八郎潟干拓地の維持管理
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八郎潟干拓事業によって誕生した広い大地を維持、管理するために様々な施設があります。干拓前の八郎潟の湖面積22,024haのうち、干拓地面積は17,239ha(周辺干拓地1,573haを含む)で、残された水面は調整池、東部承水路、西部承水路となっています。干拓地は干拓堤防で囲まれており、排水は主に中央幹線排水路を経由し、南北に設けられた排水機場で行われています。また、防潮水門は調整池の水位を一定に保ち、日本海からの海水の浸入を防いでいます。
八郎潟干拓地の概要
八郎潟の湖水面積 | 八郎潟の湖水面積 干拓前 22,024ha → 干拓後 4,785ha |
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干拓地面積 | 17,239ha(中央干拓地15,666ha、周辺干拓地1,573ha) |
農地面積 | 12,792ha(中央干拓地11,741ha、周辺干拓地1,051ha) |
干拓事業総事業費 | 852億円 |
中央干拓堤防 | 延長51.5km |
排水機場 | 南部排水機場 設置ポンプ5基(干拓地排水用4基、西部承水路水位調整用1基) 北部排水機場 設置ポンプ4基(干拓地排水用) 浜口機場 設置ポンプ2基(西部承水路の水位調整用) 方口排水機場 設置ポンプ3基(干拓地排水用) |
幹線排水路 | 22.6km(中央幹線排水路15.7km、一級幹線排水路6.9km) |
取水口 | 19箇所 |
防潮水門 | 全幅370m 洪水吐ゲート 12門、放流ゲート 2門、閘門ゲート 1門、魚道 2カ所 |
施設位置図
南部排水機場
中央干拓地の南西部にあり、5台の大型ポンプと水門が設置されています。その内4台は中央幹線排水路から水を汲み上げ調整池に排出し、1台は水門と合わせて西部承水路の水位調整を行っています。
気象観測も行っており、干拓地内に5カ所あるテレメーターから排水路水位、降雨量と西部承水路の水位の観測データと合わせて、各機場、防潮水門の運転、操作に役立てられています。
また、防潮水門、浜口機場の監視・遠方操作も行っています。
- 干拓地の排水用ポンプ(最大排水量 1秒間に40m3)
口径2,200mm×2基(1秒間に12m3/1基)
口径1,800mm×2基(1秒間に8m3/1基) - 西部承水路の水位調整用ポンプ(西部承水路と調整地との水の調整)
口径2,200mm×1基(調整地への排水 1秒間に10m3/1基、西部承水路への導水 1秒間に13.5m3/1基)
北部排水機場
中央干拓地の北東部にあり、4台の大型ポンプにより中央幹線排水路の排水を行っています。干拓地の排水のほか方口排水機場の遠方操作や水位、気象の観測を行っています。
- 干拓地の排水用ポンプ(最大排水量 1秒間に40m3)
口径2,200mm×2基(1秒間に12m3/1基)
口径1,800mm×2基(1秒間に8m3/1基)
浜口機場
中央干拓地の北部にあり、2台の大型ポンプと水門により西部承水路の水位調整と東部承水路から西部承水路への用水の供給を行っています。通常は西部承水路よりも東部承水路の水位が高いため、水門の開閉により水の供給を行っています。
また、東部承水路と西部承水路の水位、雨量観測も行っています。
- ポンプ(最大排水量 1秒間に7.0m3)
口径1,200mm×2基(1秒間に3.5m3/1基)
方口排水機場
中央干拓地の北東部、浜口機場と北部排水機場のほぼ中間にあり、3台の大型ポンプにより支線排水路から東部承水路への排水を行っています。
- 干拓地の排水用ポンプ(最大排水量 1秒間に9.5m3)
口径1,500mm×1基(1秒間に5.4m3/1基)
口径1,000mm×2基(1秒間に2.05m3/1基)
防潮水門
船越水道に設けられている防潮水門は調整池への海水の浸入を防ぎ、農業用水として利用されている調整池の淡水化を図るととも、洪水時には水門開放を行うなど年間を通して調整池水位の管理調整を行っています。
また、湖と海を行き来する漁船や生き物が往来できるよう、閘門ゲート、魚道も設けられています。
- 施設規模
全幅370m、洪水吐ゲート14門、放流ゲート2門、閘門ゲート1門、魚道2カ所
中央幹線排水路と一級幹線排水路
中央干拓地内の排水は主に支線排水路、一級幹線排水路、中央幹線排水路を流れ、中央幹線排水路の両端に設けられた南部排水機場と北部排水機場から調整池、東部承水路に排水されています。