ロレックスと並び当店で常に高い人気を誇っているブランド オメガ。圧倒的な知名度を誇っており、「高級時計を購入しよう」と思った時、まず候補に入れる方も多いのではないでしょうか。
そんなオメガは、エントリーモデルからハイエンドモデルまで幅広いラインナップが用意されていることもまた魅力!そのため30代~40代の男性を中心に多くの方々から支持を集めてきました。
そんな多数あるオメガウォッチの中で、最も売れているのはどのモデルなのでしょうか。
そこでこの記事では、東京銀座にある腕時計専門店GINZA RASINの売上データを基に、2024年も売れるモデルをピックアップしてみました!
オメガは素晴らしいモデルばかりのため、「どれにしよう?」と考え込んでしまうこともしばしばです。迷ったら、多くの方から選ばれ続けている一本を手に取ってみませんか?
※掲載する定価・相場は2024年1月現在の情報となります。
目次
第10位 オメガ シーマスター アクアテラ 220.10.41.21.03.001
シーマスター アクアテラ 220.10.41.21.03.001
[駆動方式] 自動巻き
[キャリバーNo.] Cal.8900(コーアクシャル/マスタークロノメーター)
[パワーリザーブ]約60時間
[ケース材質]ステンレススティール
[ケースサイズ]直径41mm
[文字盤]ブルー
[防水]150m
10位にランクインしたのは、スポーツエレガンスを体現した「シーマスター アクアテラ」です。こちらもまた、オメガにとっては定番中の定番で、例年必ず売上トップ10以内に入る、人気どころです。
アクアテラを「スポーツエレガンス」と表現しました。これは、逆回転防止ベゼルや厚みのあるケース・ブレスレットなど、ダイバーズウォッチにありがちな武骨さの一切をアクアテラは省かれており、ビジネスシーンにマッチするエレガンスを全面に押し出したシリーズであるためです。優美なラインを描くケースはポリッシュ仕上げと鏡面仕上げを両立することで高級機らしい風格を漂わせており、オメガの中でも特別な存在感を発揮します。
防水性は150mと、他のシーマスターシリーズに比べればやや低くなるものの、日常使いには十分すぎるスペックと言えるでしょう。
ちなみに2002年に誕生していますが、1981年~製造されたシーマスター120Mにその範を取ったコレクションです。
アクアテラには現行ケースサイズが41mmまたは38mm(生産終了品には41.5mmおよび36mmあり。また、レディースであれば28mmも)のラインナップとなっておりますが、断然人気は41mmサイズ!小さすぎず大きすぎず、でも存在感は抜群です。
アクアテラもまた2017年のモデルチェンジによってマスタークロノメータームーブメントが搭載されることとなりましたが、加えて文字盤のチークコンセプトが縦じまから横じまに変更されました。
とは言え、初出時から大きくデザインを変えてはおらず。そのためアイコニックな顔立ちは一目でオメガと視認され、時計に詳しい同僚や上司などと会話がはずむ…と言ったお話も伺います。
41mmサイズとは言え、決して大きすぎることはありません。
むしろアクアテラは自動巻きでありながらも約13mm程度のケース厚しか持っておらず、ビジネススーツで悪目立ちしない装いとなってくれることでしょう。
また、3針+デイトのみというシンプルさは汎用性が高く、幅広い男性から愛されてきた結果、例年人気ランキング上位に君臨するという実力者というのも、さもありなん。
第9位 オメガ シーマスター ダイバー300M 210.30.42.20.03.001
シーマスター ダイバー300M 210.30.42.20.03.001
[駆動方式] 自動巻き
[キャリバーNo.] Cal.8800(コーアクシャル/マスタークロノメーター)
[パワーリザーブ]約55時間
[ケース材質]ステンレススティール
[ケースサイズ]直径42mm
[文字盤]ブルー
[防水]300m
第9位は、シーマスター ダイバー300Mです!今、シーマスターの中で「最も熱い」と言っていいでしょう。
ダイバー300Mは、その名の通り300m防水を誇るシーマスターです。シーマスターの基幹モデル的な立ち位置となります。
1993年に誕生しているのですが、2018年は25周年を迎えるとあってフルモデルチェンジを果たしました。具体的な変更点としては、初代意匠に見られたウェーブ装飾の文字盤を採用したこと。また、全てのモデルでコーアクシャル×マスタークロノメーターと言う最新世代のムーブメントを搭載させたことです。
そんなダイバー300Mはカラーリングや素材にバリエーションがあります。
しかしながらこのブルー文字盤のモデルは、例年の売れ筋モデル!2018年の登場以来、ほぼ毎年TOP5には入っている、定番中の定番カラーとなっております。
ダイバー300Mの他モデルの、オシャレ度の高いものや斬新なもの・高級感に溢れるものなど、いずれも魅力的ですが、やはり定番は強いな、という印象です。
普通、これだけ派生モデルが多いとどうしても人気が分散しがちなのですが、そんな中で突出して売れているというのは驚くべきことです。
出典:https://www.omegawatches.jp/watch-omega-seamaster-diver-300m-co-axial-master-chronometer-42-mm-21030422003001
ちなみに、ダイバー300Mの前世代である「プロダイバーズ」でも、青文字盤がよく売れました。
オメガウォッチの全てに言えることですが、奇抜な派生モデルと定番モデルをともにラインナップすることで、幅広い層をファンとして獲得することに成功しています。「定番が欲しい」といった方から「オフスタイルに着けるファッショナブルな一本が欲しい」といった方まで、多くのニーズをくみ上げているのです。
ただ、こういったブランディングは人気が分散しがち。その中でも圧倒的な売上を誇る「ブルー文字盤」というのは、それだけ多くの時計ユーザーにとって魅力的なカラーなのでしょう。
こういった背景から、新品並行相場は60万円台~。需要が高いモデルであるため、市場の動きは活発です。
他のモデルと比較すると価格変動も少なく、買うにしても売るにしても安定感のあるモデルと言えるでしょう。
第8位 オメガ スピードマスター レーシング 326.30.40.50.01.001
スピードマスター レーシング 326.30.40.50.01.001
[駆動方式] 自動巻き
[キャリバーNo.] Cal.3330(コーアクシャル)
[パワーリザーブ]約52時間
[ケース材質]ステンレススティール
[ケースサイズ]直径40mm
[文字盤]ブラック
[防水]100m
第8位にランクインしたのは、スピードマスター レーシングです!
スピードマスターは、オメガのフラグシップコレクション。
とは言え、一番に思いつくモデルは手巻きクロノグラフのスピードマスター プロフェッショナル「ムーンウォッチ」ではないでしょうか。
もちろんムーンウォッチは最もアイコニックな腕時計の一つですが、スピードマスターにもまた様々な派生コレクションが存在し、これがまた楽しいんです!
そんな中でスピードマスター レーシングは、文字通りレーシーなデザインが人気のコレクションです。スピードマスターと言うとNASAの公式装備品として月面着陸したイメージが強いかもしれませんが、「スピード」の名を冠する通り、もともとはモーターレースを視野に入れて1957年に開発されたクロノグラフモデルでした。
誕生当初からパワフルなエンジンにも耐えうる堅牢性や優れた視認性を有していたからこそ、宇宙開発プロジェクトにもうってつけだったと予測できますね。
そんなスピードマスターのレーシングスピリットを強調したレーシングモデル。さらにこの中でもサイズや文字盤にバリエーションがありますが、人気ランキング第9位となったのはベーシックな40mmサイズのブラックタイプです。
100m防水と扱いやすいスペックを維持する堅牢なケースや視認性高い文字盤、ソリッドバックのシーホースはオメガらしさに溢れます。
なお、クロノグラフのインダイアル部分にはクル・ド・パリ装飾が施されているところに、心憎さを感じさせますね。
さらにスピードマスター レーシングの魅力を付け加えると、それは手の届きやすい価格にあります。
と言うのも、こちらのスピードマスター レーシングはETAのCal.7753をベースとしていることが特徴です。Cal.7753はCal.7750の横目クロノグラフですが、この幅広く普及している汎用機をベースとすることで、コストを抑え良心的な価格設定を実現しているのです。もっとも、コーアクシャル脱進機を搭載していることは言わずもがな。磁気の影響を受けやすいヒゲゼンマイをシリコン製にしたり、あるいはフリースプラングテンプとするなど、しっかりとオメガらしいモデファイが加えられているのだから恐れ入ります。
こういった背景から、スピードマスター レーシング Ref.326.30.40.50.01.001の実勢相場はは、新品であっても45万円台~。中古なら状態や年式にもよりますが、40万円前後~入手できるというハイコストパフォーマンスを誇ります。
ただし気を付けたいのが、スピードマスター レーシングも現行はマスタークロノメーター化が図られ、Ref.326.30.40.50.01.001などは生産終了してしまった、という点です。
しかしながら、まだ新品も出回っており、また製造期間の長さゆえに中古市場でも状態の良い個体が見つかりやすいモデルでもあります。生産終了から年数を経て、手に入りづらくなってしまう前に。買っておきたいモデルですね!
第7位 オメガ スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル コーアクシャル 310.30.42.50.01.002
スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル コーアクシャル 310.30.42.50.01.002
[駆動方式] 手巻き
[キャリバーNo.] Cal.3861(コーアクシャル/マスタークロノメーター)
[パワーリザーブ]約50時間
[ケース材質]ステンレススティール
[ケースサイズ]直径42mm
[文字盤]ブラック
[防水]50m
第7位に輝いたのは、スピードマスター プロフェッショナルの現行モデル Ref.310.30.42.50.01.002です!
こちらはシースルーバックを採用したモデルとなっており、現代的なスペックを有します。
ムーブメントは最新世代へとアップデートされましたが、ディテールはむしろ往年の名作を思わせるのも、新型の魅力の一つ。
と言うのも新型スピードマスター プロフェッショナル、歴代モデルで見られたいくつかの仕様が採用されているのですが、とりわけ第四世代にあたるRef.ST105.012のDNAを随所に感じさせます。
※ST105.012
スピードマスターの第四世代は1964年に製造がスタートし、現行モデルの土台を完成させたと言われています。
ケースが左右非対称となり、3時側にリューズガードが追加。また、1966年にNASAの宇宙飛行士標準装備品として正式採用されたことから、以降、文字盤に「PROFESSIONAL」と表記されるようになりました。
この往年の名作を思わせるのが、ステップダイアル―通称「段付き文字盤」―でしょう。文字盤に外周・内周で段差が設けられており、フラットなイメージの強かった顔立ちに立体感が加わりました。これに伴い、インダイアルにも段が付けられています。
また、ドット・オーバー90およびドット・ダイアゴナル・トゥ70の採用も特筆すべき点です。
これは、タキメーター90のドット印字が、従来は数字のすぐ横であったことに対し、最新作のスピードマスター プロフェッショナルでは、90の斜め上にドットが描かれています。また、70位置も変更され、数字に対して斜め位置にドットが打たれました。
さらにクロノグラフ針の根本は第三世代,第四世代に見られる菱形となり、先端が大胆に曲げられています。非常にノスタルジックですね。
※曲げ針はかつて視認性の向上のために用いられた仕様です。針とインデックスの距離を近づけるために、職人が手作業でデザインを損ねないよう、若干の曲げを加えていたのです。近年では文字盤や針・インデックスの質の向上からその必要性がなくなってきましたが、新型スピードマスター プロフェッショナルではあえて採用されているようです。
ボックス型に加工されたサファイアクリスタルガラスやアルミベゼルも、好きな方には堪らないディテールと言えるでしょう。
なお、アルミベゼルは傷や変色といった経年変化に晒されやすいパーツの一つですが、陽極酸化処理が施されており、通常アルミよりも高硬度となっております。
スピードマスター プロフェッショナル Ref.310.30.42.50.01.002 の新品並行相場は90万円台前半~。オメガの中では高めの価格帯とはなりますがスピードマスターの完成形としてはむしろコストパフォーマンスに優れるモデルだといえます。
第6位 オメガ スピードマスター プロフェッショナル スヌーピー アワード 310.32.42.50.02.001
スピードマスター プロフェッショナル スヌーピー アワード 310.32.42.50.02.001
[駆動方式] 自動巻き
[キャリバーNo.] Cal.3861(コーアクシャル)
[パワーリザーブ]約52時間
[ケース材質]ステンレススティール
[ケースサイズ]直径42mm
[文字盤]ホワイト/ブルー
[防水]100m
第6位にランクインしたのは、スピードマスター プロフェッショナル スヌーピー アワード 310.32.42.50.02.001。
アポロ13号をはじめとするオメガの宇宙探査への貢献を称えて1970年にNASAの宇宙飛行士から贈られた「シルバー スヌーピー アワード」に敬意を表し、50周年を記念して制作されたモデルです。
42mmのステンレススティール製ケースにブルーのナイロン製ファブリックストラップを組み合わせ、ストラップの裏地にはアポロ13号の軌道がエンボス加工で描かれています。9時位置のブルーのサブダイアルにはスヌーピーをかたどったエンボス加工のシルバー製メダリオンがあしらわれ、特別感のある一本に仕上がっています。
可愛らしいデザインである一方、エレガントなケースラインやポリッシュ仕上げ・ツヤ消し仕上げで立体感を演出することで、高級機としての風格も忘れていません。
高級腕時計らしい意匠や仕上げに代表される丁寧な仕事も楽しめるのが、さすがオメガウォッチですね。
搭載するムーブメントは近年、オメガが意欲的に搭載するコーアクシャル×マスタークロノメータームーブメント。
スヌーピー アワードも、この高性能機を搭載させることとなりました。
コーアクシャルはオメガならではの脱進機で、従来品よりもパーツ摩耗を低減することが大きな特徴です。これによってオーバーホールスパンを延長することに成功しました。
マスタークロノメーターはスイス連邦軽量・認定局(METAS)とオメガが共同開発した規格です。対象の時計には8つの厳格なテストが課されますが、中でも特筆すべきは15,000ガウスもの高磁場下での精度維持です。磁気はアナログ時計にとって不具合の大きな要因となるため、各社が耐磁時計の製造に乗り出していますが、15,000ガウスという数値での耐磁性能は時計業界トップクラスと言って良いでしょう。
スピードマスター プロフェッショナル スヌーピー アワード 310.32.42.50.02.001の新品並行相場は250万円前後~。
アニバーサリーモデルであるためリーズナブルな価格とはいえませんが、現在もなお根強い支持を得ています。
第5位 オメガ シーマスター300 マスタークロノメーター 234.30.41.21.01.001
シーマスター300 234.30.41.21.01.001
[駆動方式] 自動巻き
[キャリバーNo.] Cal.8912(マスタークロノメーター)
[パワーリザーブ]約60時間
[ケース材質]ステンレススティール
[ケースサイズ]直径41mm
[文字盤]ブラック
[防水]300m
第5位としてご紹介するのは、初期シーマスターを現代風にリファインした、クラシック調が大人気のシーマスター300です!ちなみにシーマスターとスピードマスターはともに1957年にローンチされました。
※1957年当時のシーマスター(画像出典:https://www.omegawatches.jp/ja/watches/seamaster/seamaster-300/the-collection/product)
※シーマスターは既に1948年からリリースされていましたが、本格プロフェッショナルダイバーズウォッチとしてのスタートは1957年です。
こちらのシーマスター300は、ハイスペックなダイバー300Mやプラネットオーシャン、あるいはスマートなアクアテラとは一味違った趣があり、他のモデルとは一線を画したヴィンテージ風の落ち着いた色使いが特徴的です。
2014年に発売されて以来、だいたい人気ランキングを集計すると第1位か第2位を席捲するコレクションでしたが、2021年にモデルチェンジ。そのモデルチェンジによって生み出された新型シーマスター300が、こちらのRef.234.30.41.21.01.001です。
出典:https://www.omegawatches.jp/ja/
1957年発表のCK2913に範を取ったデザインは先代と共通していますが、いっそうのヴィンテージテイストをまとったのが、新型シーマスター300 Ref.234.30.41.21.01.001の特徴です。
エイジングしたかのようなスーパールミノヴァ夜光が、良い雰囲気ですよね。
また、サンドイッチ文字盤となっていることも、この新作モデルの魅力です。
サンドイッチ文字盤とはプレートを二重構造とした文字盤で、夜光塗料を塗ったプレート上に、インデックス部分を穴開けしたプレートを重ね合わせたものです。夜光が経年劣化した時、何度でも容易に塗り直しができるようにと考えられた仕様です(厚く塗ることで滲んでしまい、数字が見えづらくなるのを防いでくれた側面もあったようです)。
往年のパネライで有名な仕様ですが、これが採用されることでグッとオールドツールウォッチのテイストが強調されることとなりました。
ドーム状のサファイア風防やロリポップ秒針と相まって、現行にはあまり見受けられなかった風合いを醸し出しております。
なお、スピードマスター プロフェッショナルにも言えることですが、シーマスター300のベゼルはアルミ製です。アルミはヴィンテージウォッチでおなじみのベゼル素材ですが、経年変化や傷への耐性はそう高くはありません(それゆえ、使い込んでいくうちにエイジングされるアルミベゼルが堪らないとも言えるのですが)。そこでオメガでは、アルミにシュウ酸陽極酸化処理を施すことで、剛性を実現してもいます。
もちろんオメガらしく、性能は最新型。
コーアクシャル×マスタークロノメータームーブメントCal.8912を搭載。耐磁性や高精度、優れた信頼性を担保する名機であることは、これまでご紹介してきた通りです。
そんな新型シーマスター300 Ref.234.30.41.21.01.001の新品並行相場は70万円台前半~。
まだ新作発表から3年経たない程度で、流通しきっていないがゆえ、若干高めの値付けが行われる傾向にあります。
もっとも後述しますが、大人気シーマスター300は人気の高さ+人気すぎて品薄傾向が強いことから、リセールバリューの高さでも注目されている一本時計でもあります。
こういった人気かつ定番モデルは値崩れしづらく、そのためイニシャルコストが高かったとしても、売却時に大きく損をしないという強みを有します。
第4位 オメガ シーマスター300 233.30.41.21.01.001
シーマスター300 233.30.41.21.01.001
[駆動方式] 自動巻き
[キャリバーNo.] Cal.8400(マスターコーアクシャル)
[パワーリザーブ]約60時間
[ケース材質]ステンレススティール
[ケースサイズ]直径41mm
[文字盤]ブラック
[防水]300m
第4位は、初期シーマスターを現代風にリファインした、クラシック調が大人気のシーマスター300です!
第5位で2021年発表シーマスター300をご紹介いたしましたが、こちらのRef.233.30.41.21.01.001はその先代に当たります。例年ナンバー1か2の人気を誇っており、生産終了によってやや順位は下げたものの、相も変わらず圧倒的人気を示唆するような結果となりました。
こちらのシーマスター300は、メカニカルなプロダイバーズやプラネットオーシャン・スマートなアクアテラとは一味違った趣があり、他のモデルとは一線を画したヴィンテージ風の落ち着いた色使いが特徴的です。
第7位の項でもご紹介した通り、初代シーマスター CK2913の復刻として2014年にリリースされたのが、シーマスター300です。
1932年、「マリーン」として時計業界で角型防水時計に先鞭をつけたオメガ。さらに1957年のシーマスター300も、独自の高耐圧リューズ(ギリシャ神話の水の妖精にちなんでナイアス式と呼ばれた)や高強度スティール製リングを用いるなどして、200m防水を実現しておりました。1950年代のこの当時は、既にブランパンのフィフティファゾムスやロレックスのサブマリーナーなどといったダイバーズウォッチがリリースされておりましたが、シーマスター300も同ジャンルの黎明を担う重要な存在となっております。
余談ですが、スピードマスターはもともと、シーマスターの派生コレクションとして登場しています。
そんな歴史的名作のリバイバルだけあって、雰囲気は抜群。
セラミック製ベゼルやサファイアクリスタルガラス等、現代的な素材にアップグレードする一方で、往年のベゼル意匠や文字盤デザイン、またドーム型ガラスなどといったディテールを添えており、現代ウォッチとは異なるテイストを存分にお楽しみ頂ける一本です。
マットなブラックの文字盤から一段低くデザインされたベージュのインデックスですが、夜になればスーパールミノバ夜光が青白く輝き、別の顔を見せてくれます。
搭載するムーブメントはCal.8400。
コーアクシャル脱進機を搭載しており、またマスタークロノメーター認定機ではありませんが、耐磁性能をも有した実用機となっております。
なお、シーマスター300 Ref.233.30.41.21.01.001は、2020年8月頃から価格がジワジワ高騰している点が見逃せません。
2020年当時は新型コロナウイルスの影響で輸入品の流通が低減。品薄が加速した背景などが影響したでしょうが、さらに2021年の生産終了によって、ほんの数年前より数万円~10万円程度も値上がりを果たすこととなりました。
現在は状態にもよりますが中古相場50万円台半ば~と、依然として高値傾向が続いております。
一方で品薄ゆえに業者では在庫確保が至上命題となっており、これは現在所有されている方にとって売り手市場になっていることを示唆しています。ロレックスやオメガなどの人気の高級ブランドは、「使わなくなった時」あるいは「別の時計が欲しくなった時」に、現金化しやすいというメリットがあります。オメガは比較的どのモデルもリセールしやすいのですが、とりわけシーマスター300のように安定して高値堅調の製品は高価買取の対象です。
すなわち、いわゆる「資産価値」の高い時計の一つがシーマスター300であり、ご購入を迷っている方は、一つの検討材料にしてみてはいかがでしょうか。
第3位 オメガ シーマスター ダイバー300M コーアクシャル マスタークロノメーター007 210.90.42.20.01.001
シーマスターダイバー300M コーアクシャル マスタークロノメーター007 210.90.42.20.01.001
素材:チタニウム
ケースサイズ:直径42mm
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.8806
パワーリザーブ:約55時間
防水性:300m
定価:1,551,000円
いよいよTOP3の発表です!
3位にランクシンしたモデルはシーマスター ダイバー300 Ref.210.90.42.20.01.001です。
Ref.210.90.42.20.01.001は『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』スペシャルエディションとして2020年にリリースされた最新モデルであり、実際に作中でダニエル・クレイグ氏扮するジェームズ・ボンドが着用するとあって、発売直後から非常に話題性の高かった逸品です。
こちらもムーブメントにはコーアクシャルマスタークロノメーターが搭載されており、性能に非常に定評のある一本となっています。
Ref.210.90.42.20.01.001の魅力はなんといっても、『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』でジェームスボンドが着用する時計と同じデザインであること。
デザインは全体的にヴィンテージテイスト。アルミベゼルと合わせてシックな雰囲気仕上げられており、チタン製ケース・ブレスレットが採用されていることから、装着感にも優れます。ダイバー300Mは例年ブラック、ブルーが売れ筋ですが、今年は007エディションも売上を大きく伸ばしました。
並行新品相場は、状態や年式にもよりますが、120万円台~。他のモデルよりも高めの価格設定ではありますが、それでも良く売れています。
ただ、気を付けたいのは、新旧問わずシーマスターの実勢相場が近年、上昇を続けているということ!
高級時計市場が成長し、世界的に需要が高まっている今、人気モデルを中心に値上がりが断続的に行われています。
購入をご検討中の方は、さらに値上がりしてしまう前に!ご決断されることをお勧めいたします。
第2位 オメガ シーマスター ダイバー300M 210.30.42.20.01.001
シーマスター ダイバー300M 210.30.42.20.01.001
[駆動方式] 自動巻き
[キャリバーNo.] Cal.8800(コーアクシャル/マスタークロノメーター)
[パワーリザーブ]約55時間
[ケース材質]ステンレススティール
[ケースサイズ]直径42mm
[文字盤]ブラック
[防水]300m
第2位は「シーマスター ダイバー300M 210.30.42.20.01.001」です!
第10位でブルー文字盤のモデルを始め、様々なバリエーションをご紹介いたしましたが、ダイバー300Mの中でも圧倒的な人気を博したブラック文字盤は、別途ご紹介させて頂きます。
ランキングが示す通りオメガの中でも絶大な売れ筋を誇っており、売上本数においては堂々の第1位に輝いています。実勢相場自体は平均的であるにもかかわらず、売上金額においても第2位と好成績を残しました。
出典:https://www.omegawatches.jp/ja/
ベーシックなブラックが基調となりながらも、ベゼルや文字盤のセラミックが独特の光沢を放っており、ダイバー300Mの高級感をいっそう押し上げています。
ブラックはビジネスにもタウンユースにも合わせやすいため、「仕事でダイバーズウォッチを使いたいけど、カジュアルすぎないかな?」といった方にもダイバー300M Ref.210.30.42.20.01.001は良い選択肢となることでしょう。
なお、ダイバー300Mは発売から約4年が経過し、決して流通量が少ない稀少モデルではありません。
にもかかわらず当店含む多くの時計専門買取店ではダイバー300Mの積極的な高価買取を行っています。ダイバー300Mは人気どころゆえにどの時計店も絶対に在庫を切らせず、オールシーズンで業者間の争奪戦が激しいモデルとなってしまっているのです。
新品並行相場は70万円前後~。ブルー文字盤と大きく変わりません。スペックを加味すると、非常にお得なモデルだといえます。
2023年の力強い売れ行きは、2024年もダイバー300Mがオメガ人気ランキング上位を席捲することを予見させます。
第1位 オメガ スピードマスター プロフェッショナル 310.30.42.50.01.001
スピードマスター プロフェッショナル 310.30.42.50.01.001
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径42mm
駆動方式:手巻き
ムーブメント:Cal.3861(マスタークロノメーター)
パワーリザーブ:約50時間
防水性:50m
定価:880,000円
第1位は、オメガのフラグシップであり、NASAの公式装備品として月面探査に携行されたエピソードがあまりにも有名なスピードマスター プロフェッショナルです!オメガの中で最も有名なコレクションと言っていいでしょう。
なお、スピードマスター プロフェッショナルの基幹モデルはRef.310.30.42.50.01.001とRef.310.30.42.50.01.002の二本が挙げられます。当店の2023年人気ランキングではRef.310.30.42.50.01.001がNo.1人気モデル、Ref.311.30.42.30.01.002が第7位という結果となりました。
スピードマスターにもいくつかの派生モデルが存在しますが、基本的に「プロフェッショナル」が付く個体が月面着陸モデルのDNAを引いています。1964年にNASAの公式装備品となって以降、スピードマスターはアポロ11号やアポロ13号などといった重大なミッションで存在感を示すとともに、「月面着陸に欠かせない伝説的な存在」「宇宙開発計画にも耐えうる信頼性」などといったブランドイメージを時計市場で確立していくこととなりました。
Ref.310.30.42.50.01.001が並行市場に出回ったのは2021年5月頃。そのため流通量はまだ豊富というわけではありませんが、時計店にとって常に在庫を抱えておきたい新型スピードマスター プロフェッショナル。そのため業者間での争奪戦が熾烈となり、活発な売買が行われた一年でもありました。
そんなRef.310.30.42.50.01.001の特徴は、なんといってもムーブメントの刷新です。
旧モデルにおいてはCal.321から系譜を引く手巻きクロノグラフが搭載されていましたが、Ref.310.30.42.50.01.001には新しいムーブメントCal.3861が搭載されています。
このCal.3861は、シーマスターなどと同様に「コーアクシャル×マスタークロノメーター」が組み込まれており、スペックが大幅に向上しました。
手巻きゆえにシンプルで扱いやすく、かつオメガが誇る最新鋭のムーブメントを搭載しているだけあって、末永く愛用して頂けることでしょう。
出典:https://www.omegawatches.jp/
第7位で紹介したRef.310.30.42.50.01.002はシースルーバック仕様でしたが、よりオリジナルに忠実なデザインであるRef.310.30.42.50.01.001はソリッド式の裏蓋が採用されており、ガラスもサライトクリスタルガラス(強化プラスティックガラス)仕様となっています。
機械が鑑賞できるシースルーバック式も素晴らしいのですが、往年のシーホースが楽しめるメダリオンもまた特別な存在感を示します。シースルー・ソリッドそれぞれで良さがあり、選択の決め手は往々にして「好み」となるものです。
また、Ref.310.30.42.50.01.002はロゴがアプライドになっていることに対し、Ref.310.30.42.50.01.001はプリント式。
こういった往年のスピードマスター プロフェッショナルに忠実なディテールを愛する方は少なくないでしょう。
価格は、シースルーバック式よりもRef.310.30.42.50.01.001の方が若干お安くなっており、新品並行相場は80万円程度です。
もっとも、繰り返しになりますが「どちらが好きか」は好み。スペックも最新のコーアクシャル×マスタークロノメーターであることに変わりはありませんので、ぜひ「コレ!」と思える一本をお選び下さいませ!
最後に
当店GINZA RASINの2023年売上データから、オメガ人気ランキングをご紹介いたしました!
上位にランクインした時計は昨年と大きく変わりませんでしたが、2021年にモデルチェンジしたスピードマスター プロフェッショナルやシーマスター300が大きく飛躍した印象です。
さらに、シーマスター ダイバー300Mの手堅さなども浮き彫りになっており、これを基に2024年に購入するオメガを決めるのもオススメです。
なお、オメガは派生モデルが本当に豊富ですので、人気シリーズの中にも様々なバリエーションがあります。ぜひ一度、当店ホームページ等で、そのラインナップを見てみてくださいね。
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当記事の監修者
田中拓郎(たなか たくろう)
高級時計専門店GINZA RASIN 取締役 兼 経営企画管理本部長
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
当サイトの管理者。GINZA RASINのWEB、システム系全般を担当。スイスジュネーブで行われる腕時計見本市の取材なども担当している。好きなブランドはブレゲ、ランゲ&ゾーネ。時計業界歴12年