ屈指のラグジュアリーライン・コンビと金無垢も5つのリファレンス全てがアップデートされました!
コンビは青が特徴的な126613LB,スタンダードな黒の126613LN。
金無垢ではホワイトゴールドの126619LB,イエローゴールドの126618LBまたは126618LNです。
出典:https://www.rolex.com/ja
全てが41mmケースサイズとなり、ムーブメントもCal.3235へと移行しました。
これまでステンレススティールと比べると定番外しであったコンビや金無垢ロレックス。
しかしながら高級時計市場がますます大規模化する中で、人々のニーズを確実に掴んでいき、とりわけサブマリーナのような人気モデルはコンビ・金無垢も品薄に。
確かにダイバーズウォッチらしい精悍さとラグジュアリー感が共存して、非常に魅力的なモデルに仕上がっていますね。
定価は以下の通りです。
コンビが1,509,200円(黒・青いずれも),WGが4,195,400円,YGが3,906,100円(黒・青いずれも)。全て税込みです。
こちらも時機を待たずして、販売スタートするとのことです。
ロレックス2020年新作 オイスターパーペチュアル41 124300他
出典:https://monochrome-watches.com/2020-rolex-oyster-perpetual-41-reference-124300-specs-price/
スペック
外装
型番: | 124300他 |
ケースサイズ: | 直径41mm |
素材: | ステンレススティール |
文字盤: | シルバー,青,黒等 |
ムーブメント
ムーブメント: | Cal.3230 |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 約70時間 |
機能
防水: | 100m |
定価: | 621,500円(税込) |
デイトジャストの廉価版として誕生するものの、どこかスポーツロレックスにも通じる使いやすさやシンプルさが底堅い人気を維持してきたオイスターパーペチュアル。
文字盤デザインやサイズが豊富なこともシリーズの特徴で、とりわけサイズは現行モデルで39mm、36mm、34mm。レディースで26mm、ボーイズ(男女兼用モデル)で31mmとなっていました。
しかしながら、この度41mmサイズが追加されています!サブマリーナと足並みを揃えたのでしょうか。
オイスターパーペチュアルのビッグサイズ、これはかなりの需要が見込まれそうですね!
もともと廉価版とは言え、機能性の高さにも定評があったオイスターパーペチュアル。
100m防水のオイスターケース・ブレスレットにバックルはイージーリンクを備えており、5mmの長さ調節が可能な仕様となっております。
スムースベゼルや視認性の高い文字盤もスッキリと見やすく、どんなシーンにも着けていけると話題でした。
出典:https://monochrome-watches.com/2020-rolex-oyster-perpetual-41-reference-124300-specs-price/
さらに言うと、41mmという新型ケースのみならず、文字盤にも新たなカラバリが追加されています!
定番のシルバーや黒の他、グリーンやオレンジといった色合いも!
ロレックスには珍しい遊び心ですね。
出典:https://monochrome-watches.com/2020-rolex-oyster-perpetual-41-reference-124300-specs-price/
搭載するムーブメントはサブマリーナ ノンデイト 124060と同様にCal.3230。
見て楽しく、使って嬉しいモデルになることは間違いありません。
ちなみにロレックスカタログを見ると、どうも39mmサイズはなくなったようです。
これからはメンズラインでは、41・36・34mmの三本柱でいくのでしょう。
楽しいカラバリの実際の色味を見ることも楽しみな新作の一つです。
出典:https://www.rolex.com/ja
なお、同時発売された36mmサイズの新型オイスターパーペチュアルにもCal.3230が搭載されています。
この他の新作としては34mmサイズおよび28mmサイズも新作が出ており、ムーブメントはCal.2232、新色がお楽しみ頂けるでしょう。
ロレックス2020年新作 スカイドゥエラー 326238/326235
出典:https://www.rolex.com/ja
スペック
外装
型番: | 326238/326235 |
ケースサイズ: | 直径42mm |
素材: | イエローゴールド/エバーローズゴールド |
文字盤: | 黒,シャンパン,白等 |
ムーブメント
ムーブメント: | Cal.9001 |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 約72時間 |
機能
防水: | 100m |
定価: | 4,228,400円/4,383,500円(税込) |
お待たせしました、スカイドゥエラーの新作です!こちら気になっていた諸氏、多いのではありませんか?
スカイドゥエラーは2012年に誕生した、ロレックス屈指のコンプリケーションモデルです。
GMT機能を備えているのですが、GMTマスターII(あるいはその他GMT搭載モデル)と大きく異なるのは、第二時間帯の表示方法。
文字盤中央よりやや下に備えられた24時間ディスクを使って、24時間表示を行うというスタイルなのです。
さらには「サロス」と名付けられた年次カレンダーが付属しており、文字盤外周の小窓が赤く染まることでカレンダー表示を行う機構は、まさにユニーク。
コンプリケーションであること。高価格帯であることから定番と言うわけではありませんが、「人と違ったロレックスが欲しい」「ワンランク上のロレックスが欲しい」といった層からニーズを誇ってきました。
出典:https://www.rolex.com/ja
そんなスカイドゥエラーに、なんとオイスターフレックス搭載機が新たに登場しています!!
オイスターフレックスと言えばロレックス独自で展開するラバーストラップラインで、主にヨットマスターとデイトナの金無垢モデルに採用されてきました。
オイスターフレックスはきわめて強度に優れ、かつ装着感にも考慮されている素材であるにもかかわらず、ハイエンドラインにしか用いられていないのです。
そんなオイスターフレックス×屈指のハイエンド・スカイドゥエラーのコンビネーションはまさに圧巻。
出典:https://www.rolex.com/ja
デイトナ 116519LNも金無垢モデルとしては珍しい圧倒的な需要と相場を誇りますが、新型スカイドゥエラーもその勢いに追随することでしょう。
なお、オイスターフレックス以外に変更点はありません。
相も変らぬコンプリケーションをお楽しみいただけます。
ハイエンドだけあり定価400万円超えの高価格帯ですが、個人的には最も実機を見てみたい新作の一つです。
当記事の監修者
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年
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