総合的な担い手・施工確保対策について | 美の国あきたネット

 本県建設業において深刻な担い手不足が懸念される中、近年頻発している豪雨災害等に伴う災害復旧工事をはじめ、県民の安全・安心の確保の観点から円滑な施工が不可欠となる工事の増加が見込まれることを踏まえ、県が発注する工事に関し、次のとおり総合的な担い手・施工確保対策に取り組みます。

1 ダンピング対策の強化について

 建設労働者の適正な賃金水準及び建設企業の採算性を確保するため、「秋田県低入札価格調査取扱実施要領」(平成9年8月8日監-1397)を改正し、県発注工事に係る最低制限価格及び低入札価格調査基準価格の算定式を見直すとともに、「秋田県低入札価格調査取扱要綱」(平成9年8月8日監ー1397)を改正し、令和4年4月1日以降に入札公告等を行う競争入札に付す全ての工事に低入札価格調査制度を適用することとしたので、ダンピング対策の適切な運用により、受注者における担い手の確保・育成の促進を図ること。

2 特定建設工事共同企業体に発注する一般土木工事の見直しについて

 県発注工事の円滑な施工を確保するため、「秋田県建設工事に係る共同企業体取扱要綱に基づく運用基準について」(令和2年4月27日入札審査委員会承認)を改正し、令和3年4月1日以降に入札公告等を行う一般土木工事について、入札が不調となる蓋然性が極めて高い場合には、3億円以上のものについて特定建設工事共同企業体に発注することができることとしたので、当該特例措置の適切な運用により、県発注工事の円滑な施工を確保すること。

3 現場代理人の常駐義務の緩和について

 災害復旧工事、改良復旧工事その他これらに類する工事(以下「災害復旧工事等」という。)の円滑な施工を確保するため、「県が発注する建設工事における技術者等の兼務要綱」(令和3年8月11日建政ー465)において、同一の現場代理人を配置する工事に災害復旧工事等が含まれる場合は、兼務可能な工事の件数を3件から5件に拡大することとしたので、当該緩和措置の適切な運用により、災害復旧工事等の円滑な施工を確保すること。

4 専任の主任技術者が兼務できる工事の緩和について

 災害復旧工事等の円滑な施工を確保するため「県が発注する建設工事における技術者等の兼務要綱」(令和3年8月11日建政ー465)を改正し、令和5年9月19日以降入札公告等を行う工事から同一の主任技術者を配置する工事に災害復旧工事等が含まれる場合は、兼務可能な工事の件数を原則2件から3件に拡大することとしたので、今後は当該緩和措置の適切な運用により、災害復旧工事等の円滑な施工を確保すること。

5 その他の施工確保対策について

(1)混合指名の活用

 災害復旧工事等の入札が不調となり、又は不調となる蓋然性が極めて高い場合(当該災害復旧工事等に近接かつ類似する工事の入札が不調となった直後に当該災害復旧工事等の入札公告等を行う場合に限る。)であって、混合指名以外の方法によっては円滑な施工を確保することができない場合は上位等級の者を下位等級の請負対応額の工事に指名できる。

 また、令和6年11月1日以降に入札公告等を行う工事から、災害復旧工事等を含む全ての工事(以下「当該工事等」という。)において、入札が不調となり、又は不調となる蓋然性が極めて高い場合(当該工事等に近接かつ類似する工事の入札が不調となった直後に当該工事等の入札公告等を行う場合に限る。)であって、混合指名以外の方法によって円滑な施工を確保することができない場合であって、かつ、施工箇所が点在する工事の積算を使用した工事に限り、下位等級の者を上位等級の請負対応額の工事に指名できる取扱いとしたので、適切に運用すること。

(2)発注ロットの大型化

 平成27年4月1日以降、地域内における手持ち工事量の状況やそれまでの同種工事の発注状況等から技術者や技能労働者の不足等が懸念される場合であって、契約担当者が工事の円滑な実施のために必要があると認めるときは、次のとおり取扱うことができるものとしているので、引き続き適切に運用すること。
 ①分離分割発注対象工事から除外する。
 ②施工箇所が近接する同一工種の複数の工事について、一の工事として発注する。

(3)指名競争入札及び随意契約の活用

 災害その他の理由により緊急を要する工事その他特殊な工事であって、条件付き一般競争入札によりがたいと認められる場合は「秋田県条件付き一般競争入札実施要綱」(平成19年3月29日建管ー2422)第2条第2項の規定により指名競争入札を行うことができることとしているので、引き続き適切に運用すること。

 なお、近接かつ類似する工事の入札が不調となった直後に入札公告等を行う災害復旧工事等も、同項の規定により指名競争入札を行うことができる場合に該当するので、指名競争入札の適正な運用により、災害復旧工事等の円滑な施工を確保すること。

 随意契約の活用に当たって、地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の2第1項第5号の規定は、緊急の必要により競争入札に付することができない場合に例外的に随意契約を認める規定であり、当該災害復旧工事等が、県民の生命及び財産の保護の観点から直ちに施工する必要があり、かつ、随意契約以外の方法では施工に必要な工期を確保することができない場合等、真に緊急性を要する場合に限りその適用が認められるものであることに十分留意すること。

 また、同施行令第167条の2第1項第8号の規定は、競争入札に付し入札者がないとき、又は再度の入札に付し落札者がないときに随意契約することができる規定であり、入札者がなく不調となり、地域の建設業団体等との意見交換や聞き取り等を行った結果、見積徴取業者が確保できる場合は、複数の者から見積を徴取し随意契約することができる、又は入札が不落となり、再度の入札に付しても落札者がないときは、再度の入札で一番最低の価格で入札した者等から見積を徴取し随意契約することができる。

 この場合、同施行令第167条の2第2項の規定により、契約保証金及び履行期限を除くほか、最初競争入札に付するときに定めた予定価格その他の条件を変更することができないことに十分留意すること。

(4)繰越明許費の早期設定

 「公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針」(平成13年3月9日閣議決定・令和4年5月20日変更)において定める「平準化を図るための方策」の趣旨を踏まえ、悪天候や用地取得の困難、入札不調等により年度内に工事が終わらないと見込まれる場合には、受注者が余裕を持って人材・資機材のやりくりを行えるようにするため、年度末を待つことなく、速やかに繰越手続きを開始し、翌年度にわたる工期の設定を行うこと。

(5)発注の平準化の推進

 建設業者の手持ち工事や技術者の状況等に配慮した適切な工期設定等に努めるとともに、「余裕期間設定工事実施要綱」(平成29年2月17日建政ー1488)による余裕期間制度の活用により、引き続き発注の平準化に努めること。

関係通知

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