令和6年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 創意工夫功労者賞の受賞について
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![創意工夫功労者賞伝達式での記念写真](/uploads/public/archive_0000080848_00/IMG_1321_HP掲載用.jpg)
創意工夫の概要
当社では光学及び電子産業用平行平面ガラスを製造する前洗浄プロセスにおいて、基板を1枚ずつ手洗いしていたため、キズの発生によるコストの増加や長時間にわたって立ちっぱなしで冷水を使うなど、作業環境に課題がありました。
そこで、洗浄に必要な要素(ヤケ取り、指紋・油脂取り、微粉除去)に有効な洗浄剤の探索及び洗浄条件の検討・最適化を行い、新たな洗浄ラインを構築しました。これによって、キズの発生率が減少したほか、作業環境の改善による作業者の負担を減らすことができました。
受賞者 宮腰精機株式会社 国見工場 佐藤 蓮 氏
業績名 バンドソー切断機の安定的な切断方法の考案
創意工夫の概要
印刷機の製造過程において、バンドソー切断機で部品の切断作業などの部品修正を行う際、ノコギリ刃の位置変化が要因で、切断位置のズレや切断刃折損などが発生し、納期の遅延やコスト面が増大することが問題でした。本業績では、ノコギリ刃が切断荷重に負けないように固定する為に、端材製作した治具をノコギリ刃の後方に取り付けし問題解決しました。成果として部品手直し不良発生率が減少したうえ、ノコギリ刃折損事故も無くなり、組立者全員が誰でも扱えるようになりました。
受賞者 JR東日本テクノロジー株式会社 車両事業本部 秋田支店 鈴木 一歩 氏
業績名 エンジンロッカーアーム研磨作業方法の改善
創意工夫の概要
鉄道車両の気動車エンジンにおいて、エンジン性能を保つ役割がある「ロッカーアーム」の当たり面を仕上げる研磨作業は、職人的な手作業のため、技術を身に付けることが難しく、作業者によって仕上がりにばらつきが発生するという課題があったほか、ベテラン技術者の高齢化で技術継承が急務となっていました。このため手作業の動きを再現するために、回転運動を直線運動に変換する仕組を追求して、「ロッカーアーム研磨装置」を新規製作し、「誰が研磨しても均等な仕上がり」を実現しました。
受賞者 秋田製錬株式会社 渡邉 利幸 氏
業績名 ナッシュポンプ構成部品材質の改良
創意工夫の概要
亜鉛製造工程の一つである「亜鉛電解」において、電解液の温度上昇を抑えるため、ナッシュポンプという真空ポンプを用いた真空冷却装置で冷却を行っていますが、このポンプの不具合により真空度が低下し、冷却効率が落ちるため、それを補うためのエゼクターにおいて使用する蒸気量が増加していました。そこで、ポンプの不具合箇所であるローターガイドのライニングを別の材質に変更したことで、シール性が向上して部品寿命が延び、それらの交換費用と蒸気使用量削減につなげることができました。